CR-V e:FCEVの2024年モデルが発売|水素燃料電池車の未来

CR-V eFCEV

ホンダの新型燃料電池車のCR-V e:FCEVが発売されました。プラグイン充電機能やSUVという環境に優しく、流行のスタイルで登場しました。

ホンダも水素燃料電池車を推進していますが、トヨタは普及の取り組みに力を入れています。一歩先を行っているトヨタに追従する形で、今回新型モデルが登場しています。どのような車になっているのか特徴を詳しく解説します。

目次

CR-V e:FCEVとは?

CR-V e:FCEV

画像引用元:CR-V e:FCEV|Honda公式サイト

6代目モデルをベースにしたCR-V e:FCEVは、見た目はFCEV専用にデザインされているものの、一般的なミドルサイズSUVといった印象です。内装も未来的というよりは、従来のSUVに近いデザインとなっています。クラリティは未来的なデザインが特徴的でしたが、CR-Vは一般的な外観をしているため、ホンダ好きでない限りFCEVであることに気づかないかもしれないほどです。

しかし、車の中身に関しては大きな進化が見られます。クラリティからCR-Vに変わったことで、最も注目すべき点は燃料電池システムの進化です。クラリティにはホンダが独自に開発したシステムが搭載されていましたが、CR-VにはGMとの共同開発で作られた最新の燃料電池が採用されています。

ホンダの独自開発から共同開発への移行が進み、研究段階から普及を目指した実用的な量産モデルへと進化したモデルとなりました。

水素燃料電池車(FCEV)とは?

FCEV(燃料電池車)は、環境に優しい次世代の車として注目されています。FCEVとは、名前の通り「燃料電池」を使用した電気自動車の一種です。

FCEVは、通常の電気自動車(EV)と異なり、EVが大容量のバッテリーを使って充電した電気を蓄え走行するのに対し、FCEVは比較的小型のバッテリーと燃料電池、水素タンクを搭載しています。

FCEVは「走りながら発電するEV」とイメージすると分かりやすいかもしれません。水素タンクに充填された水素と、空気中の酸素を燃料電池で反応させて電気を生成し、その電気でモーターを駆動して走行します。そのため、走行中に排出されるのは水のみで、CO2(二酸化炭素)などの有害なガスは一切排出しません。

FCEVとEVの共通点としては、どちらも電気でモーターを駆動して走ること、走行中の音が非常に静かであること、加速性能が優れていることが挙げられます。そして、最も重要な共通点は、どちらも走行中にCO2を排出しないという高い環境性能を持っていることです。

しかしながら、FCEVとEVには違いも存在します。最大の違いは、EVが外部から電気を充電して走行するのに対し、FCEVは水素をタンクに充填し、自ら発電しながら走行する点です。また、エネルギーの補給方法も異なります。EVは家庭や公共の充電器で充電を行いますが、FCEVは専用の「水素ステーション」で水素を補給する必要があります。

FCEVはEVと共通する点も多いですが、明確な違いもあります。環境に優しい次世代の車として、今後の発展が期待されているパワーユニットです。

CR-V e:FCEVの利点

CR-V e:FCEV

画像引用元:CR-V e:FCEV|Honda公式サイト

CR-V e:FCEVは、水素満充填・バッテリー満充電時で約621kmの走行が可能です。これにより、長距離ドライブでも安心して利用できるでしょう。また、WLTCモードでの一回の充電による走行距離は約61kmとされています。水素の充填口は車の左後部に設置されており、充填時間は約3分です。充電や給電のコネクターはフロントフェンダー部に配置されており、日本とアメリカの普通充電規格に対応しています。

たとえば、完全に空の状態から満充電するには、6.4kWの普通充電を使用する場合、約2.5時間かかります。AC200Vの電源に加え、AC100V電源での充電も可能です。また、バッテリーの劣化を抑えるために、充電量の上限を80%~100%の範囲で調整できる機能や、曜日ごとに充電時間を設定できる機能も備えています。

