未使用車はナンバーが付いているので中古車という扱いですが、コンディションは新車に近い状態です。そのような未使用車のメーカー保証はどのようになるでしょうか?
メリットもある未使用車という購入方法ですが、事前に知っておきたいメーカー保証のポイントを解説します。



未使用車に付帯するメーカー保証とは?
メーカー保証の基本的な概要
メーカー保証には、一般保証と特別保証があります。
一般保証
一般保証というのは、車の基本的な電装系部品に問題があったときに、修理や交換をしてくれる保証のことです。たとえば、車両本体ではなく、エアコンやオーディオ、カーナビ、ドアミラー、パワーウィンドウの付属品が対象になります。
ただし、タイヤやオイルといった消耗品はこの保証に含まれません。
特別保証
特別保証は、車の走行や安全に関わる重要な部分を保証してくれるものです。エンジンやステアリング、エアバッグといった「走る・曲がる・止まる」に関わる部分が対象です。
- エンジン機構
- ステアリング
- エアバッグ
- 動力伝達装置
- サスペンション
- 電子制御機器
- 排気ガス浄化機構
- 燃料電池機構
重要な機能に関わる部品がメインなので、車の走行に大きな影響を与える箇所がしっかりとカバーされているのが特徴です。
長い間使っていると、どうしても部品が劣化してきますが、特別保証は重要な部品の故障に対応してくれます。メーカーも、長く車を安心して乗れるようにサポートを強化しているのです。
特別保証を受けるには、定期的にメンテナンスをしていることが重要です。車検証にある「メンテナンスノート」を見れば、過去にどんな点検や整備をしてきたかがわかります。この記録が保証を受けるための大事な条件となるので、しっかりと保管しておきましょう。
たとえば、12か月点検ではブレーキやエンジンのオイル漏れ、バッテリー、タイヤなど、車のあらゆる箇所をチェックします。これを怠ると保証の対象外になってしまうこともあるので、日頃のメンテナンスはしっかり行いましょう。
未使用車に適用されるメーカー保証の条件
未使用車の場合にも、メーカー保証を受けられます。購入時にメーカー保証を継続して受けるための手続きの案内があるでしょう。
購入時に忘れずに新車登録時に発行された保証書を受け取るようにします。また保証期間が残っているはずですので、その登録内容を変更する手続きをしておきましょう。
メーカー保証の期間とカバー範囲
新車の場合には、メーカー保証と特別保証の2つがあります。それぞれがカバーしている期間と範囲をみていきましょう。
メーカー保証
保証期間は、どのメーカーも基本的に以下の通りです。
「初年度登録から3年以内」または「60,000km以内」
保証の対象となるのは、車の一般的なパーツ。さらに付属品としてパワーウィンドウやオーディオ、エアコンなどが挙げられます。
特別保証
特別保証の期間
保証期間は5年または100,000kmのどちらか早い方
エンジンやエアバッグなどの車の重要な機能を持つ部品が、より長い期間保証されるものです。上限は設定されていますが、期限が残っているなら中古車でも保証は継続されます。
特別保証は、メーカーごとに内容や期間が少しずつ違います。最近では、ボディの錆や塗装も保証の対象にしているメーカーも増えていますが、取扱説明書に記載されたメンテナンスをちゃんと実施している場合に限ります。塗装を傷つけたりすると保証外になることもあるので、その点も注意が必要です。
メーカーによって保証内容が異なる背景には、ハイブリッドカーや電気自動車の普及など、それぞれの技術開発が進んでいることも影響しています。そのため、一般保証と違って、特別保証は各社で内容が異なっていることが多いです。
メーカー保証継承とは?
