最近、窃盗グループなどの悪質な業者による「自動車の盗難事故」が相次いで発生しています。
「自分の車は大丈夫」と安心してはいけません。自分の車が盗難事故に遭う可能性も考えられます。
万が一の盗難事故を防ぐ知識と防犯グッズを理解しておく必要があります。
そこでこの記事では、自動車盗難事故が多発している理由と盗難時の対処・対策方法を解説します。
近年、自動車の盗難事故が多発している
近年、窃盗グループによる自動車盗難事故が多発しています。
半導体不足により、新車の納期遅れが長期化している現状、中古車の買取相場は新車の購入価格以上に高騰している車もあります。
警視庁が発表している情報では、自動車盗難件数は平成15年がピークとなり、減少傾向です。それでも令和4年でも5,734件もあるため、盗難対策は必須といえるでしょう。
いかなる自動車盗難事故に対しても、盗難事故を未然に防ぐ知識と予防策を理解することが重要です。
『自分の車は大丈夫』と思う前に、必要な知識と防犯対策を身につけましょう。本記事では、自動車盗難の最新傾向と、効果的な対策方法を詳しくご紹介します。
さらに次の見出しから盗難に合いやすい車の特徴について解説します。
盗難に狙われやすい年式・車とは?
盗難に狙われやすい年式車は「2012年以前の車」が高い確率で盗難される傾向があります。
2012年式以前の車は、高年式車ではありますが「プレミアム車」が多い傾向があり、輸出で高い買取金額が狙いやすい特徴があります。
「年式が古いから大丈夫」と安心するのではなく、自分の車が盗難事故に遭っても対処できる防止策と知識を身に付けることが何より大切です。
自動車の盗難数が最も高いのは愛知県
全国の自動車盗難件数を比較すると、被害件数が最も多い都道府県は「愛知県」です。2022年の自動車盗難件数は884件であり、昨年度の自動車盗難件数は「ワースト1位」です。
愛知県の自動車盗難事故が多い理由としては「国際的な貿易拠点の港」として利用されていることが大きく関係しています。
盗難した車をすぐに国外に輸出できることは、窃盗集団としても利便性のよい環境下といっても過言ではありません。
※警視庁
一般社団法人の日本損害保険協会が行った2022年の調査によると、車両盗難の支払件数のワーストは愛知県で576件です。その他の地域よりも多くなっているのが分かります。
盗難事故が発生しやすい時間帯とは?
盗難事故が発生しやすい時間帯は主に「深夜〜朝(22時〜翌朝9時)」の時間帯に集中しています。
全体の盗難被害件数の中で過半数以上が「22時〜翌朝9時」に集中しており、人目が少ない時間帯を狙った犯罪行為が行われています。
22時頃は多くの方が就寝している時間帯でもあり「駐車時間が長い時間帯」を狙って多くの自動車盗難が行われています。
自動車盗難事故の具体的な手口とは?
自動車盗難事故の具体的な手口は以下3つです。自分の車を守るために、攻撃者が使う方法を知っておくことが重要です。
- リレーアタック
- イモビカッター
- CANインベーダー
それぞれの手口を詳しく解説します。
リレーアタック
リレーアタックとは、車のスマートキーを悪用して盗難する手口です。
スマートキーが発している微弱な電波を活用して、車のキーに鍵を差し込むことなく、ロックを解除できます。
リレーアタックは1人での犯行ではなく、3人1組で行われる盗難出口です。
具体的な手法としては、1人目がスマートキーが置かれている玄関先で微弱な電波を受信します。
2人目は微弱な電波を受信できる特殊機器を使用する中継の役割です。3人目は特殊機器で受信された電波を活用して車のロックを解除します。
リレーアタックの対策方法は、以下2点です。
- スマートキーの電波を遮断できるケースに入れる
- 玄関にスマートキーを置かない
スマートキーの電波を遮断できる具体例は「金属製の缶」や「電波を遮るポーチ」などがおすすめです。
イモビカッター
イモビカッターは「自動車盗難防止システム」の機能を無効化する専用装置を利用する盗難手口です。
イモビライザーは、ICチップとIDコード、車両本体の電子制御装置に記録されているIDコードが一致しなければ、エンジンが始動しません。
現在、イモビカッターの使用を禁止する都道府県や条例がありますが、対策が進んでいません。
イモビカッターの盗難手口が増加した原因としては、インターネット上で気軽に入手できることが挙げられます。
自動車メーカーも対策部品を搭載して対処していますが、イモビカッターを完全に防止することはできないようです。
CANインベーダー
