リースはリース会社の車を、利用料金を払って「借りて」車を所有する方法です。新しい車の所有方法として注目されていますが、契約年数を考慮しなければいけません。
カーリースを考えるとき、契約期間を5年に設定する方もいます。しかし長期契約と比較して期間が短い分、毎月の支払いが高くならないか心配になるものです。
この記事では、5年契約のカーリースが本当にお得なのか、どのようなメリットがあるのかを解説します。
カーリースを5年利用することは可能?
カーリースの5年契約は利用することは可能です。しかしリース会社によって提供している契約年数が異なり、ある会社では5年契約ができても、別の会社ではできなかったりします。
さらにリースのプランや車種によっても契約できる年数が異なります。たとえば、ある車種は3年しかリースできなかったり、別のプランでは5年や9年といった長い契約が用意されていることもあります。
一般的には7年から9年程度の長期間のリースが契約されます。それでも多くの場合、リース期間は車検のタイミングに合わせて設定されていることが多いので、何年契約になるのか確認しておきましょう。
カーリースの仕組み
カーリースは、頭金が不要で新車に気軽に乗れるサービスです。車を買うときには、税金や手数料、さらに頭金が必要なので、思ったよりお金がかかってしまうことがあります。
カーリースなら諸費用が月々の支払いに含まれているので、頭金0円で新車に乗れます。費用に含まれているものには、自動車税(種別割)や自動車重量税、自賠責保険料、さらに新車登録時の諸費用です。
リース料以外に必要なのは、燃料代や駐車場代、整備料金、交換部品代といった日常的に支出が必要になる項目です。自分で維持するときと比較すると、急な出費がないので、維持費が安定します。
さらに、多くのカーリース会社がオプションプランを用意していて、それを追加するとメンテナンス費用やカーナビ、ETCなどのカーアクセサリーの料金もリース料金にまとめることができます。
カーリースの料金設定
カーリースでは、契約時に「残存価格」を設定します。これはリース契約が終わった時の車の価値のことで、車両代金からこの残価を引いた金額を基にリース料金を計算します。
つまり、リース契約では車両代金の全額を払うわけではないので、月々の負担が軽くなります。これは通常のカーローンにはないメリットです。
カーリースの料金は、契約年数によって大きく変わります。リースは残価によって月額料金の計算方法が決まっているからです。
まず、リース契約をする時に、車を返却する時の下取り価格、つまり「残価」を設定します。車両価格からこの残価を引いた金額を契約期間で割ることで、毎月のリース料金が決まります。この月額料金には税金や自賠責保険料、サポート料なども含まれています。
たとえば、車の値段が400万円で、残価が160万円だと仮定します。この場合、400万円から160万円を引いた240万円がリース料金のベースです。これを5年(60ヵ月)で割ると、月額の車両支払い分は40,000円になります。
計算式は以下の通りです。
(車両価格−残価) ÷ 契約期間 = 月額の車両支払い分
(400万円−160万円)÷60ヵ月=40,000円
リースの契約期間が長ければ長いほど、月々のリース料金は安くなる仕組みです。新車をローンで購入するのと比較すると、全額を一度に支払う必要がないので、お得に車を使えるということです。
カーリースの契約期間別費用の比較
タント
タントの発売当初のキャッチフレーズは「親子にピッタント」でした。今でもファミリー向けに作られており、4代目になった現在でもそのコンセプトは変わっていません。
タントといえば、「センターピラーレス」と「スライドドア」の組み合わせが有名です。実は初代のタントにはスライドドアがありませんでした。
フルモデルチェンジのたびに基本性能がどんどん向上しており、今後もダイハツの主力車種として活躍するのは間違いありません。普通の車では、前と後ろの間に柱がありますが、タントにはその柱(ピラー)がありません。そのため、ドアを開けた時の開口幅が非常に広いのです。
大きな荷物を載せたり下ろしたりする時や、子供を抱えて乗り降りするときに便利です。現行モデルは、新しいプラットフォームを採用したことにより、安定して走行できます。長く乗るのにも適しています。
コスモMyカーリースで契約年数別に費用を計算すると、以下の通りです。
タント L
- 頭金なし
- ボーナス払いなし
- 月間走行距離~1,000km
- ホワイトパック(メンテナンスなし)
契約年数7年:月々 23,210円
契約年数5年:月々 28,160円
契約年数3年:月々 36,520円
N-BOX
ファミリーカーとして使うのにぴったりなN-BOX。広々とした室内空間があり、家族みんなが快適に過ごせます。軽量なボディを採用しているので、燃費も非常に良いです。
視界が広くて操作もしやすい設計になっているため、運転が苦手な人でも安心して乗ることができます。
人気の車種をリーズナブルに乗りたい人はもちろん、広々とした軽自動車が欲しい人や、ファミリーカーを探している人にもおすすめの一台です。
新型モデルになり、走りも内装も質感が高いものです。先代もファミリーカーにぴったりでしたが、現行モデルもおすすめです。
コスモMyカーリースで契約年数別に費用を計算すると、以下の通りです。
- 頭金なし
