車を購入する際には、新車の他に中古車、さらには未使用車があります。登録済(届出済)未使用車とは初度登録されていて一般の運行に供されていない車のことです。
中古車でも新車とほとんど同じコンディションで、さらにお得に、すぐに手に入ることもある購入方法です。しかしその未使用車でもリース契約できるでしょうか?メンテナンスや諸費用も含まれている車の維持方法のリースについて解説します。


未使用車リースの基本的な仕組み

未使用車リースが選ばれる理由
未使用車のリースなら、気に入った中古車や登録済(届出済)未使用車を選び、契約期間中にかかる車検代や自動車税などの維持費も含めて、毎月決まった額を支払うことで利用できる方法です。契約期間は自由に選べて、対象となるどの中古車でもリース契約が可能です。
「車にかかるお金をできるだけ抑えたい」と考えている方は、未使用車も含めた中古車リースがおすすめ。月額1万円台から豊富な車種が選べるため、新社会人や年金生活の方、セカンドカーを探している方にも人気があります。
新車リースとの違いとは?
新車リースと未使用車リースにはそれぞれに特徴があり、どちらを選ぶかは自分の好みや条件によるといえるでしょう。
新車だと少し手が届かない車やグレードでも、中古車なら手の届く範囲になることも多くあります。さらに、ナビやETCが最初から付いている車もあり、その場合はさらにお得に感じられることもあるでしょう。
新車リースでは、オーダーメイドで自分の好みに合わせた最新モデルを選べます。さらに、最新のオプションを追加でき、新車の長い保証もついてくるので安心感があります。ただし、未使用車リースと比べると価格が高くなる傾向があるため、比較が必要でしょう。
一方、未使用車リースは、ディーラーやリース会社が既に持っている在庫車から選ぶので、納車がとても早くできるのがメリットです。また、価格も新車よりお得になっていることがあるので、費用負担を抑えられるでしょう。ただ、在庫から選ぶので、車種や色、グレードが限られてしまう点は注意が必要です。
納車の速さや価格重視なら未使用車リース、こだわりの一台や最新の装備が欲しいなら新車リース、といった感じで、自分の目的に合わせて選ぶのがベストです。
未使用車リースのメリットとデメリット

未使用車リースのメリット
経済的な負担が少ない
カーリースでは、基本的に頭金が不要なので、いきなり大きなお金を用意しなくても新しい車に乗り出せます。また、契約期間が長めですので、毎月の支払いもお財布に優しく抑えられます。
特に未使用車は中古車という扱いなので、新車リースよりも負担額を抑えられる傾向があるのがメリットです。
毎月の出費が一定
リース料には車の価格だけでなく、登録費用や税金、車検の基本料金、さらにはメンテナンス費用(契約内容によります)も含まれているため、毎月の車関連の出費が一定になります。
新車を購入するパターンであれば、車検やメンテナンスの費用を都度支払う必要があるのが懸念点です。その点、リースであれば支出が一定なので、家計の管理もしやすくて安心です。
面倒な車の管理が不要
税金の支払いや車検、メンテナンスなどをリース会社がすべて対応してくれるため、自分で手間をかける必要がなくなり、楽に管理できます。
メンテナンスの度に、どの整備工場などに依頼するとよいのか分からないと、負担に感じる方もおられるでしょう。管理が楽になれば、ドライブを楽しむ時間が増えるのも嬉しいポイントです。
新車よりお得に購入できる
登録済未使用車を手に入れられれば、新車を購入するよりもお得に済みます。車は一度も運転されていなくても、登録された瞬間から時間が経つと価値が下がるという特徴があります。
登録済未使用車は、新車に近い状態でありながら、登録から少し時間が経過しているため、新車よりも安く手に入れることができます。出費を抑えつつ、できるだけ新しい車が欲しい方にとって、ぴったりの選択肢となります。
コンディションが良い
登録済み未使用車は、中古車として販売されているものと比べても、新しい状態の車です。多少の移動はされているかもしれませんが、公道で走行していないため、通常の中古車に見られるような傷や劣化がほとんどありません。
そのため、できるだけ新しくきれいな車に乗りたいと考えている方にとって、登録済み未使用車はよい選択肢となるでしょう。
未使用車リースのデメリット
解約するのが難しい
リース契約は基本的に、契約の途中で解約できません。契約期間の途中で解約する場合、解約金が発生することを覚えておく必要があります。
特にリース期間がまだ残っている場合、その分の費用を負担しなければならないことが多いです。カーライフについて事前に計画しておく必要があるでしょう。
車の使用に制限がある
リース契約では、特に残価設定がある場合、車を返却することが前提となるため、使用に制限がかかります。たとえば、車を改造することは基本的にできません。
また、走行距離にも上限が設定されているため、注意が必要です。条件を満たしていない場合には、返却時に追加費用が必要になる場合があるので、注意しましょう。
契約満了時に追加費用がかかる可能性
リース期間が満了すると、車の査定が行われます。その査定額が契約時に設定した残価を下回っている場合、差額を支払わなければならないことがあります。
査定額を下回る要因となるのは、車のコンディションや走行距離です。
契約満了後の所有権
残価設定のあるリース契約では、契約が満了しても車は自分の所有物にはなりません。ただし、一部のリースプランでは、契約満了時に車を自分のものにできる場合もあります。しかし、その際には残価で車を買い取る必要があります。
なお、車を買い取った場合、最終的な支払い総額がローンで購入する場合よりも高くなることがあります。これは、リース料には車両価格以外にも金利が含まれているためです。
未使用車リースを利用する際の注意点

