先日、大阪・大東市の金型工場を取材し、新型CX-5のボディがミクロン単位の手仕事から生まれる現場をレポートしました。今回はその続編です。つくられた金型が運ばれていく先――マツダの広島本社へ行ってきました。
普段は入れないエリアまで案内していただき、2026年10月開催の「マツダファンフェスタ2026」の目玉コンテンツを一足先に体験しています。マツダ車に乗っていない方でも楽しめる内容です。

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敷地は「町」ひとつぶん

まず驚いたのがスケールです。
- 敷地面積:約223万平方メートル(東京ドーム約47個分)
- 従業員:約2万人
- 敷地内に専用の消防署あり
製造から輸出までがこの中で完結します。工場というより、町がまるごと入っている感覚でした。
敷地内には「東洋大橋」という大きな橋があります。社名が東洋工業からマツダに変わった際、施設名も順次変更されたそうですが、この橋だけは由来があり当時の名前のままなのだそうです。
新型CX-5とご対面
本社に入ってすぐ、新型CX-5と歴代モデルが並んでいました。実車に触れて印象的だったのは3点です。
リアの開口部と乗降性

開口部が大きくなり、車体も先代より大型化。乗り降りのしやすさとヘッドルームの余裕は、座るとはっきり分かります。ファミリーユースには大きなポイントです。

ヘッドレストの形状

運転席側のヘッドレストの形が工夫され、後方視界の抜けが違います。数値には出にくい部分ですが、乗り比べると解放感が明らかに違いました。
エンブレムが「MAZDA」表記に

フロントデザインが水平基調になったのに合わせ、マークではなく文字のロゴに変更。細部まで理由があるのがマツダらしいところです。操作系も改良され、従来のダイヤルに加えてリング操作にも対応していました。
マツダミュージアムで100年の歴史をたどる

続いて、広島工場内にあるマツダミュージアムへ。完全予約制の施設です。ここに展示されている車両の一部が、ファンフェスタ当日に富士スピードウェイを走ります。
始まりはコルクだった

創業者は松田重次郎氏。大阪で工場を立ち上げたのち広島に戻り、東洋コルク工業の実質的な創業者となります。マツダは車ではなくコルクの会社としてスタートしているのです。
1931年、三輪トラック「マツダ号DA型」

ここから車づくりの歴史が始まります。展示車にはマツダと三菱のマークが並んで付いていました。当時は自社の販売店がなく、三菱商事が販売を担っていたためだそうです。
原爆から4ヶ月で走り出した三輪トラック

1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下されます。「75年間は草木も生えない」と言われた土地で、わずか4ヶ月後の12月には三輪トラックが完成していました。復興を支えたのが、この三輪トラックです。
R360クーペ、ファミリア、ボンゴ

1960年代からは乗用車へ。マツダ初の乗用車R360クーペ、家族で使えるファミリア、暮らしと仕事を支えたボンゴ。並べて見ると、車が人々の生活に近づいていく流れが分かります。
「昔の車のほうがおしゃれ」という話にもなりましたが、これは現代の車が安全基準をクリアする必要があるため。フェンダーの厚みやボンネットの形状など、デザインの自由度が当時とは違うのです。
コスモスポーツとロータリーエンジン

マツダは世界で初めてロータリーエンジンの量産化に成功したメーカーです。三角のローターが回転する構造で、小型・高効率な反面、耐久性の確保が難しく「夢のエンジン」と呼ばれていました。1967年発売のコスモスポーツから、初代RX-7へとつながります。
オイルショックで打撃を受けた際も、「技術で失ったものは技術で取り返す」を合言葉に、ロータリー車の燃費を約50%改善させたそうです。
マツダ787B

1991年、日本車として初めてルマン24時間耐久レースで総合優勝したマシンです。24時間走り切ること自体が勝負のレースで、ロータリーが完走・優勝した意味は大きい。なお、展示車はレプリカで、本物はフランスに出張中でした。見分け方はフロントフェンダーの日の丸ステッカーだそうです。
787Bは世界に3台のみ。優勝した55号車が動態保存となり、選手権用にもう1台を製作。2台をマツダが、1台を個人コレクターが所有しています。ファンフェスタ当日は、この787Bを2台同時に走らせる計画があるとのことです。
ものづくりエリア|遊びながら車づくりを学ぶ

ファンフェスタに出展予定のコンテンツエリアも見学しました。車づくりは、開発・デザイン→実験→プレス→塗装→組み立て・検査という流れ。開発費は1台あたり数百億円規模になることもあるそうです。