CANインベーダーとは、車の電気装置を接続する通信規格に侵入して、ドアロックやエンジンを始動させる盗難手口です。
スマートキーの電波や車の位置に関係なく、車の前に人が立てる空間があれば盗難できる特徴があります。
リレーアタックやイモビカッターのように、根本的な対策部品や対処方法がある訳ではない新しい車の盗難方法として注目を集めています。
CANインベーダーでは主に「高級車が盗まれるケース」が多い傾向があります。
自動車盗難ランキングトップ3
自動車盗難事故の中で盗難されやすい車をランキング形式で3つ解説します。
- 【第1位】トヨタ ランドクルーザー
- 【第2位】トヨタ プリウス
- 【第3位】レクサス LX
それぞれ詳しく解説します。
【第1位】トヨタ ランドクルーザー
自動車盗難事故件数 第1位はトヨタ ランドクルーザーです。
ランドクルーザーはトヨタの中でも「クロスカントリー車」として不動の人気と圧倒的な知名度を誇る1台です。
数多くあるSUV車の中でもトップクラスに「リセールバリューが高い車」でもあります。
現在では、半導体不足による「納期長期化」が原因で、中古車の購入価格は新車以上に高騰しています。
リセールバリューと販売価格の高騰により、窃盗グループに最も狙われやすい車としても挙げられるでしょう。
ランドクルーザーを所有している方は、盗難事故に対する予防策に力を入れる必要があります。
【第2位】トヨタ プリウス
自動車盗難事故件数 第2位はトヨタ プリウスです。
プリウスは初代モデルが発売されて以降、5代目モデルまで続くロングヒット車です。
「Hybrid Reborn」をコンセプトに開発された新型プリウスは、トヨタユーザーに限らず多くの方を魅了する1台として注目を集めています。
プリウスは輸出に強い車であり、輸出先でも高い買取金額が提示されやすい車です。
プリウスを所有するユーザーも盗難対策に力を入れる必要があります。
【第3位】レクサス LX
画像引用元:LEXUS
自動車盗難事故件数 第3位はレクサス LXです。
レクサスのSUVシリーズでも、高級車として知られているモデルです。
高級感や悪路走破性など、特徴的なポイントがありますが、圧倒的な人気のために受注を停止しています。
新車が手に入りにくいと、中古車市場も上がる傾向にあるため、盗難の対象となりやすいです。
購入するなら、複数の盗難対策が必須のモデルですが、簡単な盗難対策では不十分といえるでしょう。
自動車盗難事故を防ぐ3つの対策方法
自動車盗難事故を防ぐ3つの対策方法があります。
- イモビライザーの装着
- ハンドルロックの取付
- カーセキュリティーの取付
それぞれの対策方法を詳しく解説します。
イモビライザーの装着
イモビライザーの装着は盗難対策として効果的です。イモビライザーを装着することで、エンジンが始動しにくくなります。
盗難する際にもエンジンが始動しなければ、窃盗グループは車を移動できず結果的に窃盗できません。
イモビライザーの装着は自分で取り付け可能な部品です。イモビライザーの装着に自信がない方は、お近くのディーラーやカーショップなどに相談してみることをおすすめします。
イモビライザーだけでは盗難対策として不十分なため、他の方法と組み合わせることをおすすめします。
ハンドルロックの取付
ハンドルロックとは、タイヤやハンドル、ブレーキペダルを「物理的にロック」する防犯アイテムです。
ハンドルロックを無理やり壊して盗難する窃盗グループもありますが、切断時には「強固なバー式ハンドルロックの装着」が必要になります。
また、切断するのに時間がかかるため、窃盗グループが嫌がる手法とも言えます。
ハンドルロックは「視覚的な防犯効果」も期待できるため、予想以上の防犯対策につながります。
カーセキュリティーの取付
カーセキュリティの取り付けは車の「盗難事故を防ぐ効果的な予防策」です。
最近、CANインベーダーという新しい盗難手口が増加傾向にあります。
カーセキュリティーの取り付けは「CANインベーダー」の対策方法の1つとして挙げられます。
車に搭載されている警告アラームとは別に、電池式のカーアラームをドアに取り付けることで、盗難予防として更なる効果が期待できるでしょう。
自動車が盗難されてしまった場合の対策方法
もし自分の愛車が盗難されてしまった場合の対策方法は以下3つです。
- 車両保険を適用する
- 警察に被害届を提出する
- 周辺に防犯カメラがないのか確認する
盗難対策方法を1つずつ詳しく解説します。
車両保険を適用する
