車を使いたいと思ったときに利用できるサービスとして、車を一定期間借りるリースと、数日借りることが多いレンタカーがあります。
どちらも車を借りるということは同じでも、向き不向きのシーンがあります。そもそもカーリースとレンタルにはどのような違いがあるでしょうか?
この記事では、リースとレンタルの違いやサービスを比較する際のポイントを解説します。
車のリースとは?
カーリースは、自動車を所有しているリース会社と契約し、一定期間その車を借りるサービスです。
レンタカーとの大きな違いは契約期間の長さです。レンタカーが数日程度の短期間利用が中心なのに対し、カーリースは数年間にわたって車を借りることができます。
リース料金には、税金や自賠責保険料、手数料などが含まれています。プランによっては、点検や車検費用、消耗品の交換も含まれていることもあるので、支出が一定になるのが特徴です。
車を維持しようとすると、不意に出費が発生することがありますが、リースなら一定のリース料を支払います。
一方契約した年数は解約が難しかったり、リース会社によっては中古車を使うというケースがあります。特徴を理解して利用するのがおすすめです。
リースの基本概念
カーリースは、基本的に好きな新車を選んで利用します。中長期的に車を利用したい場合、レンタカーよりもカーリースが適しています。短期リースであれば、中古車という場合もあるので確認しておきましょう。
カーリースの料金が安く感じられる理由は、その料金設定の仕組みにあります。リース契約の際、返却時の下取り価格を差し引いた金額(残価)がリース料に反映されます。
たとえば、新車の価格が200万円で、5年後に100万円で売れると予想される場合、5年間のリース契約で実際に支払うのは100万円です。これには手数料や金利も含まれますが、100万円を5年で分割して支払う形になるのです。最終的にその車を購入しない場合、全額を支払うカーローンよりも安く済むのが特徴です。
リース契約の期間は、車種やリース会社の規定によって異なります。月単位で利用できるリース会社もありますが、多くは3年から10年の範囲です。リース代金には車検費用も含まれているため、契約期間が3年以上の場合、5年、7年、9年といった2年おきに契約が満了するケースが多いです。
リースのメリット
マイカーのように自由に使える
レンタカーは、借りるたびにお店に行って受け取り、使い終わったら返しに行く必要があります。さらに時間を予約しておかないといけないですし、延長したら追加料金もかかります。
それに比べて、カーリースだと自分の駐車場に置いておけるので、好きなときに好きなだけ使えます。マイカーみたいに使えるから、自由に使えるのが魅力です。
自分好みの車に乗れる
レンタカーは、お店が保有している車の中から選ぶことになりますが、予約状況によっては色やグレードまで選べないことが多いです。
リースなら契約者専用の新車が用意されるし、リース会社が取り扱ってる車種の中から好きな車を選べます。マイカーを買うのと同じ感覚で車を選べます。
月に1~2回以上使うならコスパがよい
レンタカーの料金は車種やレンタカー会社によって違いますが、コンパクトカーを24時間借りると大体10,000~15,000円くらいかかります。
それに対して、リースは月額10,000円台から利用できるところもあるから、月に1〜2回以上車を使うなら、リースのほうが割安になることが多いです。
リースのデメリット
中途解約金が発生する
カーリースを一度契約すると、基本的には途中で解約できません。どうしても解約しなければいけない場合は、中途解約金を支払うことになります。この中途解約金をデメリットと感じる人もいます。
ちなみに、中途解約金の内容はリース会社によって違います。たとえば「残りのリース料を支払うことで解約できる」のような感じです。違約金が発生することもあるので注意しておきましょう。
デメリットを回避するためには、将来のライフスタイルを考えて、途中解約しなくても済むような契約期間を選ぶことが大切です。どんな場合でも、契約前に中途解約金についてしっかり確認することが大切です。
走行距離の上限がある
カーリースを利用したことがない人がよく感じるデメリットの一つに「走行距離の上限」があります。リース契約するときに走行距離の上限が決められてて、それを超えると追加料金がかかるものです。
走行距離の制限も見方によってはメリットになります。車はたくさん走ると価値が下がりやすくなりますが、走行距離の上限があることで価値を維持しやすくなるからです。これによって、高めの予定残価が設定できて、結果的に月額料金が安くなります。
残価精算が必要になるケースもある
カーリースの月額料金は、車の本体価格から予定残価を引いた金額で設定されています。この予定残価は契約時点での「想定価格」ですが、契約終了時に返却する車の価値がその想定より下がっていた場合は、その差額を負担することになることがあります。
デメリットが気になる人は、残価精算の内容についてしっかり確認して納得してから契約することが大切です。
車のレンタルとは?
