中古車で選んでもよい走行距離って?購入時のポイントや注意点

中古車走行距離

中古車の状態を確認するときに、年式の他に確認するのは走行距離でしょう。

車の状態を左右する重要な項目ですが、どの程度のものを選択すべきか迷うものです。

「中古車って何万kmまでのものなら大丈夫?」
「距離を走っている車は故障するの?」

上記のように悩んでいる方向けに、車の走行距離別のコンデションと相場の目安をご紹介します。

この記事のポイント

  • 走行距離ごとの中古車の状態と相場
  • 中古車購入の注意点
  • 自分に合った車の選び方

中古車を検討していても、どのコンディションの車を選べばよいのか考えている方向けに、車のプロフェッショナルが分かりやすく解説します!

目次

走行距離は1年1万kmが目安(1年間の走行距離の目安)

トヨタ 車

中古車の状態を表すのに、年式や走行距離は大きな要因とされます。一般的に想定されているのは、1年で1万km程度の走行距離です。

単純計算をすると、5年経過で5万km、10年経過していると10万kmとなります。10年経過しているのに、5万kmなどの車は走行距離が少ない車体です。

もちろん車の使い方によっても走行距離は異なります。毎日通勤で10km走行する人と20km走行する人では倍の走行距離です。

都市部なのか、郊外なのかによっても距離数は異なるでしょう。

車体状態によっても変わりますが、走行距離が少ない車体の方がコンディションがよいとされて、車体価格も高くなります。

一方で車齢が10年なのに走行距離が3万kmのような、明らかに少ない車体には注意が必要です。

注意点の見出しでも解説しますが、車は機械製品なので平均的な走行距離を走っている方が調子がよいことが多いです。

車の使用用途による走行平均距離

車 街中

車をどのように使うのかによって、どれほど走行平均距離が異なるのかご紹介します。

4つの使用用途に分けて、平均的な走行距離を見てみます。

近場で乗る

近隣のスーパーに買い物に行くなどの用途であれば、走行距離も多くならないでしょう。年間の走行距離も3,000km~のように少ないです。10年乗ったとしても4万kmほどしか走っていないのは、このようなケースです。

見た目めもきれいな状態が保たれており、走行距離も走っていないのでお買い得に見えます。

しかしエンジンが冷えている状態で走り始め、温まる前に目的地に到着してエンジンを止めるという使い方をされているものが多いです。

エンジンに負担がかかる走り方のために、入念な点検は欠かせません。

レジャーへ行く

土日に家族でレジャーに出かけるのが主な使用用途なら、平均的な走行距離も6,000km~となるでしょう。

1度出かけると走行距離を走りますが、毎日走行するわけではないので、平均的な走行距離に収まる程度です。

もちろん毎日の通勤+レジャーという使い方をしているなら、走行距離がさらに伸びていきます。

通勤・通学

通勤や通学で使っているなら、毎日走行することになり、走行距離も伸びることが多いです。往復20kmのところに毎週5日通っているなら、年間の平均走行距離は約5,000kmになります。

買い物やレジャーでも使うことを考えると、5,000kmから1万kmほどの走行距離になるでしょう。通勤距離が長いならば、平均的な走行距離をオーバーすることもあります。

社用車

毎日仕事で使う社用車は、走行距離も多くなりがちです。

近場を走っている場合でも1万kmを超えますし、長距離で使用することも含まれているなら、年間走行距離は1万5,000kmを超えるでしょう。

メンテナンスされている可能性はありますが、過走行車となるでしょう。

走行距離ごとの中古車の状態と相場(軽自動車・普通車)

走行距離を走っている車体はコンディションが悪いとされていますが、車の性能が高くなっているので走行距離が伸びている車でもメンテナンスをすれば安全に走行可能です。

しかし中古車になると、走行距離によって車体価格が大きく変わります。

走行距離別の中古車の状態と相場を、軽自動車と普通車に分けてご紹介します。

コンディションの目安と軽自動車と普通車の相場を見てみましょう。

中古車相場は分かりやすくするために10年経過しているセレナとワゴンRで、それぞれ走行距離が近く、車体価格が安いもので比較しています。

比較的状態がいい車が多い3万km

年式の割には状態がよく、質のよい中古車となるでしょう。もちろん年式が新しいものであれば、新車とほとんど変わらない状態のものも探せます。

しかし年式が新しく3万km程度の走行距離であれば価格も下がっていないでしょう。年式が古いものでも、走行距離が3万kmほどなら、車体のコンディションはよい場合があります。