盗難被害にあった場合、まず自分が加入している自動車保険の中で「車両保険」の有無を確認しましょう。
自分の車に車両保険が付帯されていれば、盗難被害時に車両保険を利用して、次の車を購入できます。
※車両保険の条件によっては、盗難が保証されないケースがあるので、ご自身の車両保険の内容を再度確認して頂くことをおすすめいたします。
盗難された自分の車が見つかれば良いのですが、見つからなければ車両保険を使用して次の車を購入するのも1つの方法です。
ただし、盗難被害で使える車両保険には限度額があります。
気になる方は自分が加入している自動車保険の車両保険金額を確認してみましょう。
車両保険を適用するためには「警察」と「保険会社」への連絡は必須事項です。
警察に被害届を提出する
警察に「被害届を提出する方法」も1つの対処方法です。
警察に被害届を提出することで、自分の車が見つかりやすくなります。
場合によっては、自分の車が見つかり戻ってくる可能性が高くなるでしょう。
自分1人の力で解決しようと動くのではなく、警察の力も借りて盗難された車を探すことをおすすめします。
周辺に防犯カメラがないのか確認する
自分の車が盗難された際には「周辺に防犯カメラがないのか」を確認しましょう。
防犯カメラがある場合、窃盗グループの車の情報や特徴が判明できます。
窃盗グループが運転している車の登録ナンバーや特徴を把握すれば、警察は捜査しやすくなり、結果的に盗難車が戻ってくる可能性が高くなります。
まずは慌てず周辺の道路環境を確認することから始めてみてください。
自動車盗難により保険を使用する際の具体的な流れ
自動車盗難事故により保険を使用する際の具体的な流れは以下の手順です。
- 手順1:保険会社に事故報告
- 手順2:保険会社による事故調査
- 手順3:保険会社から保険金の支払い
保険会社に事故報告
まずは自分の車が盗難されたことを「保険会社に連絡」します。
保険会社への事故報告は、後々車両保険を適用する際に重要な手続きです。
保険会社への連絡と同時に「警察への連絡」も忘れずに行いましょう。
保険会社による事故調査
保険会社への事故連絡後、保険会社より事故調査が行われます。
事故調査の際には、事情聴取や現場状況を確認するために、保険会社のアジャスターが盗難被害現場まで足を運んでくれます。
保険会社のアジャスターには、事故状況や事故現場の詳細を詳しく説明し、事故報告を進めてもらいましょう。
保険会社から保険金の支払い
保険会社のアジャスターから事故報告が認可されると、車両保険の限度額内で保険金が受け取れます。
受け取った車両保険の金額を元に、次の車を購入しましょう。
保険会社からは振り込み口座を通してお金が振り込まれます。
振り込みされるまでの期間は、多少の誤差はあるため注意が必要です。
自動車盗難についてよくある質問
自動車盗難についてよくある質問を以下にまとめました。
- 自動車盗難件数が最近多い理由とは?
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自動車盗難件数が最近多い理由は「半導体不足による車の納期長期化」が影響しています。車種によっては、注文から納車されるまでに2年以上必要なケースも多々あります。
中古車価格で確認すると新車価格以上の金額で販売されているケースも考えられます。新車価格以上の金額で希望する車が販売されている場合、買取金額も高騰しやすくなるため、窃盗グループが車を盗難し輸出して利益を得ています。
- 自動車が盗難されることを防ぐには?
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自動車の盗難を防ぐには「予防グッズの取り付け」や「盗難された際の対処方法」を理解しておきましょう。
予防グッズの取り付けと対処方法を理解することで、いざ盗難事故が発生した場合でも、落ち着いて対応できます。
- 車が盗難された場合はどうすれば良いの?
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車が盗難された場合は、「自分の自動車保険の確認」と「警察への連絡」を行いましょう。自動車保険の内容によって、盗難被害に遭った場合でも車両保険が適用できるケースがあります。
また、自動車保険を適用させるためにも「警察への連絡」は必須事項です。まずは落ち着いて警察に連絡することから始めてみてください。
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