アライメント調整って何?作業が必要となる理由やタイミング、費用目安

アライメント調整

車のアライメント調整という言葉を聞いたことがあるかもしれません。タイヤ交換の際に、交換と一緒に進められることがあるサービスです。

しかしどのような整備なのか分かっていないという方も多いですが、快適で安定して車を運転するのに欠かせない調整です。

この記事では、車のアライメント調整とはどのような整備なのか、必要なタイミングや費用目安などをご紹介します。

目次

アライメント調整とはどんな作業?

アライメント

アライメント調整に出てくる「アライメント」という言葉ですが、これはホイールアライメントのことを意味します。

ホイールは、取り付け角度を調整する以下の要素があります。

  • キャンバー角
  • トー角
  • キャスター角

これらの他にも角度を見る部品がありますが、調整するのは3つの要素が多いです。通常は新車時に設計された角度で整えられていますが、ブッシュの歪みや外部からの衝撃によってずれてしまうことがあります。

アライメント調整は、ずれてしまった角度を元の位置に戻す作業です。

キャンバー角

キャンバー角は、車を前方から見たときに垂直方向に対して傾いている角度のことです。一般的に、わずかにハの字にキャンバー角がついていることが多いです。

このキャンバー角は、直進性とコーナリング性能に影響します。角度が付きすぎるとタイヤが偏摩耗してしまったり、グリップ性能に影響がでます。

キャンバー角がついていると、コーナリング中にタイヤがよれた状態でも路面に接地しやすくなるからです。そのため、あらかじめ角度をつけておくのです。

しかしキャンバー角がつきすぎるのもデメリットとなるため、ちょうどよい角度に調整します。

前方から見て、ハの字型になっているのが「ネガティブキャンバー」、逆ハの字型になっているのは「ポジティブキャンバー」です。

トー角

コーナリング性能にも影響があるトー角は、調整しておきたい角度です。これは車体を上から見たときに、タイヤが車体に対してどう向いているかを示す角度です。

内側に向いているのを「トーイン」、外側に向いているのを「トーアウト」といいます。前輪は±0かトーイン、後輪は若干トーイン気味に調整するケースが多いです。

キャスター角

キャスター角は、キングピンの傾き角度を指しています。キャスター角をつけて触診安定性を出しながら、操舵性とのバランスを取っていることが多いです。

他の要素と比較して、キャスター角は調整できないという点が異なります。微量であればトーとキャンバーで調整できますが、構造上決まっている要素なので、基本的に調整できません。

しかしアライメント調整で角度をチェックしておくと、前方からの衝撃でずれが発生していないか確認できます。

外からの衝撃でキャスター角にずれが発生すると、フレーム修正で調整しなければいけません。

アライメント調整が必要になる理由

車のアライメント調整が必要になる理由は、「アライメントがずれてくるから」です。車を運転していると、これらの調整要素が少しずつずれてしまいます。

ハンドルをまっすぐ握っていても、ハンドルがぶれてしまったり、直進中なのにハンドルが傾いているなどです。

またカーブを走行していると、左右のどちらかで違和感があったり、タイヤの片減りがあったりします。

これらの症状はタイヤのアライメント角度がずれている証拠です。本来設定されている角度からずれが発生してしまうので、従来の性能に戻すためにアライメント調整が必要となります。

さらに、サーキット走行をする方なら、アライメント調整を行ってコーナリング性能を向上させる期待ができます。

アライメント角度を調整するだけでも、グリップ性能やコーナリング性能が変化するので、適したセッティングを見つけるためにもアライメント調整するのです。

アライメント調整をするタイミング

定期的な点検やタイヤ交換の際に、あえてアライメント調整している方は多くないかもしれません。しかし以下のようなタイミングでアライメント調整することをおすすめします。

