車の暖房の仕組みは?燃費への影響や効かないときの対処法

車 暖房

冬の季節になると暖房を車内で使用します。温かい環境で運転したいと思うものですが、車内を温かくすると燃費に影響するのでしょうか?

この記事では、車の暖房の仕組みや燃費への影響、さらに暖房が効かないときの対処法を解説します。

目次

車の暖房の仕組み

エアコン

車の暖房やヒーターを使用しているのか、それともエアコンを使用しているかによって仕組みが異なります。

ガソリン車やディーゼル車の暖房システム

ガソリン車やディーゼル車の暖房システムは、エンジンの冷却システムを利用しています。エンジンが燃料を燃焼させる過程で発生する熱を利用し、冷却液を温めます。

この温められた冷却液はヒーターコアと呼ばれる部分を通過する際に、その熱を車内に送るために使用されます。ファンがヒーターコアを通過する空気を押し出すことで、温かい空気が車内に流れ込み、暖房効果を生み出します。

このシステムは比較的単純で、エンジンが稼働している限り、外部の電源に頼ることなく暖房を提供することができます。

もしエアコンがオンになっているなら、コンプレッサーが作動するので、冷房と同じようにエンジンの負担が発生するので注意しましょう。

ハイブリッド車やEV車の暖房システム

ハイブリッド車や電気自動車(EV)の暖房システムは、従来の内燃機関車とは異なるシステムとなります。これらの車両ではエンジンが発生する熱が少ないため、代わりに電気ヒーターやヒートポンプシステムを用いて車内を暖めます。

電気ヒーターは高効率で直接空気を温めるが、バッテリーの電力を消費するため、航続距離に影響を与える可能性があります。ヒートポンプシステムは、外気から熱を抽出して車内に供給することで、より効率的に暖房を行います。

エネルギー消費を抑えつつ、快適な車内環境を維持することが可能です。特にEV車では、暖房システムの効率が、航続距離を含めた全体のエネルギー管理に重要な要素となります。

車の暖房が燃費に与える影響

エアコン

車の暖房が燃費に与える影響は、暖房システムの仕組みの違いによって異なります。

ガソリン車やディーゼル車での影響

ガソリン車やディーゼル車では、暖房の使用は燃費に比較的小さな影響を与えます。これらの車の暖房システムは、エンジンの排熱を利用して作動するため、追加の燃料を必要としないことが多いです。

しかし、寒冷地でエンジンが冷えている状態から始動した直後は、エンジンが効率的な運転温度に達するまで余分な燃料を消費する可能性があります。したがって、暖房を使用すると、その期間の燃費が悪化することがあります。 

ハイブリッド車やEV車は注意する

ハイブリッド車やEV車では、暖房の使用が燃費や電気消費に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらの車両の暖房システムは、しばしば電気エネルギーを使用して作動するため、暖房を利用するとバッテリーの電力を消費し、結果として航続距離が短くなる可能性があります。

特に寒冷な環境では、暖房への依存度が高まり、この影響はより顕著になります。EV車はエネルギーを消費すると航続距離に影響するため注意しましょう。

ヒートポンプ方式の暖房もある

最新のハイブリッド車やEVでは、より効率的なヒートポンプ方式の暖房システムが採用されることがあります。ヒートポンプは周囲の空気から熱を抽出し、車内に供給することで暖房を行います。

この方式は従来の電気ヒーターよりもエネルギー効率が良く、寒冷な環境でもバッテリーの消費を抑えることができるため、燃費や航続距離に与える影響を最小限に抑えることが可能です。しかし、極端に寒い環境ではヒートポンプの効率が落ちるため、状況に応じた適切な使用が重要です。

車の暖房を効率よく使うための方法

エアコン

A/Cスイッチを押さないようにする

多くの車両では、暖房をオンにするとエアコンが自動的に作動することがありますが、これによってエンジン負荷が増加し燃費が悪化する可能性があります。

暖房を使用する際には、エアコン(A/C)スイッチがオンになっていないか確認し、不要であればオフにしておきましょう。エンジンの余分な負荷を防ぎ、燃料消費を抑えることができます。

しかし、エアコンを作動させると除湿効果も期待できるので、フロントガラスが曇っているなら迷わずオンにしておきましょう。

暖機してから使用する

寒い朝など、エンジンが冷えている状態でいきなり暖房を最大にすると、エンジンに余計な負担がかかります。

エンジンが適切な運転温度に達してから暖房を使用するようにすると、効率的に車内を温められます。エンジンの暖機は、長い時間アイドリングする必要はありません。短い距離をゆっくり運転することで行うとよいでしょう。

設定温度を控えめにする

車内の設定温度を適度に保つことで、暖房システムの効率を良くすることができます。過度に高い温度設定は、暖房システムに不要な負荷をかけるため、快適と感じる範囲で最低限の温度に設定しましょう。

これによりエネルギーの消費を減らし、燃費の向上に貢献します。車の場合は、家のエアコンと異なり、設定温度を高くしすぎると眠気の原因となります。

そのため、20度の温度設定にしておくとよいでしょう。そして基本的にヒーターを使用し、必要なときにエアコンを作動させるのがおすすめです。

内気循環にする

車内の空気を内気循環モードに設定することで、既に温められた空気を再利用し、暖房効率を高めることができます。

外気を取り入れるよりも、車内を素早く温めることが可能です。ただし、内気循環は窓が曇る原因にもなるので、定期的に外気を取り入れて車内の空気を新鮮に保つことが大切です。

また換気しないと二酸化炭素が増えて、やはり眠気の原因となります。定期的な換気は必要です。

暖房時のにおいが気になる!対処法は?