- ボーナス払いなし
- 月間走行距離~1,000km
- ホワイトパック(メンテナンスなし)
契約年数7年:月々 26,400円
契約年数5年:月々 31,790円
契約年数3年:月々 40,040円
車を購入した際の費用とカーリースの費用を比較
車をローンで購入した場合の費用と、カーリースの費用を比較してみましょう。
車を持っていると、毎年自動車税を払わなければいけません。この自動車税は車種によって金額が変わります。軽自動車だと約1万円、普通の乗用車だと排気量によって約3~11万円かかります。5年間では、軽自動車で約5万円、普通自動車なら15~55万円にもなります。
しかし、カーリースの月々の料金には自動車税が含まれているため、リースを利用している人は自動車税を別途払う必要がありません。
さらに、車は定期的に車検やメンテナンスを受ける必要がありますが、メンテナンスつきのカーリースなら、その費用も月々の料金に含めることができます。カーリースを利用すれば、5年間にかかる車の維持費もすべて月々の定額料金で賄えるということです。
リースの場合
タント X
- ゴールドパック(フルメンテナンス)
- 契約年数7年
- 頭金なし
- ボーナス払いなし
- 月間走行距離~1,000km
参考月額料金
30,690円(税込)
ローンの場合
タント X
17,800円(税込)×120回払い
手数料込み総額:2,146,148円
※ただし、120回払い
メンテナンスが含まれているのかの違いはありますが、単純に比較をするとローンの方が安く感じます。メンテナンスや税金の費用を自分で支払う手間がありますが、費用を抑えるならローンとなるでしょう。
カーローンとカーリースの費用の違い
車を買う時には、カーローンかカーリースかで迷うことが多いです。どちらとも一長一短があるので、自分に合った方法を選ぶことが大切です。カーローンとカーリースの費用の違いについて、5年間使った場合の費用の違いを比較します。
初期費用の違い
カーローンで車を買う時は、最初にいろいろなお金が必要になります。たとえば、環境性能割や各種税金、自賠責保険料、リサイクル料金、登録代行費用などがあります。車を手に入れるために初期費用がかかるのです。
しかし、カーリースの場合は、その初期費用がすべて月々のリース料に含まれているため、最初にまとまったお金を用意する必要がありません。ただし、車庫証明や印鑑証明などの手数料は別にかかりますが、それでもカーローンに比べると初期費用はかなり抑えられます。
また、任意保険料は1年分を一括で払ったり、毎月分割で払ったりできるため、保険料の支払いも柔軟にできます。
維持費の違い
次に、維持費についてですが、これも大切です。車の維持には、月々のローン返済やリース料のほかに、車検やメンテナンス費用、燃料代、駐車場代などが必要になります。
カーローンの場合は、車両代金の返済に加えて、自動車重量税や自賠責保険料、車検やメンテナンス費用がかかってきます。毎月の支払いに加えて、さまざまな費用が定期的にかかるということです。
しかし、カーリースの場合は、車検やメンテナンス費用も月々のリース料に含まれているため、ほとんどの維持費が定額になります。そのため、費用が予測しやすくて計画的にお金を使えます。
もちろん、燃料代や駐車場代などの使用にかかる費用は、カーローンでもカーリースでも同じようにかかりますが、これらはその都度支払う形になります。
5年契約でカーリースを利用するメリットとデメリット
5年契約でカーリースを利用するメリット
手続きが簡単
車が5年だけ必要なとき、カーリースはカーローンより手続きが簡単です。カーローンで車を買うと、いろいろな手続きが必要になります。5年後に車がいらなくなるとか、買い換える予定があるときは、その手間が結構面倒に感じるかもしれません。
たとえば、毎年の自動車税の支払い手続きや、車検やメンテナンスを受ける工場を探すこと、5年後には車を売る手続きや税金の還付申請など、やることがたくさんあります。
しかし、カーリースなら自動車税の支払いはリース会社がやってくれますし、メンテナンス込みのプランなら工場を探す必要もありません。5年後の返却も簡単な手続きで終わるため、カーローンよりずっと楽です。
初期費用なしで利用できる
初期費用がかからないというのも大きなメリットです。カーリースの月々の料金には税金や自賠責保険料、契約手数料も含まれているため、契約時に大きなお金を用意する必要がありません。
新車保証の範囲内で乗れる
新車をリースするならメーカー保証の範囲内で安心して使えます。メーカー保証には「一般保証」と「特別保証」の2種類があり、一般保証は電装系の部品が対象で、エアコンやカーナビなどが含まれます。保証期間は新車登録から3年または走行距離6万kmまでです。
特別保証はエンジンやトランスミッションといった駆動系の部品が対象で、保証期間が長いのが特徴です。新車登録から5年または走行距離10万kmまでなので、リース期間中は安心して乗ることができます。
ただし、どちらの保証もワイパーやタイヤ、エンジンオイルなどの消耗品は含まれないため注意が必要です。
5年契約でカーリースを利用するデメリット
月額料金が割高になる
カーリースは長期契約、たとえば10年などで契約すると月々の料金が安くなりますが、5年契約だとどうしても月額料金が高くなってしまいます。
