車の短期カーリースとは?

短期カーリース

短期間だけ車を使いたいという方が利用するサービスに、「短期カーリース」があります。数年間の契約期間になるリースとは異なり、短期間だけリースできるというサービスです。

車を使いたい期間だけ、たとえば数か月間契約することもできます。自分のカーライフに合わせて調整しやすい短期カーリースは、通常のリースとは異なるのでしょうか?

この記事では、短期カーリースとはどのようなサービスなのか、メリットやデメリット、さらに会社の選び方まで紹介します。

目次

短期カーリースとは?

タント

短期カーリースとは、数か月から1年未満の短い期間で車をリースする契約を指します。具体的な区分はありませんが、一般的には1年未満のリースが短期カーリースと見なされます。

通常のカーリース(長期カーリース)は、最低でも1年間の契約が一般的ですが、短期カーリースはそれより短い期間で契約できます。短期カーリースの最大の特徴は、リース期間中の税金や自賠責保険が含まれており、まとまった出費を避けつつ月々の均等払いで車を利用できる点です。さらに、月単位で契約期間を設定できるため、柔軟な利用が可能です。

短期的に利用する方法として、レンタカーを長期間利用する方法もあります。しかし数日だけでなく数か月間にわたって利用するために、短期カーリースを利用するのはメリットがあります。

レンタカーとリースの中間のサービスともいえるでしょう。

短期カーリースのメリットとデメリット

メリット

短期カーリースには、さまざまなメリットとデメリットがあります。これらを理解することで、自分にとって最適な選択をすることができます。

短期カーリースを利用する際のメリット

短期カーリースのメリットには、必要な期間だけリースできるという点があります。リース料には保険やメンテナンス費用が含まれているため、追加費用の心配が少なく、計画的に予算管理ができます。さらに、新しい車に乗ることができるため、安全性や快適性も確保されています。

メリット1:長期カーリースより気軽に利用できる

短期カーリースの魅力は、長期カーリースよりも気軽に利用できる点です。

契約期間が短いため、中途解約のリスクが少ないです。長期カーリースでは数年間の契約が一般的で、その間にライフスタイルや収入が変わり、中途解約が必要になることもあります。通常、カーリースは中途解約ができず、もしできても高額な違約金がかかります。

短期契約なら、急な変化が起こるリスクが低いため、安心して利用できます。途中で解約する可能性がある方には、おすすめです。

メリット2:色々な車に乗れる

短期カーリースのもう一つのメリットは、色々な車に乗れることです。

短い期間だけ車を使いたい場合や、いろいろな車に乗ってみたい場合に短期カーリースは最適です。車を購入する場合、乗り換えるたびに多額の費用がかかりますが、短期カーリースなら色々な車に乗れるので車好きの方に特におすすめです。

メリット3:車の諸手続きに手間がかからない

車の所有にともなう手続きが少ないのも、短期カーリースのメリットです。カーリース会社が所有者となるため、面倒な手続きはすべて代行してくれます。

例えば、中古車をローンで購入する場合、車両選び、ローン審査、購入手続き、任意保険の手続きなど多くの手間がかかります。処分する際も、売却先選び、売却価格の交渉、売却手続き、任意保険の解約手続きなどが必要です。

短期カーリースでは、ネット上の手続きと郵送だけで手続きが完了し、車検や自動車税が料金に含まれていることが多いです。手間をかけたくない方に短期カーリースをおすすめします。

メリット4:使用するたびに返却は不要

短期カーリースでは、使用のたびに返却しなくてもよいのはメリットです。レンタカーやカーシェアリングでは、決められた時間が経過すると車両を返却しなければなりませんが、短期カーリースでは、駐車場を契約して駐車します。

車内に荷物を置きっぱなしにしても問題なく、レンタカーのように「わ」や「れ」ナンバーではないため、リースを利用していることが知られることもありません。マイカーのように車を利用したい方には短期カーリースがおすすめです。

メリット5:費用が一定である

月々の費用が一定であることも、短期カーリースの魅力です。中古車をローンで購入すると、毎月のローンだけでなく車検や自動車税、メンテナンス費用がかかり、不具合が発生すると修理費用が加算されます。また、レンタカーやカーシェアリングでは使用頻度によって費用が変動するため、毎月の出費を予測しにくいです。

短期カーリースなら、車に乗る頻度が増えても月々の出費は一定なので、出費の管理がしやすいです。毎月の出費を一定にしたい方には、短期カーリースをおすすめします。

短期カーリースを利用する際のデメリット

短期カーリースは短期間だけ車を利用したい時に便利ですが、いくつかのデメリットや注意点もありますので、確認しておきましょう。まず、長期間にわたって利用する場合、総費用が高くなることがあります。また、リース期間中に車を返却する際には、車両の状態や走行距離に制限があるため、契約前にしっかりと確認することが重要です。