  • ハンドルが曲がっているとき
  • タイヤが偏摩耗しているとき
  • 縁石に乗り上げたとき
  • 足回りの部品を交換したとき

定期的にアライメント調整するのもよいですが、上記のような症状が出たタイミングで調整するのもおすすめです。

縁石に乗り上げたりするなど、足回りに負担をかけると、どうしてもアライメントが狂ってしまいます。直進安定性やハンドリングに大きな影響を与えるので、縁石に乗り上げたりしたなら、整備工場でチェックしてもらいましょう。

アライメント調整の費用目安

アライメントの調整は、カー用品店や整備工場、さらにタイヤ専門店などで行えます。タイヤ交換はガソリンスタンドでも行えることがありますが、アライメント調整する器具が置いていない店舗もあります。

そのため、作業ができる店舗とそうでない店舗に分かれることがあるでしょう。業者でアライメント調整するための費用目安は以下の通りです。

  • 測定費用:10,000円程度
  • 調整料金:3,000円程度

測定と調整でセットになっているプランも設定されている可能性もあるため、事前にチェックしておきましょう。

作業には時間がかかる可能性があるため、事前に予約しておきましょう。ホイールの形状や社外品を装着していると、作業ができない可能性もあります。

 カスタムしている車なら、整備を断られるリスクもあるので、事前に確認しておきましょう。

DIYする場合のアライメント調整方法

整備

DIYする場合のアライメント調整方法を見ていきます。業者に依頼する他に、DIYして調整する方法もあります。

工具やスペースが必要ですが、自分で調整してみたいなら挑戦してみるのもよいでしょう。またDIYの場合は、調整作業をしながら測定できないので、より正確な角度を知りたいなら業者での調整がおすすめです。

1:空気圧をチェックする

まずは4本のタイヤの空気圧をチェックして、揃えておきます。空気圧が揃っていないと、車の傾きが揃っていないので、正確にアライメント調整ができません。空気圧をチェックして、同じ数値にしておきます。

2:ホイールに水準器を取り付ける

ホイールに水準器を取り付けて、角度計測の準備をします。ホイール部分に糸を垂らして、上下の距離を測る方法もあります。

3:キャンバー角の測定・調整

キャンバー角の調整の際は、ホイールの中央部分に糸を垂らして、上下のホイールとの距離を測っておおよそのキャンバー角を調整しましょう。上下の距離の差が少なければキャンバー角がゼロに近く、上が多ければポジティブキャンバー、下が多ければネガティブキャンバーです。

キャンバー角の調整は、キャンバー調整機能が付いている車両のロアアーム付け根の調整ボルトを調整します。偏芯ボルトを回すとアームの長さが調整されます。

4:トー角の測定・調整

トー角は車の上から見たときのタイヤの角度を測定します。前が開いているのはトーアウト、前が閉じているのがトーインです。

車の中心線と並行に糸を張り、ホイールの前後と糸の距離を測定します。

トー角の調整は、タイロッドの調整機能を調整します。タイロッドは調整できるボルドがあるので、計測結果に合せて調整していきましょう。

定期的なチェックで気持ちよくドライブしよう

アライメント調整は、気持ち良く運転するのに大切な調整です。また、タイヤが偏摩耗して異常な状態にならないように予防できるメンテナンスです。

タイヤをローテーションしたタイミングやタイヤ交換したなら、アライメントチェックをして、気持ちよく運転できるようにしておくのはおすすめ。

気になったならアライメントチェックしておき、車本来の性能でドライブするようにしましょう。

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よくある質問

アライメント調整とは?

アライメント調整とは、タイヤの各部の角度を調整することです。車の前方から見たキャンバー角や、上部から見たときのトー角などに代表されます。

アライメント調整が必要になるタイミングは?

アライメント調整は、ハンドルがぶれ始めたときやタイヤ交換などのタイミングで行うのがおすすめです。まっすぐ走っているのにハンドルがずれていたり、直進しているのにぶれがあるなら、アライメントが狂っている可能性があります。

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