レンタカーは、必要なときに一時的に車を借りて、利用が終わったら返却するサービスです。カーリースが長期間の利用を前提としているのに対し、レンタカーは短期間の利用が中心です。
事前にインターネットなどで予約をして、予約した日時に店舗に行き、簡単な手続きをすれば大丈夫です。もし予約なしでも、車両に空きがあればその場でレンタルできるので、とても便利です。
ただし、予約日の数日前にキャンセルすると、レンタカー会社によってはキャンセル料がかかることがありますので、その点は注意が必要です。
カーリースは1カ月単位の料金設定ですが、レンタカーは時間や日数単位で料金が発生します。ただ、レンタカー会社によっては1カ月単位での貸し出しも可能です。
しかし、レンタカーは必ずしも新車を貸し出しているわけではありません。また前の利用者が返却した後、スタッフが清掃や洗車を行いますが、他の人が使った車を利用することになります。
自分の車がよいという方は、車両の内装の状態に不満が出るかもしれません。
レンタルのメリット
レンタルサービスで手軽に利用できる
レンタルサービスは、借りるときの審査がなくて、必要なときにだけ一時的に契約して使えるので、気軽にできます。
自分の所有ではないという手軽さがあるのが魅力です。気軽に車を利用したい方におすすめです。
契約期間の自由さ
リースとは異なり、レンタルには決まった契約期間がありません。予定よりも早く用事や観光が終わったら、そのまま返却できて便利です。
メンテナンス費用の心配なし
メンテナンス費用や借りた車が故障したときの修理費用なども、借りた側が負担する必要はありません。全部レンタル会社が行ってくれるから安心できます。
維持費の節約
車を所有してると、定期的な点検費用とか維持費がかかります。レンタカーを上手に使えば、経費を削減できます。
レンタルのデメリット
選択肢が少ない
レンタカーを利用する上でのデメリットの一つは、レンタカー会社によりますが、車種の種類が少ないことです。
利用者はレンタカー会社が持っている車の中から選ぶことになります。しかし大半が中古車です。常に新車に乗りたい人には向いてないでしょう。
長期間なら負担増の可能性
短時間のレンタルなら費用もそれほどかからないですが、数か月や中長期的に利用する場合はカーリースよりも高くなることが多いです。
これは、レンタカー会社が保守や修理費用なんかを利用者に代わって負担しているからです。その分、料金に上乗せされてしまうので、長期間使うと割高になってしまいます。
リースとレンタルの比較
契約期間の違い
リースとレンタルの一番の違いは、契約期間です。リースは数か月から数年の中長期間での契約が多く、レンタルは数時間から数日といった短期間の利用が一般的です。
リースなら、マイカーのように長期間で使うことができ、契約内容に応じて月額料金が決まります。これに対してレンタルは、その時々の利用期間に応じた料金がかかるため、短時間での利用に向いています。
費用の違い
リースは頭金や初期費用が不要で、毎月一定の料金で車を使えます。この月額料金には税金や保険が含まれていることが多いですが、ガソリン代や駐車場代は別途かかります。
一方、レンタルは維持費や税金が不要で、保険料も契約内容によって異なります。返却時にはガソリンを満タンにして返す必要があり、そのガソリン代やレンタル中の駐車料金は自分で支払います。リースは毎月定額、レンタルは都度払いという点が大きな違いですね。
所有者と使用者の違い
リースとレンタルでは、車検証に記載される所有者と使用者も異なります。リースの場合、所有者はリース会社で使用者は契約者本人です。
これに対してレンタルは、所有者も使用者もレンタル会社になります。リースだと自分が使用者として登録されるので、まるで自分の車のように気軽に使えます。
車種とナンバープレートの違い
リースでは希望の車種を選ぶことができるので、好きなカラーやグレードの車を選ぶことが可能です。しかし、レンタルはその時の在庫から選ぶことになるので、選べる車種に限りがあります。
また、リース車は一般車と同じナンバープレートが付けられるので、外見からは区別がつきません。一方、レンタル車は「わ」または「れ」のナンバープレートが付くため、見ただけでレンタル車だとわかります。
駐車場の違い
リースとレンタカーでは、駐車場の違いもあります。リースはマイカーと同じように、駐車場を契約して、保管しておく必要があります。しかしレンタカーは車を使用し終わったら、返却するだけでよいです。
もちろん使い勝手の違いはありますが、保管場所の違いがあることも覚えておきましょう。
どちらを選ぶべきか?