デメリット1:初期費用がかかる

短期カーリースの契約時には、保証金や敷金といった初期費用が発生します。この費用は契約終了時の原状回復費用に充てられ、原状回復費用が保証金を下回る場合は差額が返金されます。しかし、長期カーリースやレンタカー、カーシェアではこのような費用は発生しないため、短期カーリース特有のデメリットとなります。

デメリット2:手続きが多い

レンタカーやカーシェアと違って、短期カーリースの契約には所定の審査や契約書のやり取りなど、利用開始までにいくつかの手続きが必要です。これらの手続きには時間がかかることがあり、さらに保管場所に関する手続きも必要です。また、新車と比べると早いものの、登録や納車を待つ必要がありますので、スケジュールには余裕を持って契約手続きを進めることが大切です。

デメリット3:保管場所と車庫証明が必要

短期カーリースでは車を自分のものとして利用するため、保管場所の確保が必要です。また、短期間のリース契約でも車両登録を行うため、車庫証明の取得も必須となります。特に注意が必要なのが、月極駐車場を短期間だけ借りる場合です。

多くの月極駐車場は短期間の契約を断ることが多く、仮に契約できても「保管場所使用承諾証明書」を発行しない場合があります。そうなると短期カーリースの契約ができなくなってしまいます。なお、地域によっては軽自動車の場合、車庫証明の取得が不要となるケースもあります。

デメリット4:走行距離に制限がある

カーリースには走行距離の制限が設けられており、これは短期カーリースでも同様です。走行距離が増えると車の価値が下がるため、カーリース会社は返却時の価値を保つために走行距離制限や、制限を超えた場合の超過料金を設定しています。仕事で長距離移動が頻繁な場合、走行距離が多くなり超過料金が発生することがありますので注意が必要です。

短期カーリースを利用する際の注意点

注意

長期での利用は割高になる可能性があります

1ヵ月単位の短期リースを長期間利用すると、割高になることがあります。例えば、1か月ごとのリースを半年から1年以上続けると、新車の数年間のリースを借りるよりも月々の費用が高くなる場合があります。

試算の例を挙げると、ニコリースで中古の軽自動車を1年間借りると377,000円です。一方、定額カルモくんの「カルモスリー」ではスズキ「アルト」を月額24,860円でリースすることができます。1年分に相当する費用は298,320円となり、より経済的です(※2024年7月時点の料金です)。

ただし、このような2年や3年の新車リースは基本的に中途解約ができません。したがって、車の利用期間が数年にわたることが予想される場合のみ、この比較を検討すると良いでしょう。

車にこだわりがあるなら新車リースを検討

1ヵ月から借りられる短期カーリースは主に中古車が対象です。車の年式や走行距離、装備などは車両ごとに異なりますし、希望する車のタイプは指定できても具体的な車両を選ぶことは難しいことが多いです。もし車の仕様や装備にこだわりがあるなら、新車リースを検討すると良いでしょう。

短期間ならマンスリーレンタカーもあり

1~3ヵ月程度の利用期間なら、短期カーリースよりもマンスリーレンタカーの方が経済的な場合があります。さらに、マンスリーレンタカーは車庫証明の取得や自動車保険(任意保険)への加入が不要で、手軽に利用できる点も魅力です。

短期カーリースの利用料金

短期カーリースの費用目安

  • 軽自動車:月々約17,000円~
  • コンパクトカー:月々約30,000円~
  • ミニバン:月々約40,000円~

マンスリーレンタカーの費用目安

  • 軽自動車:85,800円
  • コンパクトカー:121,000円
  • ミニバン:222,200円

短期カーリースとレンタカーの料金を比較する際のポイント

まず、レンタカーについてですが、1ヶ月のレンタル料金は大体2万5,000円ほどです。この料金を3ヶ月間利用すると、単純に計算して「2万5,000円 × 3ヶ月 = 7万5,000円」となります。

次に、短期カーリースの料金について説明します。短期カーリースには、最初にかかる車検や事務手続きの費用が3万円から5万円ほどあります。そして、月々のリース料金はおおよそ1万5,000円からスタートしますので、3ヶ月契約の場合、「1万5,000円 × 3ヶ月 + 初期費用3万円〜5万円 = 7万5,000円〜9万5,000円」という計算になります。

このように、格安の短期カーリース会社であればレンタカーと同等の料金になりますが、そのような会社は限られているため、一般的にはレンタカーの方が安くなるケースが多いです。

利用期間が長くなるならカーリースがおすすめ

3か月程度の短期利用の場合、レンタカーの方が安い可能性が高いですが、もしも半年や1年といった長期間の利用を考えているなら、カーリースの方が経済的にお得になります。長期的に見ると、リース契約の方が費用を抑えることができるのです。