ケーブルを車両に接続しておいても指定時間までは待機状態になる仕組みです。さらに「お出かけ前タイマー設定」という機能もあり、設定した時間に合わせて車内を快適な温度に保つとともに、バッテリーを満充電の状態で出発できるようにします。

また、外部給電機能も充実しています。普通充電口に差し込むことで、AC100V電力を取り出せる「Honda Power Supply Connector」が標準装備されており、1500Wまでの消費電力に対応しています。アウトドアや停電時にも役立てることができます。

さらに、荷室に設置されたCHAdeMO方式のDC給電コネクターに可搬型外部給電機を接続することで、災害時には家庭の約4日分の電力を供給することも可能です。災害時にも頼りになる車です。

燃料電池(FC)システム

CR-V e:FCEVは、燃料電池(FC)スタックが刷新され、補機類の簡素化や省エネルギー化が進められています。これにより、従来のCLARITY FUEL CELLに比べて、コストが3分の1に削減されています。また、新しいセルユニットが採用され、生産効率も向上しています。さらに、腐食に強い材料や劣化を抑える制御を取り入れたことで、耐久性が2倍に向上しており、耐低温性も大幅に改善されています。

FCシステムは、ホンダとゼネラルモーターズ(GM)が共同開発しており、アメリカのミシガン州にあるFuel Cell System Manufacturing, LLCという両社の合弁会社で製造されています。これにより、従来よりも高性能でコストも抑えられたシステムが搭載されています。

CR-V e:FCEVのデザイン

CR-V e:FCEV

画像引用元:CR-V e:FCEV|Honda公式サイト

CR-V e:FCEVは、グローバルで人気のあるCR-Vをベースにしたモデルです。車のサイズとしては、全長が4,805mm、全幅が1,865mm、全高が1,690mmで、ホイールベースは2,700mmと、基本的には元のCR-Vとほぼ同じ大きさですが、FCシステム(燃料電池システム)を搭載するために、全長が110mmほど長くなっています。

フロント部分のデザインが変わっているためで、リアバンパーやランプ、そして下のモールディングのデザインも、CR-V e:FCEV専用のものになっています。これにより、より洗練された外観になっています。

CR-V e:FCEVのインテリア

CR-V e:FCEV

画像引用元:CR-V e:FCEV|Honda公式サイト

インテリアのカラーはブラック一色で統一されており、シートには環境にやさしいバイオ合皮が使用されています。ステアリングホイールには手触りの良い合皮が採用されており、ダッシュボードにはハニカム模様のメタルフィルムが施されているなど、細部にまでこだわりが見られます。さらに、オーディオにはBOSEの高性能スピーカーが12個配置されており、音楽を楽しむ環境が整えられています。

エアコンについても、冬場の暖房時にFCシステムからの排熱を有効活用するなど、FCEV(燃料電池車)ならではの省エネ対策が施されています。また、ディスプレイオーディオには、リアルタイムで水素ステーションの位置や稼働状況をチェックできる機能が搭載されていて便利です。

さらに、Honda CONNECTというコネクテッドサービスのアプリを使用することで、最大充電量や充電待機時間の設定、エアコンの遠隔操作やタイマー設定などもスマートフォンから簡単に行うことが可能です。

CR-V e:FCEVの安全性能

CR-V e:FCEV

画像引用元:CR-V e:FCEV|Honda公式サイト

CR-Vは、世界中で販売されているからこそ、最高レベルの安全性を追求してきました。乗っている人たちをしっかり守るだけでなく、水素や高圧電気に対する安全対策も十分に行われています。

CR-V e:FCEVの全てのタイプに「Honda SENSING(ホンダ センシング)」が標準装備されています。特に渋滞時に使用するアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、単なる追従機能にとどまらず、加速や減速、ハンドル操作までFCEVの特性に合わせて最適化されています。安心して運転できるように、細かく考慮された機能が搭載されました。