しかしエンジンをあまり動かしていないと考えられ、エンジンの状態の確認と各部の入念な点検は欠かせません。

セレナワゴンR
2011年式:75万円2011年式:39万円

走行距離と価格のバランスがいい5万km

走行距離が5万kmを超える車体になると、中古車の相場が下がってきます。一般的に5年経過した車体であれば、5万kmが目安となるでしょう。

乗り換えの1つのタイミングでもあり、中古車を安く買いたい方であれば5万kmを超えた車体がよいでしょう。

10年経過した車であれば、平均的走行距離よりも少なめで、比較的安価に購入できます。

セレナワゴンR
2011年74.8万円2011年19.8万円

格安で中古車を購入するなら10万km

10万kmになると、車体価格が大きく下がるターニングポイントです。

10年10万kmといわれてきましたが、近年の車は性能が向上しているのでメンテナンスされている車であれば問題なく走行できます。

ただし条件となるのは「メンテナンスされているのか」です。

予防整備として、各部品が交換されていることが整備記録などで分かるのであれば安心して乗れるでしょう。

足になる安価な車が欲しいという方なら、整備されている10万kmを超えた車がよいです。年式が新しくて10万kmを走っている車でも、交換部品は出てくるためリスクを考慮すべきでしょう。

セレナワゴンR
2011年25.8万円2011年9.8万円

※参考元 価格ドットコム 2021年2月の情報です。

年式と走行距離のどちらを優先するべきか

年式と走行距離のバランスを考慮することがありますが、結論からすると平均的な走行距離の車はリスクが少ないといえます。

現在想定される適切な年間走行距離は、8,000kmから1万kmほどです。

簡単に計算するなら、1年経過すると1万km走行距離が増える計算です。

極端に走行距離が少ない車は、ほとんど利用していない期間があった可能性があります。また新しいのに走行距離が増えている車は、長距離での使用が多かったことでしょう。

走行距離が伸びている車は、高速道路などで連続使用されていたことが考えられ、極端に走行距離が少ない車よりも機能面で安心です。

中古車購入のリスクと注意点

中古車購入のリスクと注意すべきポイントは以下の通りです。
安心して車に乗るために、これらの点をチェックしておきましょう。

  • 極端に距離が短い中古車
  • メンテナンスの状態
  • 修復歴
  • メーターの改ざんの有無
  • 車両価格以外に掛かる費用
  • 保証がついているか
  • 車内の臭い※タバコの臭いなど

走行距離

極端に距離が短い中古車は、どのような使われ方をしていたのか予測しにくいのが注意点です。青空駐車でボディのメンテナンスもされていないのであれば、塗装面にダメージがある可能性も。

メンテナンス記録

またメンテナンスの履歴が残っているかどうかも確認しておきましょう。走行距離が伸びている車でも、メンテナンスがしっかりとされているなら安心できるからです。

修復歴

中古車は修復歴がある場合もあるでしょう。修復歴を気にするかどうかは、好みや選び方によっても異なります。ディーラーの認定中古車のようにメンテナンス記録が残っていて、どのような修理をしたのか分かっている車両であれば安心です。

一方で、修復歴がないと表示されていても、実は修復歴ありの車というケースもあります。誠実に車の販売をしている店舗でなければ、修復歴を見分けるのが難しいのはリスクとなります。

メーターの改ざん

走行距離は中古車価格に影響を与える大きな要素になるため、メーターの巻き戻しを行う不正が行われてきました。現在は、走行距離を管理するシステムが導入されているため改ざん対策は行われています。

しかし完全になくなったわけでないため、中古車の場合にはメーター改ざんのリスクは残っています。

諸費用

車両価格以外にも整備費用や手数料が必要となるケースもあります。購入時の総額がいくらなのかも確認しておきましょう。

保証

メンテナンスされている車でも、機械なので故障が発生してしまうことはありえます。販売店が独自の保証を設定していることもあるので、確認しておきましょう。

10万km超えると危険?

10万kmを超えると安全に走れないという認識は以前のものとなっています。20万kmを超えても調子よく走っている車は多くありますし、タクシーなら40万km以上も走行するケースも多いです。

10万kmを走行していても、エンジン周りの部品が交換されていると、安心して走行できます。10万kmを超える車は車体価格が安くなっている傾向があるので、メンテナンスされている車を選べば状態の割に安く購入できるでしょう。

しかし10万kmを超えており、年式も古くなっていると、次回の乗り換えの際に査定額がつかないことはリスクです。購入費用を抑えたい方にはおすすめできる車です。

避けるべき中古車とは

年式が古い車や走行距離を走っている車でも、状態がよければ安心して乗れる反面、以下の車は避けておくべきです。

  • 修復歴あり車
  • 故障車
  • 水没車
  • 塩害車

事故をして修復歴がある車なら、中古車探しの際に分かりますが、水没や塩害などは現車確認してみなければ分かりません。

販売店に記載されていないリスクを考慮しなければ、購入してからエアコンや電装系に不具合が生じることもあります。走行距離メーターを改ざんするケースは少なくなったのですが、修復歴の隠蔽はあり得るので、注意が必要です。

走行距離に応じてメンテナンスがされているのかをチェックする

どのようなメンテナンスがされているかは車両のコンディションに大きく影響を与えます。整備記録が残っているなら、走行距離に応じたメンテナンスが行われているか確認しておきましょう。