カーリースがおすすめな人
カーリースが向いている人は、以下のような人です。
- 初期費用を抑えて車に乗りたい人
- 定期的に車を乗り換えしたい人
- 好きな車を自由に選びたい人
- 車の手続きを減らしたい人
カーリースは、初期費用を抑えながら新車に乗りたい人にぴったりのサービスです。新車が欲しいけど、今すぐにはお金が足りないという場合でも、カーリースなら初期費用が不要なので安心。リース会社が希望の新車を購入してリースという形で借りられるので、すぐに乗り始められます。
数年間、中長期で車を使いたい人にもカーリースは向いています。たとえば、数年ごとに最新モデルに乗り換えたいって思っているなら、契約期間が終わった時にその車を返して、新しい車をリースすればずっと新車に乗れるので満足ですね。
好きな車に乗りたい方もリースがよいでしょう。レンタカーは、レンタカー会社が持ってる車から選ぶ必要があります。しかしカーリースなら、新車で売ってる国産車ならほとんど全ての車種やグレードから選べます。車種だけでなくカラー、オプションまで自分の好みに合わせられます。
車を買う時の面倒な手続きが嫌だって人にもカーリースはおすすめ。リース会社がディーラーに行って、いろいろな手続きを代行してくれるので、自分で手続きをする必要がなくて手軽です。
レンタカーがおすすめな人
レンタカーが向いてる人は以下のような人です。
- 車を維持したくない人
- 日常的に車を使わない人
- 用途に応じて車を使い分けたい人
- 駐車場がない人
レンタカーは、車の維持費をできるだけ抑えたい人にぴったりです。自分で車を持つと、税金や保険料を毎年払う必要があります。レンタカーなら維持費は全部レンタカー会社がカバーしてくれます。自分で維持費を支払う必要がなく、利用料金のみの支払いです。
車をそんなに頻繁に使わない人にもレンタカーはおすすめです。たとえば、月に数回くらいしか車を使わないなら、リースよりもレンタカーの方がお得でしょう。観光やドライブを楽しむときだけ借りればよいので、無駄がありません。
さらに、利用するシチュエーションによって車種を変えたい人にも適しています。レンタカー会社にはいろんな種類の車があるので、その時々のニーズに合わせて車を選べるのが便利。たとえば、大人数で旅行する時は大きなミニバン、ちょっとした買い物にはコンパクトな車という感じで、簡単に使い分けられます。
レンタカーなら駐車場もいらないのも特徴。自分が所有すると月極駐車場を用意する必要がありますが、レンタカーなら返却のみです。駐車場の確保が難しいなら、使うときだけレンタカーで済ませるのもよいでしょう。
まとめ
リースとレンタルというサービスがありますが、車の所有の仕方や使い方に違いがあります。使用するシーンによって、どちらが自分に合っているのか異なっているので、事前に確認しておく必要があるでしょう。
レンタカーなら近くに店舗があるかも影響します。場合によっては、両方を組み合わせることも考慮できるかもしれないため、どのような車の使い方がよいか検討してみましょう。