契約時に確認すべきポイント
契約者の条件をチェックする
カーリースを利用するには、契約者に対していくつかの条件が設定されています。まずは自分がその条件を満たしているか確認しましょう。例えば、以下のような条件があります。
- 20歳以上75歳以下で、安定した収入があること
- 過去に自己破産や返済の遅延がないこと
これらは一例なので、リース会社によって条件が異なる場合もあります。
契約の審査がある
契約者の条件とは別に、「契約時の審査」も行われることが多いです。基本的な流れとして、まずリースしたい車を選び、その後に自分の住所、氏名、職業、年収などの個人情報を入力します。
その情報をもとにリース会社が審査を行い、与信を判断します。ただし、審査基準や項目については公開されていないため、どのように判断されるかはわからないことが多いです。
連帯保証人の有無
連帯保証人が必要かどうかも確認しておくべきポイントです。例えば、未成年や学生がリース契約をする際には、連帯保証人をつけることで契約が認められることがあります。
連帯保証人には、親や兄弟などの親族がなるのが一般的です。ただし、連帯保証人は普通の保証人よりも法的な責任が重いので、その点も理解しておくことが大切です。
ボーナス払いの有無
ボーナス払いが必要かどうかも確認が必要です。リースの広告で「月々定額」とうたっている場合でも、実際にはボーナス払いが設定されていることがあります。
一度ボーナス払いを設定すると、後から変更できないリース会社もあるので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
金利がかかる範囲の確認が必要
金利がどの部分にかかるかも把握しておくべきです。カーリースでは、車両価格だけでなく、メンテナンス料金や税金にも金利がかかることが多いです。例えば、以下のような項目に金利がかかることがあります。
- 車両本体価格
- 車検代
- メンテナンス代
- 自動車税
- 諸経費
元本が高くなりやすいので、契約前にしっかり確認しておきましょう。
リース終了時の対応方法
カーリースを利用すると、契約満了後には基本的にリース会社へ車を返却する必要があります。これは、カーローンとは異なり、カーリースはリース会社が購入した車を借りている形になるからです。車の所有権はリース会社にあり、契約者は「車の使用者」という立場なので、契約が終了したら車を返すのが原則です。
返却時には、注意すべきポイントがありますので、順番に見ていきましょう。
注意点①:車の状態
まず、返却する車の状態が重要です。もし車に大きなキズや凹みがあったり、カスタムやドレスアップをしていると、その修理費用を請求されることがあります。リース終了後にその車は中古車として販売されるので、状態が良くないと修理が必要になります。
一部のリース会社では、メンテナンスプランに加入していると、原状回復が不要になる場合もあるので考慮しましょう。運転に自信がない場合は、このようなプランや車両保険に入っておくと、返却時の費用負担を抑えることができます。
注意点②:走行距離制限
走行距離の制限です。多くのリース契約では、月間1,000~1,500km程度の走行距離制限が設定されています。この制限を超えると、1kmあたり5~15円の超過料金が発生することがあります。
たとえば、走行距離が1万kmオーバーして、超過料金が1kmあたり10円だとしたら、10万円を追加で支払わなければなりません。もし走行距離を気にせずに車を使いたいなら、最初から契約距離を多めに設定するか、契約満了後に車を買い取れるオプションのあるリースを検討するのも一つの方法です。
注意点③:残価精算
カーリースでは契約時に車の満了時の価値を予測して「残価」を設定し、その残価を差し引いた金額を支払います。しかし、リース満了時の車の実際の価値が予想を下回ると、その差額を支払わなければならないことがあります。
たとえば、契約時に車の残価が100万円と予測されていたのに、実際の査定額が80万円だった場合、20万円を追加で支払う必要があるということです。ただし、契約方式によっては差額の請求がない場合もあるので、契約内容をよく確認することが大切です。
カーリースを利用する際は、返却時の手続きや注意点をしっかり押さえておくと、安心して利用できるでしょう。
未使用車リースの隠れたコストに注意
車を中古で購入する際は、車両本体の価格だけでなく、自動車税(種別割)や自動車重量税、それに自賠責保険料や各種手数料など、さまざまな登録費用が必要になります。
登録費用は、一般的に車両本体価格の10〜20%程度が目安とされており、中古車を購入する際には、その分を別途準備しておく必要があります。また、車を所有し続けるためには、追加の費用もかかります。特に大きな負担となりやすいのは、毎年の自動車税(種別割)や、2年ごとに発生する車検の費用です。
また、メンテナンスプランを付けることで、車検の基本料や消耗品の交換費用、メンテナンス費用も定額にすることができ、月額料金以外の車関連の費用は、燃料費や駐車場代程度に抑えることが可能です。
もちろん契約条件によっては、駐車場代などの自分で支払うべき費用の他に、車検やメンテナンス代が必要になるケースもあります。
事前に契約内容を確認しておき、予想以上にコストがかかるという事態を避けるとよいでしょう。
未使用車リースを選ぶ際のポイント