Honda SENSING搭載機能一覧

  • 衝突軽減ブレーキ<CMBS>
  • 誤発進抑制機能
  • 後方誤発進抑制機能
  • 近距離衝突軽減ブレーキ
  • 歩行者事故低減ステアリング
  • 路外逸脱抑制機能
  • 渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール<ACC>
  • 車線維持支援システム<LKAS>
  • 先行車発進お知らせ機能
  • 標識認識機能
  • オートハイビーム
  • トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)
  • ブラインドスポットインフォメーション
  • パーキングセンサーシステム

CR-V e:FCEVの競合車種との比較

トヨタ MIRAI

トヨタの燃料電池車「ミライ」は、2014年に世界で初めて市販された量産型燃料電池車(FCV)です。そして、2020年には2代目となる現行モデルが登場しました。ミライの特徴は、水素を燃料として使用するため、充電が不要な点です。

この車は、水素と空気中の酸素を組み合わせて発電し、その電力でモーターを駆動させます。その結果として、排出されるのは水だけであり、大気汚染物質を出さないため、環境に優しいエコカーとして高く評価されています。

2023年6月の時点では、ミライ以外にヒョンデのネッソ、さらにプジョーやシトロエン、オペルからも燃料電池車が販売されていますが、車種はまだ少ない状況です。数少ない燃料電池車のモデルです。

また、ミライはプレミアムセダンとして設計されているため、全体的に高級感があり、仕上がりもクオリティが高いことが魅力。ミライはセダンタイプ、CR-V e:FCEVはSUVタイプなのでジャンルの違いも考慮するとよいでしょう。

CR-V e:FCEVの価格

FF:8,094,900円

補助金
2,550,000円

一般社団法人 次世代自動車振興センター

CR-V e:FCEVはリース専用車種になっているので、購入検討の場合はホンダの販売店に相談しましょう。

CR-V e:FCEVはどんな人におすすめ?

ガソリンスタンドやEV用の充電施設と比べて、水素のインフラはまだまだ少ないのが現状です。そのため、純粋なFCEV(水素燃料電池車)を購入し、快適に利用できる人は限られています。しかし、CR-V e:FCEVなら家で通常の充電が可能であり、普段はEV(電気自動車)として使用できます。純粋なFCEVを購入する場合に比べ、購入のハードルが下がります。

ホンダによれば、車での移動の約8割は1回あたり10km未満しか走行しないとされています。CR-V e:FCEVはフル充電で60km以上の走行が可能であるため、ほとんどの移動を電気のみで賄うことができます。水素を使用するのは長距離を走行する際だけとなり、水素の充填回数が純粋なFCEVに比べて大幅に減ると考えられます。

普段は充電だけで走行でき、長距離の場合は水素を活用して走行するという方におすすめです。

エコカーをお得に購入する方法

エコカーをお得に購入するには、低金利プランの利用がおすすめです。新車を購入するにはローンを利用する方が一般的です。ローンで車を購入するなら、無理なく希望する車を購入できます。

毎月の支払い額も一定に抑えることができ、支出を調整しながら新車に乗れるからです。しかしローンは毎月の支払い額を一定にできますが、どうしても金利手数料の負担が発生します。

その金利手数料の負担を抑えられるのが低金利プランです。低金利プランなら名前の通り金利が低いので、手数料負担を抑えられ、トータルコストが低くなります。

弊社カミタケモータースでは、新車1.99%の超低金利プランを提供しており、お得に購入可能です。車種別に毎月の支払い額がいくらなるのかこちらからチェックしてください。

よくある質問

CR-V e:FCEVとはどんな車?

ミドルサイズのFCEVモデルです。燃料電池で環境に優しい走りが可能です。CR-V e:FCEVにはコストも抑えられた新しいFCシステムが搭載されています。

FCEVにはどのような利点がある?

水素ステーションから充填すると排気ガスを出すことなく走行できます。また一般家庭の4日分の電力を供給できるので、災害時の備えともなります。

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