残価設定するとしても、契約年数が短いほど月額料金は高くなります。
走行距離制限がある
それから、カーリースには走行距離制限がある場合があります。普段から長距離運転をする人は、契約満了時に追加費用がかかることがあるため、注意が必要です。
契約段階で月あたりの走行距離を計算しておき、必要な距離数の契約になるようにしましょう。
残価精算が必要になるケースもある
契約時に設定する「残価」がありますが、これが契約満了時に想定より低かった場合、差額を一括で支払う必要がある場合があります。これを「残価精算」といいますが、これがあると出費がかさむことがあります。
しかし、走行距離無制限のプランや残価精算がないカーリース会社を選べば、このデメリットは避けられます。
カスタマイズが制限される
車のカスタマイズを楽しみたい人も注意が必要です。リース車は契約満了時に原状回復しなければならないため、大きな手を加えるのは控えた方が良いです。そうしないと、追加費用が発生してしまうからです。
カーリースの契約満了の選択肢
新しい車をリースする
今の契約を終了して車を返却し、新しい車で新しい契約を結ぶことです。新しい車を選ぶだけなので、購入する時よりも手間が省けます。一度に大きな資金を用意しなくても新車に乗れるのが嬉しいポイントです。
ただし、車を返却する時の状態によっては、修理費用や精算金がかかることもあるため、その点は注意が必要です。
再リース契約
再リースというのは、今乗っている車ともう一度リース契約を結んでそのまま乗り続けることです。元の契約をそのまま延長するのではなく、一度契約を終了させた後、その時点の車の価値に合わせて新しい契約を結ぶのです。
この方法の良いところは、愛着のある車にそのまま乗り続けられることです。車が古くなってくるとメンテナンスが必要になる頻度が高くなり、あまり長期間の契約はできないことが多いです。
リースは新しい車に乗り換えやすいというメリットがありますが、再リースは契約条件がよくないこともあるので注意しておきましょう。
買い取る
カーリース会社によっては、契約終了時に車を買い取ることもできます。普通のカーリースでは、契約終了時の車の価値(残価)をあらかじめ設定して、その残価を差し引いた金額でリース料金を計算しています。その残価を支払えば、車を自分のものにできるのです。
長く乗った車を自分のものにできるのは嬉しいですが、残価を支払うためにはまとまったお金が必要です。また、長期間乗っていた場合、車が経年劣化してリセールバリューが低くなっていることもあり、修理やメンテナンスにお金がかかることもあります。
車を返却し契約を終了する
車をカーリース会社に返すとリース契約が終了します。普通のカーリースでは、あらかじめ設定された残価というものがありますが、返却する時の車の状態によっては、その残価を精算しなければならないことがあります。
契約プランによって異なるので、事前に確認しておくのがよいでしょう。
カーリースを契約する際の注意点
カーリースは中途解約不可
カーリースなら頭金や初期費用がなくても好きな車に乗れる方法です。しかしカーリースの契約をする際には、リース期間を決めるので途中で解約ができません。通常は「3年」「5年」「7年」といった期間から選ぶことが多いです。
マイカーなら、車がいらなくなったらいつでも売ったり処分したりできますし、好きなタイミングで別の車に乗り換えることもできますが、カーリースの場合はできないので注意しましょう。
走行距離が制限されている
カーリースでは、残価を維持するために走行距離の制限があります。たとえば、三年のリース契約が終わる時に、決められた距離以上に走っていると、追加でお金を払わなければならないことがあります。
また、走行距離が長くなって車の価値が下がってしまうと、設定された残価よりも低く査定され、その差額を精算しなければならないこともあります。
そのため、予想外の出費を防ぐためにも、契約する際には自分の使い方に合った走行距離の制限になっているか確認することが大切です。
リース車を買い取る際は現金一括購入より高額になる
リースが終わる時に車を買い取りたい場合、満了時の残価を一括で支払わなければなりません。リース料だけで買い取りになるプランを提供しているカーリース会社もありますが、これは稀であり、リース料が高くなることが多いです。
その際に支払う費用も、現金一括購入と比較すると高額になります。毎月一定の費用を支払うため、一括でお金を払うのが厳しいと感じる場合は、車を買い取るのは諦めて、リースを延長するか、車を返却するのが良いでしょう。無理せず自分の予算に合った選択をすることが大切です。
よくある質問
- 5年契約でカーリースができる?
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カーリースは、長期契約が基本となっているので5年でも契約は可能です。しかし契約年数はリース会社によって異なるので、契約年数が5年以外の場合もあります。事前に契約プランを確認しておきましょう。
- カーリースを契約する際の注意点は?
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カーリースは中途解約が不可能だったり、走行距離制限があるなど、考慮すべき点があります。自身のカーライフにあっているのか、契約前に確認しておく必要があるでしょう。