中古車のコンディションを選択する
車を購入する際に、車のコンディションや外装の傷、室内の汚れが気になる方にとっては、中古車の購入が少し不安に感じられるかもしれません。不具合や故障に対するメンテナンスはリース契約でカバーできる場合もありますが、使用感や見た目がどうしても気になるという方は、新車を選んだほうが安心できるでしょう。
長期間のリース契約を希望する場合、中古車リースが必ずしも適しているとは限りません。リース契約の期間はリース会社によって異なり、3年、5年、7年などから選ぶことができます。
長期契約を選ぶことで月々の費用が抑えられるメリットがありますが、中古車の場合、その車の資産価値によってリースできる期間が制限されることがあります。そのため、希望する契約期間で利用できない場合があるのです。
トータルコストを比較する
登録済み未使用車をリース契約する場合には、車両本体価格だけでなく、さまざまな諸費用がかかることを忘れてはいけません。リース契約では、それらの費用も月額料金に含まれている場合が多いです。
ただし、登録済み未使用車は流通している台数が少ないため、同じ車種が複数の店舗にあるとは限りません。そのような場合は、諸費用の合計額が他の店舗と大体同じくらいかを確認すると安心です。
さらにメンテナンス費用が契約に含まれているか確認しておき、トータルコストを比較しておきましょう。
まとめ
未使用車リースであれば、費用を抑えながらリース契約ができます。中古車という扱いでもコンディションがよい車両で契約できるなら、リース契約でもトータルコストを抑えられるでしょう。
しかし中古車でも登録済み未使用車のような車両があるかは、リース会社や契約条件によって異なるので、事前に確認しておくのがおすすめです。



よくある質問
- 未使用車リースと中古車リースの違いは?
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未使用車も中古車の一部ですので、大きな違いはありません。しかし登録済未使用車をリース契約するなら、ほとんど新車と変わらないコンディションの車をお得に契約できる場合があります。
- リース期間中に車を変更できる?
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リース期間中は基本的に中途解約できないできないので、契約期間中は車の変更が難しいです。しかし契約終了後であれば新しい車の契約が容易なので、新しい車の契約を検討できるでしょう。
- リース終了後の選択肢は?
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リース終了後には、車の返却が一般的です。しかし同じ車を再リースしたり、もらうために残価の精算をしたり、新しい車の契約を行えます。