購入した車の保証の適用を受けるための手続きを、保証継承と呼びます。購入した中古車に保証が残っている場合は、この保証継承を行うことで高品質の保証修理を受けられます。
保証継承の手続きをしていないと、中古車に乗っている保証が適用されません。販売店の保証があるケースもありますが、新車保証の方が条件がよいケースが多いので、保証継承をしておきましょう。
保証継承では、既述した一般保証と特別保証があります。未使用車の場合は、コンディションが新車に近いので、どちらの保証も残っています。そのため、メーカー保証継承をしておくのがおすすめです。
未使用車のメーカー保証を受けるための手続き
メーカー保証の適用条件と必要書類
保証継承を行うときには、保証書およびメンテナンスノートが必要です。保証継承をするために、メーカー保証を引き継ぐことができる状態の車両かチェックする必要があります。
メンテナンスノートには、その車両の整備情報が記載されているので、手続きの際に用意しておきましょう。
メンテナンスや修理時の注意点
保証継承を行う条件として、点検を受けることが含まれています。ディーラーに車を持ち込んで、車種や年式、走行距離などを確認して、12か月点検を行います。
車の不具合や改造がないことを確認して、保証継承を行う手続きに進んでいくのです。
ディーラーでの手続き
1:名義の変更をする
メーカー保証継承を行うために、名義変更をします。車の所有者が新しい所有者になっていることを確認します。
2:点検をする
前述の点検を行って、問題がないことを確認します。12か月点検と同じ内容になりますが、この点検をしてから保証書の変更欄に代理店の印鑑を押してもらいます。
点検の際には不具合の有無の確認の他に、純正部品以外を使っていないかの確認もあるので注意しましょう。社外品の部品を使って整備している場合には、保証が受けられないケースもあります。
メーカー保証が適用されないケース
名義が変更されていない場合
保証書の名義が自分の名前になっているか確認しておきましょう。名義が違うと保証を受けられないので、中古車を買った場合には、名義が前のオーナーのままではないかしっかりチェックしておきましょう。
車の名義は変更されていても、保証書の名義が変更されていないこともあります。両方の名義をチェックしておきます。
定期的なメンテナンスを受けていない場合
2つ目のケースは、定期的なメンテナンスをしていないことです。車検を受けるだけじゃなく、6か月点検や12か月点検も重要です。これを怠ると、保証が効かないこともあるので、メーカー保証を受けるためには定期点検をきちんと実施しましょう。
過失による故障の場合
一般的な使用ではなく、過失による故障が原因の場合には保証対象となりません。きちんとメンテナンスを受け、自然損傷で起こった故障に関しては保証対象となります。過失によって生じた故障は、自費での修理となります。
改造車の場合
改造をしている場合には、保証対象にはなりません。純正品を使って適切なメンテナンスをしている車両に対して保証が適用されます。車体やエンジン、さらにボディを改造しているなら保証の対象外となります。自分で部品交換したり、純正部品以外のパーツで整備していたりするなら、改造とみなされることもあるでしょう。
未使用車と中古車のメーカー保証の違い
未使用車の保証が中古車よりも有利な理由
未使用車の場合は新車の保証を受け継いでカバーできるので、一般的な中古車の場合と異なっています。中古車の場合は、販売店の保証がメインとなるので、メーカー保証の条件を満たしていないことも多いです。
もちろん程度がよい中古車の場合は、未使用車と同じようにメーカー保証の対象となるケースもあるでしょう。しかし未使用車であれば、年数も経過していないのでメーカー保証の対象となる期間が長くなります。
中古車の保証内容と比較する際のポイント
販売店の保証は、保証範囲が限られているケースがあります。未使用車も中古車という扱いですので、購入前にどのような保証となっているか確認しておくのがおすすめです。
メーカー保証であれば、どのメーカーでも充実した内容となっていますが、一般的な中古車の保証のみの場合は事前に検討が必要です。
販売店独自の保証を用意しているケースもあるので、比較しておきましょう。
購入時に確認すべきメーカー保証のポイント
購入前に確認する項目
車を購入する前には、どのような保証内容になっているか確認しておきましょう。メーカー保証でも内容が異なっている可能性があります。
ハイブリッドカーなどの車種によっても内容が異なる可能性があるので、未使用車や中古車を購入する前にチェックしておきたいものです。
追加保証の検討
販売店によっては、追加で保証を受けられることもあります。追加できる年数や条件は販売店によって異なります。長く安心して乗りたいのであれば、追加保証を検討しておくのもよいでしょう。
数年で乗り換える可能性があるなら、あえて追加保証を受ける必要はないかもしれません。購入した車に何年ほど乗る予定なのか、乗り換え計画の有無によっても追加保証の検討を進めてみましょう。
まとめ
未使用車は保証継承するとメーカー保証を受けられます。購入時には忘れずに手続きするようにします。またメーカー保証は内容や条件が異なっている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
よくある質問
- 未使用車のメーカー保証はどうなる?
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未使用車の保証は、保証継承することでメーカー保証を受けられます。保証の内容はメーカーによって異なることもあるので、事前にチェックしておきましょう。
- 保証継承とは?
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保証継承とは、新車のメーカー保証を次のオーナーも受けられるように手続きすることです。事前に点検を受けて、問題ないことを確認した後に保証を受けられます。
- 購入前に確認したいメーカー保証の内容とは?
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車種によってはメーカー保証の内容が異なっていることもあるので、事前に条件と保証内容を見ておきましょう。また販売店によってはメーカー保証にプラスして、追加の保証があります。

