自動車を購入する際に、車庫証明のシールが必要となります。保管場所標章という正式名称のものですが、廃止されることになりました。
今まで必要だったシールが不要になるという制度の変更ですが、そもそも保管場所標章とはどのようなものでしょうか?車庫証明シールや廃止になる制度について解説します。
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車庫証明シールとは?
車庫証明シールは、車庫証明を取得した際に発行されるシールで、車の所有者が適切な駐車場所を確保していることを証明するものです。新車や中古車を購入する際や、車を登録している住所を変更する際に必要です。
車の後部のガラスに貼り付けていき車庫証明を取得していることを示していました。
取得方法するためには、所定の申請書類を用意し、地元の警察署に提出します。警察が駐車スペースの確認を行い、問題がなければ車庫証明が発行されます。その後、車庫証明シールを受け取ることができます。
なぜ車庫証明シールが必要なのか?
「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の第6条2では、「保管場所標章の交付を受けた者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該自動車に保管場所標章を表示しなければならない」と定められています。
保管場所を確保して、保管場所標章の貼り付けは求められているのです。もし保管場所標章を貼っていなかった場合、どんな罰則があるのか気になるところですね。
実は、罰則についての規定がありません。罰則がないため、保管場所標章を車に貼っていない人が多いのが現実です。標章を貼っていないことで罰則点数が付いたり、罰金を取られることはありませんが、警察官に止められて注意を受けることはあるかもしれません。
保管場所標章の表示が義務付けられている以上、車にしっかりと貼っておくことが大切です。
車庫証明シールが廃止へ|今後の動向は?
保管場所標章制度が始まったのは1991年(平成3年)のことです。
当時、道路を車庫代わりに使う「青空駐車」が問題となっており、これに起因する交通事故も多発していました。
そこで、警察は車庫法を改正し、車の所有者に保管場所の届け出を義務付けました。そして、車に標章を貼ることで、保管場所が確保されているかどうかを一目で確認できるようにしました。
また、標章を発行した警察署に問い合わせることで、保管場所の迅速な調査が可能になるという目的もありました。
対策を施したため、道路を車庫代わりにする違反は減少します。警察庁のデータによると、1991年には5万9632件の車庫法違反がありましたが、2022年には943件にまで減少しています(車庫とばしを除く)。
車庫証明のシールが廃止される理由の1つは、車のナンバーを照会すると誰が所有しているのか、また保管場所がどこなのかを確認できるシステムが採用されるようになったことです。最近では、標章を貼っていない車も見かけますが、ナンバーだけで詳細な情報が分かるため、標章は不要になりました。
標章の交付には1枚500円の手数料がかかっていましたが、廃止されることで、事務負担が軽減されると見られます。
ただし、貼ることが求められなくなるのは保管場所標章のみで、車庫証明書など保管場所に関する手続きはこれまで通り続けられます。
車庫証明シールの貼り方
車庫証明シールの貼り付けする位置は以下の通りです。
- 後方から見やすい後面ガラス
- 後面ガラスが見えない場合、もしくは貼り付けできない場合は車体の左側面
基本的に、車庫証明のシールは外から貼るようにします。ガラス面などの汚れを拭き取ってから、シールを貼り付けましょう。
後方確認する邪魔にならないように、後面ガラスの左下などに貼りましょう。
今までの再発行方法
車庫証明シール(保管場所標章)が古くなって劣化したり、剥がれてしまったり、紛失してしまった場合は、再発行の手続きをしましょう。
新しい車庫証明シールの再発行方法について、必要なものや手続きの流れを紹介します。
再発行の申請に必要なもの
車庫証明シール(保管場所標章)の再発行を申請するには、以下のものが必要です。
普通自動車の場合
- 必要書類: 保管場所標章再交付申請書、保管場所標章番号通知書または自動車検査証
- 手数料: 500円(東京都の場合)
軽自動車の場合
- 必要書類: 保管場所標章再交付申請書、保管場所標章番号通知書または自動車検査証
- 手数料: 500円(東京都の場合)
再発行してもらうために、保管場所標章再交付申請書に必要事項を記載して、手数料を持参して申請しましょう。さらに確認のために、保管場所標章番号通知書か、自動車検査証が必要になります。
発行に必要な書類は都道府県警察に確認しておくと、その地域で必要なものが確認できます。
古い車庫証明シールを剥がす方法
車庫証明シール(保管場所標章)は、所有者が変わったり保管場所が変更になったときに、新しいものに貼り替えます。
しかし、このシールは簡単には剥がれないように作られているため、粘着力が強いです。きれいにシールを剥がす方法を紹介します。
剥がす際に用意するアイテム
車庫証明シール(保管場所標章)を剥がす際には、手で直接剥がすのではなく、道具を使うのがおすすめです。以下のものを用意しましょう。
- 水を入れたスプレーボトル
- スクレーパー
- シール剥がし剤
- ウエスやペーパータオル
車庫証明シールの上手な剥がし方
車庫証明シール(保管場所標章)は、以下の手順で剥がすときれいに取れやすいです。
1:水をかける
車にキズがつかないように、スプレーボトルでシール全体に水をかけます。
2:スクレーパーを使う
シールの端にスクレーパーを差し込み、指を使いながらゆっくり剥がしていきます。
3:シール剥がし剤を使う
水分を拭き取った後、糊が残っている部分にシール剥がし剤を吹き付けます。
4:拭き取る
ウエスやペーパータオルで、残った糊をきれいに拭き取ります。
準備をしっかりして、スムーズに作業を進めてください。
車庫証明に関するよくある質問
- 車庫証明シールとは?
-
保管場所標章と呼ばれているもので、自動車を保管する場所があることを証明するシールです。
- 車庫証明シールはいつから廃止?
-
2024年5月17日の参議院本会議において、車庫法の改正案が可決・成立したので、法律の公布後1年以内に施行される予定です。ただしシールが廃止されるだけで、車庫証明自体は廃止されません。
- 車庫証明シールがなくなる理由は?
-
シールがなくても所有者や保管場所を簡単に検索できるようになったり、青空駐車の違反件数も減少してきたことがあります。
まとめ
保管場所標章と呼ばれる車庫証明シールは、まもなく廃止される予定です。車を購入したり、登録場所を変更したりしたときに発行してきた車庫証明シールですが、まもなく廃止されます。
それまでは表示する必要があるので、車両の後方、もしくは左側面に貼り付けしておきましょう。