印象的だったのが衝突安全の設計。衝突時にフレームがジャバラ状に折れ、衝撃を吸収しつつ、ぶつかった後もドアが開く構造になっています。レッカーの仕事をしていた経験から言うと、あの衝撃で普通ドアは開きません。

もうひとつが金型のこだわり。パネルを2枚並べて「違いが分かりますか?」と聞かれ、ようやく気づいたのが、ラインがわずかに膨らんで見える部分。金型がミクロン単位でへこんでいるためで、色を塗ると差がはっきり出ます。前回取材した大阪の金型工場と、ここが繋がっていると実感した瞬間でした。
組立工場|同じラインに違う車種が流れてくる

撮影NGでしたが、個人的に一番の迫力は組立工場でした。他メーカーと決定的に違うのが、同じラインを流れてくる車種がランダムだということ。CX-5の次にロードスターが来ます。いわゆる混流生産です。
しかもラインは基本的に止まりません。作業が間に合わなくなりそうなときは人を呼んで対応し、流れを止めない仕組みだそうです。工場の外では、輸出を待つ完成車が1万台規模で整然と並んでいました。
ヘリテージカー試乗|RX-7スピリットR
今回のハイライトは、敷地内でのヘリテージカー試乗。これもファンフェスタ当日に体験できる予定です。
RX-7 スピリットR

限定生産の貴重な個体で、走行距離は7万2000km。エンジンをかけた瞬間の音がもういい。細かい振動はありますが、「これぞスポーツカー」という手応えです。リトラクタブルヘッドライトが動く姿を見られること自体、今では貴重でしょう。

RX-7はもともと高価だったことに加え、漫画・アニメの影響で人気が爆発。実際に速い車なので多くのユーザーが走らせ、壊し、きれいな個体が減っていったのです。今では状態がよくなくても500万円前後、コンディションのいいものは800〜900万円という世界です。
観音開きのロータリースポーツ

もう1台は、フリースタイルドアが特徴のモデル。運転席のドアを開けてレバーを引くと後ろのドアが開きます。エンジンが車体中央寄りの低い位置にあるため、ハンドリングが非常に素直。ステアリングもペダルも軽自動車の倍近く重く感じますが、それがまた気持ちいい。

走行距離はわずか3万9000km。お客様がマツダに寄贈された車で、「マツダが受け入れてくれないならクラッシュさせる」とまで言われたのだとか。低速では驚くほど静かなのに、踏み込むと独特の音で唸り出します。
社員食堂も体験

試乗のあとは社員食堂へ。本社工場には10ヶ所以上の食堂があり、それぞれ個性があるそうです。今回は「マイスターキッチン」で豚肉の定食をいただきました。素直においしい。ただ正直に言うと、カミタケモータースの食堂もかなり頑張っていると思っています(笑)。
マツダファンフェスタ2026 開催情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | マツダファンフェスタ2026 |
| 開催日 | 2026年10月3日(土)・4日(日) |
| 会場 | 富士スピードウェイ |
| 当日の注目コンテンツ |
|
最新情報は公式ホームページをご確認ください。
https://www.mazda.co.jp/brand/event/mff2026_fuji/
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まとめ|「こだわり」の正体を見た一日
金型工場から広島本社へ。2回の取材を通して見えてきたのは、マツダのこだわりの深さでした。
- ミクロン単位で削られる金型
- ジャバラ状に潰れる衝突安全設計
- ヘッドレストの形ひとつで変わる解放感
- ラインを止めずに多車種を流す混流生産
- 寄贈された1台を大切に走らせ続けるヘリテージ活動
細部から根幹まで、すべてに理由がある。車の製造者というより職人集団に近い、そんな印象を受けた一日でした。そしてこの体験の多くは、10月のマツダファンフェスタ2026で誰でも味わえます。
MAZDA FAN FESTA 2026 at FUJI SPEEDWAY
カミタケモータースでもマツダ車をご覧いただけます
「マツダの車づくりに興味が湧いた」という方は、ぜひ実車をご覧ください。
カミタケモータースでは枚方・奈良・大分の各店舗で、マツダを含む全メーカーの新車・中古車を取り扱っています。CX-5やロードスターはもちろん、「今の愛車を下取りに出したらいくらになるか」といったご相談も歓迎です。
- 全メーカー・全車種の新車お見積もりに対応
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- ご来店予約は公式サイトから
カタログのスペックでは分からない乗り降りのしやすさ、視界の抜け、座り心地は、実車に触れていただくのが一番です。ぜひこちらからスタッフまでお気軽にお問い合わせください。