エアコンフィルター

室内の暖房を使用した際に気になるにおいは、いくつかの原因が考えられますが、適切な対処法で解消することが可能です。

まず、暖房時のにおいの一般的な原因は、ヒーターコアやエアダクト内部のカビや雑菌の増殖によるものです。これは湿気が原因で発生しやすく、特に長期間使用していない暖房システムに多いです。また、エアフィルターが汚れている場合もにおいの原因になります。

これらのにおいを取り除くためには、以下の対処方法を試してみましょう。

エアフィルターの交換

エアフィルターは定期的に交換することで、においの発生を防ぎます。汚れたフィルターは空気の流れを妨げ、不快なにおいを蓄積させます。

定期的にエアコンフィルターを交換しておけば、クリーンな空気が循環するのでにおいも抑えられるでしょう。

エアダクトの清掃

専門のサービスを利用してエアダクトを清掃することで、カビやバクテリアを除去できます。市販のエアコンクリーナーを使用するのも1つの方法です。

ダクト部分の清掃は素人では難しいことが多いため、心配であればプロの整備士に依頼しましょう。

定期的な換気

車内を定期的に換気することで、湿気を減らし、カビの発生を防ぎます。天気の良い日には窓を開けて空気を入れ替えましょう。

ドライブをしているときも定期的に換気をして、乾燥した空気を取り入れるようにしましょう。

湿気取りの使用

車内に湿気取りを置くことで、余分な湿気を吸収し、カビの成長を防げます。臭いが気になるなら、湿気取りのグッズを活用するのもよいでしょう。

消臭効果が期待できるものや繰り返し使える湿気取りがあるため、適したものを選択しましょう。

ヒーターコアのチェック

もし臭いが薬品臭に似ている場合は、ヒーターコアの漏れが原因かもしれません。専門の整備士にみてもらいましょう。クーラントは少し甘めの臭いがします。車内で嗅いだことがない臭いなら、クーラントの漏れが原因かもしれません。

漏れている部分を対策することで、車内の暖房使用時の不快なにおいを軽減または完全に取り除くことができるでしょう。

車の暖房が効かないのは故障なの?

冷却水

車の暖房が効かない場合、いくつかの原因が考えられ、それぞれ異なる対処法が必要です。最も一般的な原因は以下の通りです

冷却水関係の故障

暖房システムはエンジンの熱を利用しているため、クーラント液が不足していると十分な暖房が得られません。クーラント液のレベルをチェックし、必要に応じて補充しましょう。

クーラント液は、エンジンが冷えているときにリザーバータンクをチェックします。エンジンが熱いときにはラジエーターキャップを開けないようにします。

サーモスタットの故障

サーモスタットが正しく機能していない場合、エンジンの温度が適正に上がらず、暖房が効きません。サーモスタットの検査と交換が必要になるかもしれません。

サーモスタットはエンジンの冷却水の通路を塞ぎ、冷却水が温まるようにするための部品です。エアコンやヒーターの不具合の原因となります。

ヒーターコアの詰まり

ヒーターコアに汚れや詰まりがあると、暖かい空気が車内に流れなくなります。エンジンの冷却水がヒーターコアを通して循環しなくなるからです。

経年劣化していると、どうしてもヒーターが効かなくなるため、ヒーターコアのフラッシングや清掃が必要です。

車の暖房が効かないときの対処方法

ターボエンジン

画像引用元:photo AC

車の暖房が効かない場合、ドライバーは以下のステップで対処することができます。

まず、クーラントレベルのチェックから始めましょう。不足している場合は補充が必要です。しかし、クーラントが減少しているのに明らかな漏れがない場合は、ヘッドガスケットの損傷が疑われます。

次に、サーモスタットの動作を確認します。サーモスタットが開かない場合、エンジンの熱がクーラントを通じてヒーターコアに達しないため、暖房が効きません。交換が必要になることがあるでしょう。

ヒーターコアの詰まりも一般的な原因です。温水がヒーターコアを通過できない場合、暖房が効かなくなります。プロによるフラッシュが効果的です。

また、ブロワーファンが故障していると、暖かい空気が車内に送風されません。ファンや関連する配線、ヒューズを確認し、必要に応じて交換が必要です。

暖房制御バルブが閉じたままの場合、クーラントがヒーターコアに流れません。バルブの動作を確認し、必要であれば修理または交換を行います。

寒冷地においては、クーラントに適切な凍結防止剤が混ざっているかを確認し、凍結による流れの妨げを防ぎます。

故障の原因となるポイントを順番にチェックしていきましょう。もちろん部品によっては、自分で動作確認するのが難しい部分もあるので、専門の業者にチェックを依頼するのもおすすめです。

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