EV軽自動車の使い勝手は?三菱のeKクロスEVを試乗してみた!

EKクロスEV

日常での使い勝手のよさや運転のしやすさから人気の軽自動車ですが、電気自動車という選択肢が増えています。

日産からは軽初のEV車の「SAKURA」が発売されましたし、三菱からは「eKクロスEV」が展開されています。補助金がある従来のEV車よりも購入しやすいことから人気が出ていました。

では軽自動車の電気自動車の使い勝手はどのようなものでしょうか?軽の電気自動車の使い勝手や三菱のeKクロスEVに実際に試乗してきた様子をご紹介します。

目次

日産SAKURAとeKクロスEVの販売が好調!

ekクロスEV

日産のSAKURAと三菱のeKクロスEVは、2022年に発売されたモデルですが、発売まもなく人気を集めて販売台数を伸ばしています。

SAKURA
日産 SAKURA

日産SAKURAは、2022年7月には、約2万3000台の受注をしたとされています。またeKクロスEVは、発売から約2か月で5,400台の受注がありました。eKクロスEVの方が受注台数が少なくなっていますが、販売店の数の違いを考えると健闘しているといえるでしょう。

セカンドカーとして電気自動車は便利

eKクロスEV

電気自動車の軽自動車が人気を集めている理由として、航続距離が伸びつつあるということも要因でしょう。これまでも三菱のi-MiEVなどが発売されていましたが、値段も高く航続距離が短いことがデメリットでした。

しかし三菱は早い段階から軽自動車の電気自動車を販売してので、ノウハウを積み重ねていたことでしょう。

一方の日産は累計60万台以上を販売してきたリーフの実績があります。EV車のノウハウがある2社で協業して発売した2車種は、どちらも発売当初から話題を集め、販売台数を伸ばしてきました。

電気自動車ならではの力強い加速や静粛性、さらに高級感ある内装によって、エンジンの軽自動車とは異なる乗り心地が魅力です。

ekクロスの試乗記

eKクロスEV

カミタケモータースのスタッフがeKクロスEVに実際に試乗してみました。その様子をご紹介しましょう。

カミタケチャンネル

eKクロスEVの試乗の様子を動画でもご覧ください。気になる電費がどれほどなのか、また充電の使い勝手や利便性も徹底調査しています。

今回の試乗は伊勢志摩スカイラインの山岳路を含んだコースを走行しています。エコモードをオンにしてイノベーティブペダル常時オン、制限速度で走行するようにしました。

eKクロスEV

さらに高速道路ではマイパイロットを積極的に使用した環境での試乗です。

今回の試乗は、総走行距離382.7km・メーター平均電費8.3km/kWhという結果になりました。

eKクロスEVのカタログ電費は以下の通りです。

総電力量(バッテリー容量)20kWh
一充電走行距離(航続可能距離)180km
WLTCモード(電費)124Wh/km(≒8.06km/kWh)
WLTC市街地モード100 Wh/km(=10km/kWh)
WLTC郊外モード113 Wh/km(≒8.84km/kWh)
WLTC高速モード142 Wh/km(≒7.04km/kWh)

実燃費は測定できなかったためあくまでもメーター表示での測定になりますが、WLTCモードのカタログ電費を上回る結果になりました。

エアコンは風量1で、23℃設定にしていたり、途中オフにしていたことを考えても、かなりよい結果になったといえるでしょう。

試乗後記をまとめてみると?

スタッフが試乗したときに感じたeKクロスEVの特徴をご紹介します。SAKURAと共通する部分もあるものの、軽SUVのeKクロスEVならではの特徴もありました。

外装

eKクロスEV

ベース車のeKクロスに共通する部分が多いですが、SUVテイストのデザインは、お出かけの気分が上がりました。グリーンやブラウンなどのアースカラーがボディーカラーに設定されているのも魅力的です。

内装

eKクロスEV

ダッシュボードのアクセントカラーがブラックに変更されているのでスタイリッシュです。メーカーオプションのプレミアムインテリアパッケージを選択すると、ライトグレーのカーフレザーのシートになったり、ダッシュボード前面にソフトパッドが採用されます。