交換の目安となる時期や走行距離、そして交換部品は以下の通りです。

エンジンオイル6か月または4,000km
オイルフィルターオイル交換2回に1回
オートマオイル2万~10万km
クーラント2~10年
エアーフィルター2万~5万km
(純正交換タイプ)
エアコンフィルター1年
ブレーキオイル2年
ブレーキパッド消耗した場合
スパークプラグ2万~10万km
ワイパーブレード1年
替えゴム6か月
バッテリー3年
タイヤ・夏タイヤ
5年または3万km
・冬タイヤ
3年または3万km

自分に合った走行距離の車の選び方

自分に合った走行距離の車を探すためのポイントを見ていきましょう。

  • 新しい中古車がよい:~3万km
  • バランスがよい中古車:6万km~10万km
  • 安い車がよい:10万km~12万km未満

新しく綺麗な中古車を買いたい

走行距離〜3万km未満の車は、年式が新しいものであれば年数が経過していないですし、古いものでも傷が少ない可能性が高いです。価格の安さと新しさを両立したいのであれば、3万km未満の車にするとよいでしょう。

バランスの良い中古車を買いたい

走行距離が5万kmを超えると、車体価格が下がることから、走行距離6万km〜10万kmの車はコスパがよいといえます。交換が必要になる部品も多くはないことから、安全に乗れる車を探したい方に走行距離6万km〜10万kmの車おすすめです。

足にしか使わないので安く買いたい

普段の足にしか使わないのであれば、走行距離10万km〜12万km未満の車がよいでしょう。激安価格で購入できる車もあるので、購入費用を大きく下げることが可能です。もちろん10万kmを超えるので故障が心配になりますが、部品の交換履歴がある車なら安心でしょう。

一方でリセールバリューには期待できません。数年後に乗り換えるときには価値がないものと割り切りが必要です。

安全でお買い得な車を購入するもう一つの方法

安全にお買い得な車を購入する方法として、未使用車という選択肢もあります。

登録済(届出済)未使用車は初度登録済みで一般の走行に供されていない車のことで、ほとんど新車であるにもかかわらず、新車価格より比較的安く購入可能です。

新車と比べて、納車期間も短くなっており、何よりもトータルコストを抑えることができる可能性もあります。

下記の車を購入したとしましょう。5年間乗るための費用は2回分の車検です。

例)中古車N-BOXGLパッケージ 総額相場120〜130万円 5年落ち(カーセンサー参考)

  • 7年目車検 約10万円
  • 9年目車検 約10万円

年式が古くなると、交換が必要になる部品があるので約10万円の車検費用です。

結果として、5年間のトータルコストは約140万円から150万円です。

注意点として、車の状態によっては修理費用がさらにかかる可能性があります。

また乗り続けた場合の、5年後のリスクとして以下のものがあります。

  • この時点で10年の落ちのため高額修理箇所が出る可能性が高まる
  • 査定金額がつきにくい

一方で、未使用車の場合の試算は以下のものです。

例)未使用車N-BOX GL 約160万円〜170万円(カミタケモータース参考価格)

  • 3年目車検 約5万円
  • 5年目車検 約5万円

年式が新しいので、想定される交換部品も少なく、車検費用は5万円としています。

5年間のトータルコストは約170〜180万円です。

新車から5年落ちになるので、10年落ちまで乗るとしても、さらに5年乗ることができます。さらに5年落ちの時点で乗り換えを検討していても、査定金額が推定で50万円以上つくのでトータルの支払総額は安いです。

この例から言えること・・・・

中古車の場合、年式が高くなるにつれ車検に掛かる費用も高くなるため、必要な車検を2回受けると約20万円のメンテナンス費用が必要です。

仮に安く購入できたとしても、メンテナンス費用が掛かるとトータルコストがかかり、数年乗ると高年式となるため下取りの査定金額も期待できません。

また、前型の車両を乗ることになるので安全装備が着いていないケースが多く燃費も新車より落ちているのも懸念点。

未使用車の場合、初期費用は中古車よりも高くなりますが、最新機能や安全装置がついた車に乗ることができ、メンテナンス費用も抑えられ保証5年間付きで安心して乗ることができます。

5年後に下取りに出したとしても、5年落ち車両はしっかり査定がつくのでトータルコストは低くなるのが特徴です。

未使用車がおすすめの方は以下のような方です!

  • 2〜3年以上、または長く乗る予定
  • 安全装備が欲しい
  • 車の状態の見極めに自信がない

上記の方は未使用車の方が安心、お得に乗れるケースが多いです。

もちろん軽自動車、普通車、車種によってこの例に当てはまらないケースもあるが、もし約2〜3年以上は乗る、長く乗りたいという方はトータルコストと安全のため未使用車をおすすめします!

未使用車

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もし、予算が限られている場合は?

もし予算が限られており、未使用車を検討していても難しそうなら、一部頭金でローンを組む方法も検討できます。

現金で購入できる予算内で中古車を探すこともできますが、予算を上げて未使用車を検討すると、数年にわたって安心して車に乗れます。

一部ローンを活用すると、希望の車種を購入することもでき、マイカーライフが楽しくなることでしょう。

弊社カミタケモータースでは、常時900台の在庫を用意しており、豊富な選択肢からお気に入りの1台を見つけることが可能です。気に入ったモデルがないかどうか、探してみることをおすすめします。

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