車好きの方にとって、どちらの方法が最適かを見極めることは重要ですね。利用期間や利用目的に応じて、最適な選択をすることをおすすめします。

短期カーリース会社の選び方

短期カーリースを利用する際には、各リース会社の費用やオプション料金に注意を払うことが重要です。具体的には、1か月あたりの利用料金や保証金、オプション料金などがリース会社ごとに大きく異なるためです。

たとえば、保証金についても、一律10,000円と設定されている場合もあれば、リース料金の1か月分としているところ、前納金として〇万円と決めているところなど、様々なパターンがあります。まずは各サービスの費用を比較し、自分の予算に合うリース会社を絞り込んでみましょう。

中途解約の条件も事前に確認しておくと安心ですね。急な予定変更があってもスムーズに対応できるようにしましょう。

乗り始める日と利用期間の考慮

短期カーリースの納車日はリース会社によって異なります。最短で3日ほどで利用できるところもあれば、最大で2週間ほどかかるところもあります。また、短期カーリースは基本的に契約期間があらかじめ決まっていますので、利用開始日や契約開始日を確認し、希望する日に合わせることが大切です。

契約期間を延長する可能性がある場合は、延長の可否や追加料金についても確認しておくとよいでしょう。事前にしっかりとチェックしておくことで、後からのトラブルを防げます。

利用目的に応じた車両選び

車の利用目的によって、適した車両は異なります。たとえば、通勤用に1人で利用するのであれば軽自動車で十分ですが、家族で利用する場合はコンパクトカーやミニバンが適しています。また、雪の多い地域で使用する場合は4WD車が必要でしょう。

このように、利用シーンや用途に応じて車両を選び、必要な車両を取り扱っているリース会社を選ぶことが重要です。自分のライフスタイルに合った車を見つけて、快適なカーライフを楽しんでください。

1か月利用する場合、短期カーリースとマンスリーレンタカーどちらがお得?

料金

マンスリーレンタカーとは、月単位で借りられるレンタカーのことで、1日だけのレンタルに比べて料金が割安になることが特徴です。

それでは、短期カーリースとマンスリーレンタカーにはどのような違いがあるのか、以下の3つの視点から比較してみましょう。

  • 契約期間
  • 料金
  • 手続き

順番に詳しく見ていきます。

比較1:契約期間

短期カーリースとマンスリーレンタカーの契約期間には、以下のような違いがあります。

  • 短期カーリース:1カ月から1年未満まで利用できます。
  • マンスリーレンタカー:基本的に1カ月間の利用が前提です。

どちらも1カ月後に延長することは可能ですが、マンスリーレンタカーの場合、次の予約状況によっては別の車に変更しなければならないことがあり、料金が変わる可能性もあります。

したがって、同じ車に長く乗り続けたいなら、短期カーリースが適していると言えますね。

比較2:料金

料金の面でも違いがあります。

  • 短期カーリース:月額15,000円~
  • マンスリーレンタカー:月額30,000円~

これらの料金はあくまでも目安ですが、レンタカーの料金はレンタカー会社や車種によって大きく異なります。短期カーリースは長期カーリースに比べてやや割高ですが、マンスリーレンタカーは1日単位のレンタルに比べて割安です。それでも、短期カーリースに比べるとマンスリーレンタカーの方が高額になりやすいです。

経済的に車を利用したい場合、短期カーリースがよりお得です。

比較3:手続き

手続きの面でも違いがあります。

  • 短期カーリース:車庫証明や審査が必要です。また、利用手続きもあります。
  • マンスリーレンタカー:利用手続きのみで、車庫証明や審査は不要です。

短期カーリースでは、車庫証明の取得や審査が必要ですが、一部のカーリース会社ではクレジットカード払いの場合、審査が不要になることもありますし、車庫証明の手続きも代行してもらえることがあります。

一方、マンスリーレンタカーは車庫証明や審査が不要なので、手軽に利用できます。ただし、利用できる車は予約状況に左右されるため、選択肢が限られることがあります。

手続きの簡便さを重視するなら、マンスリーレンタカーがおすすめです。

短期カーリースに向いている方とは?

短期カーリースは、ビジネス出張や短期間のプロジェクト、一時的な生活環境の変化などで、数か月間だけ車が必要な方に向いています。

どのくらいの期間にわたって車を使うのか決めにくいので、短期カーリースのように1か月単位で契約できるサービスが便利です。

また、数か月間利用するなら、レンタカーよりも短期カーリースの方がトータルでお得になります。コスト管理を簡単にしたい方も短期間でもカーリースがおすすめです。

長く乗りたい方は長期カーリースがおすすめ

短期カーリースを利用する方の中には、意外と長期間にわたって車を利用する可能性もあるでしょう。その場合は長期リースを事前に契約しておくのがおすすめです。

短期カーリースは決められた期間利用するのなら便利ですが、1年以上利用するなら長期カーリースがよいでしょう。

自分にあった手段がどれか分からないなら、予想される利用期間にあう商品をよく比較してみることをおすすめします。

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