走行性

eKクロスEV

搭載されているモーターで駆動するので静粛性が高く、低速からしっかり加速してくれる動力を出していました。またバッテリーを床下に搭載したことにより、重心が低くなり落ち着いた乗り心地なのが印象的でした。380kmの長距離を走行しても愛車であるカローラ クロスHVと遜色ないと感じるほどです。

充電性

eKクロスEV

長距離ドライブに初めて挑戦しましたが、急速充電器はケーブルを差し込み、カードをタッチして操作するだけなので、使いやすいものでした。急速充電なら30分ほどで50%以上回復したのもよかったです。ただし、充電回数がネックになりました。目的地に充電器が設置されていないと、道中で充電する必要があり、1日4回の充電は暇を持て余すほどでした。場合によっては充電待ちも発生することも考える必要があるなと感じさせられます。

電気自動車の充電方法

電気自動車の充電方法をご紹介しましょう。今回の試乗でも外出先での充電にも挑戦しました。

外出先では三菱自動車電動車両サポートのカードを用いた充電を行いました。4回の充電は、「カテゴリーA」に該当する充電器を利用して、必要だった費用は30分264円✕4回で、計1,056円です。

三菱自動車電動車両サポート

上記URLでは充電スポットの検索もできるため、外出先に該当する充電設備があるか確認しておくとよいでしょう。

試乗で使用した電気代を計算してみた!

今回の試乗で使用した電気代を計算してみました。上記のように、試乗で必要だった充電費用は1,056円でした。

帰社後に充電残量を見たところ、22%と表示されていました。eKクロスEVの電池容量が20kWhということと、充電残量を考えると満充電に必要な費用は以下になります。

20kWh×(100%-22%)=15.6kWh。
家庭の電気代が1kWhあたり25円(※)とすると、
15.6kWhの充電には
15.6×25円=390円を要します。

※関西電力のスタンダードプラン
試乗中に充電した費用と帰社後に満充電させるために必要な電気代を合計すると、1,446円となりました。

ガソリン車と燃料費を比較すると?

382.7kmを走行するには、382.7÷18=21.26Lのガソリンが必要。リッター160円と仮定すると、給油には3,402円を要します。

この時点で電気自動車とガソリン車の燃料費を比較すると、電気自動車が2,000円ほど安い計算になります。

もしガソリン車で同じ費用で走行したいなら、1446÷160=9.04L給油できることとなります。382.7kmを9.04Lのガソリンで走破するには、計算した燃費が382.7÷9.04=42.3km/Lとなりました。

ハイブリッド車でも実燃費で40km/Lを超える車種はないため、電気自動車の方がお得になるという計算になりました。

軽EVの購入価格

eKクロスEV

eKクロスEVには主に2つのグレードがあります。

Gグレード:エントリーグレードで、価格は2,568,500円からです。
Pグレード:より多くの先進装備が搭載されたハイグレードモデルで、価格は3,131,700円からです。

日産SAKURA

SAKURAには主に2つのグレードがあり、それぞれの価格は以下の通りです。

Xグレード:ベーシックなグレードで、価格は2,548,700円(税込)からです。
必要最低限の装備が整っており、コストパフォーマンスに優れているグレードです。

Gグレード:上位グレードで、価格は3,040,400円(税込)からです。
先進機能や装備が充実しており、快適性や便利さが増しています​。

補助金を使えば価格を抑えて購入可能

国の補助金

2024年度の補助金制度では、軽EVに最大55万円の補助金が出ます。これは新車購入時に適用され、個人や法人、地方公共団体が申請できます。リース契約でもこの補助金が利用できます​​。

地方自治体の補助金

地方自治体にも独自の補助金があり、国の補助金と併用できます。例えば、東京都では電気自動車等の普及促進事業があり、特定の条件を満たすとさらに補助金が受けられます。補助金の金額や条件は自治体ごとに異なるため、最新の情報を確認することが重要です​​。

申請の注意点

補助金を申請する際には、いくつかの注意点があります。補助金は先着順で交付されるため、予算が尽きる前に早めに申請するのがベストです。また、補助金は新車に限られ、中古車や新古車は対象外です​。

補助金を利用して軽EVをお得に購入するためには、国や自治体の公式サイトで最新情報を確認し、ディーラーに相談することが大切です。迅速に手続きを進めることで、補助金の恩恵を最大限に活用できますよ。

EV軽自動車のメリット・デメリット

EV軽自動車は環境に優れ、経済的にも魅力的ですが、いくつかのデメリットも存在します。メリットとデメリットを詳しく解説します。

メリット

EV軽自動車のメリットとして環境に優しいということがあります。排出ガスがゼロで、CO2の削減に貢献できます。これにより、都市部の大気汚染を軽減する効果も期待できます。

さらに、EVはガソリン車に比べて燃費が良く、電気代が安いため、長期的なコスト削減が可能です。また、家庭用充電設備があれば、自宅で簡単に充電できる便利さも大きな利点です。

走行時の静粛性もEVの特徴です。エンジン音がなく、スムーズな加速が可能で、乗り心地が向上します。これにより、快適なドライブ体験が提供されます。さらに、国や自治体の補助金制度や税制優遇が適用される場合が多く、購入時の負担が軽減されます。

デメリット

一方で、EV軽自動車にはデメリットもあります。最大の課題は航続距離の短さです。ガソリン車に比べて走行距離が短く、長距離移動には不向きです。また、充電インフラの整備が不十分な地域では、充電場所の確保が難しいことがあります。

初期費用が高いこともデメリットです。補助金や税制優遇があるものの、ガソリン車に比べて購入価格が高くなることが多いです。また、寒冷地ではバッテリー性能が低下し、航続距離がさらに短くなることもあるでしょう。

また環境面では、排出ガスが出ないというメリットとは反対に、製造時や運用時にかかるトータルの負担で内燃機関を下回ることがあります。

電気自動車の今後は?

電気自動車は優れた走行性能や設備があれば自宅で充電できるというメリットがあります。一方で、使い方によっては、まだまだ普及するには難しいケースもあるでしょう。

ガソリン車のようにスタンドに行かなくても充電して走行に備えられるのはメリットです。しかし集合住宅のように、充電設備が入れられるか分からないことは電気自動車が普及するにあたって考慮すべき懸念点です。

充電設備や充電時間というクリアすべき問題はあるものの、日常生活での街乗りなどで活躍するでしょう。また購入のしやすさでは補助金の方向性も気になるものです。補助金を活用すれば、ガソリンの軽自動車と変わらない費用負担で購入できていますが、今後補助金という制度が継続されるかにも注目です。

それらを踏まえると、eKクロスEVをおすすめできる人は、以下の通りになります。

eKクロスEVをおすすめする人

①安定的な充電環境が確保できる人

戸建て・分譲マンションに住み充電環境が確保できる方や、職場に充電設備がある方でないと、低航続距離のEVを所有することは難しいでしょう。

②先5年手放す予定・引越し予定がない

補助金の条件には、購入したEV等を原則4年間の保有が求められています。転勤族や学生などの予期せぬ引っ越しが入る見込みの人は、引っ越し先で充電環境を確保できると限らないため要注意です。

③1日50km程度のタウンユースがメインである

冬場の航続距離低下を考えると、1日往復100kmの通勤等に使うのは厳しいでしょう。距離が短い通勤であれば、ガソリンスタンドに行く手間がないので便利に使えます。もしメインカーとして利用するなら、出先での充電時間を考慮する必要があります。

試乗してみたスタッフがおすすめできるグレードは?

Gグレード(2,398,000円)+寒冷地パッケージ

ekクロスEV G

画像引用元:三菱

冬場の暖房の使用は電費・航続距離に大きく影響するため、ステアリングヒーターや運転席&助手席シートヒーターが装備される寒冷地パッケージは必要。

カミタケモータースでは新車1.99%の超低金利プランを取り扱っているため、eKクロスEVもお得に購入できます!こちらから詳細情報をチェックしてください。

目次