高速道路を走行中に落下物を見かけたことがあるかもしれません。急に視界に入ってくる落下物は、本当に危険です。自分が落下物に衝突する危険性の他に、自分の車の積載物が落下するリスクもあります。
もし自分の車に積載している荷物を落下させて放置した場合には「違反点数」と「罰則」が課されます。
また、いつ高速道路上の落下物に遭遇するのか分からないため、万が一事故が発生しても対策を取れるよう準備が必要です。
そこでこの記事では、高速道路で落下物被害に遭遇した場合の対処方法を解説します。
高速道路で落下物被害遭遇・ぶつかった時の対処方法は?
高速道路で「落下物被害に遭遇した場合」もしくは「落下物にぶつかった場合」の対処方法を3つ解説します。
- 対処方法1:非常電話から連絡する
- 対処方法2:料金所やSA・PAの係員に伝える
- 対処方法3:道路緊急ダイヤルから連絡を入れる
それぞれ詳しく解説します。
対処方法1:非常電話から連絡する
高速道路の落下物被害の対策方法1つ目は「非常電話から連絡する」ことです。
高速道路には、以下7つの場所に非常電話が設置されています。
- 高速道路本線上(1kmおき)
- トンネル内(200mおき)
- インターチェンジ
- サービスエリア(SA)
- パーキングエリア(PA)
- バスストップ
- 非常駐車帯
もし、「高速道路内で落下物を見かけた」あるいは「自分の車から荷物を落としてしまった場合」には、非常電話から連絡を入れましょう。
対処方法2:料金所やSA・PAの係員に伝える
高速道路の落下物被害の対策方法の2つ目は、料金所やSA・PAの係員に伝えることです。
各料金所やサービスエリアには係員が配置されています。
もし、落下物を見かけた方や高速道路に荷物を落下させてしまった方は、迷わずお近くのパーキングエリアもしくはサービスエリアの係員に声をかけてください。
対処方法3:道路緊急ダイヤルから連絡を入れる
高速道路の落下物被害の対策方法の3つ目は、道路緊急ダイヤルから連絡を入れることです。
高速道路走行中に落下物を見かけた方や同乗者が車内にいる場合には、道路緊急ダイヤルから連絡を入れることをおすすめします。
道路緊急ダイヤルは、全国の高速道路・国土交通省が管理する全ての国道に対して「24時間無料」で利用できます。
緊急ダイヤル番号は「#9910」です。
道路緊急ダイヤルの使い方
道路緊急ダイヤルは、高速道路上に落下物や道路の破損などを発見した際に連絡する専用ダイヤルのことです。
道路緊急ダイヤルの使い方については以下で紹介します。
なお、道路緊急ダイヤルが固定電話や携帯電話・PHS・公衆電話から24時間無料で連絡できます。
【手順】道路緊急ダイヤルの使い方
道路緊急ダイヤルの使い方は、以下の手順を参考にしてください。
以下の手順は「高速道路で落下物を見かけた場合」を例に手順を紹介しています。
- 手順1:高速道路で落下物を発見
- 手順2:道路緊急ダイヤル「#9910」に電話連絡
- 手順3:道路を選択する
- 手順4:係員に高速道路の状況を伝える
それぞれの手順を詳しく解説します。
手順1:高速道路で落下物を発見
高速道路で落下物を発見します。
手順2:道路緊急ダイヤル「#9910」に電話連絡
道路緊急ダイヤル「#9910」に電話を入れましょう。
電話方法は「固定電話」や「携帯電話」「PHS」「公衆電話」から連絡できます。
運転中の電話は道路交通法で禁止されています。
そのため、連絡を入れる場合には、休憩施設や安全な場所に駐車後に連絡を入れることをおすすめします。
手順3:道路を選択する
道路緊急ダイヤルに連絡後は、自動音声ガイダンスに従って「高速道路」を選択します。
走行中だった高速道路を選択すると、道路の管理者に接続されます。
手順4:係員に高速道路の状況を伝える
高速道路を選択後、専用ダイヤルの係員に連絡が繋がれば、高速道路の状況を伝えます。
道路状況を伝えた後は、専用ダイヤルから派遣されたロードサービススタッフが対応してくれます。
場所を特定する方法
高速道路で落下物がある場所を特定する際には、以下の方法がおすすめです。
- 高速道路上に記載されている「キロポスト」を確認する
- 河川名や道路名を伝える
- SAやPAからどれだけ離れているのか伝える
- カーナビの現在地の情報を正確に伝える
万が一、自分の車に積載していた荷物が落下しても、自分で取りに行こうと考えてはいけません。
近くの専用ダイヤルから係員に連絡することをおすすめします。
落下物は落とした人の責任になる
高速道路での落下物は「車から落とした人の責任」になります。
防犯カメラやドライブレコーダーが発展していなかった時代には、落とし主が見つからず自損事故として処理されるケースがほとんどでした。
しかし、時代の変化と共にドライブレコーダーの普及率も年々増加傾向にあり、落とし主が逃げ切れる確率は低下しています。
走行道路運転者は、前の前方車両との車間距離を十分に取り、ある程度距離を置いた運転を意識することが重要です。
積み荷を落下させると違反点数と罰金が発生する
車の積み荷を落下させた場合には道路交通法違反となり「違反点数」と「罰金」が科されます。
道路交通法「第75条の10」の違反は「3か月以下の懲役」もしくは「5万円以下の罰金」または「10万円以下の罰金」が科されます。
事故に発展した際には、さらに重い罰則と罰金が必要になります。
高速道路における落下物処理件数
高速道路における落下物処理件数を確認してみましょう。
令和3年度の落下物処理件数は全部で32.1万件あります。
落下物件数として多いのが「プラスチック・布・ビニール類の落下物」です。
続いて「ロードキル」「自動車部品類」と続いていきます。やはり、プラスチックや布など、積載の段階で気をつけているなら落下しないものが多数処理されています。
高速道路で落下物被害を防止する対策方法とは?
高速道路で落下物被害を防止する対策方法が3つあります。
- 【被害者側】ドラレコを取り付けして事故の証拠を残す
- 【被害者側】車両保険の加入有無を確認する
- 【被害者側】車間距離を十分に取り道路を走行する
それぞれ詳しく解説します。
【被害者側】ドラレコを取り付けして事故の証拠を残す
高速道路で落下物被害を防止するためには「ドライブレコーダーの取り付け」がおすすめです。
ドライブレコーダーは、万が一の車両事故の際に「事故の証拠」として証明できる記録媒体です。
映像による証拠があるかにより、加害者側の責任問題が大きく異なります。
万が一の事故から自分を守るためにも、ドラレコを取り付けることをおすすめします。
【被害者側】車両保険の加入有無を確認する
高速道路で落下物被害を防ぐ2つ目の方法は「車両保険の加入有無を確認する」ことです。
車両保険では「車体車限定」と「一般条件」のどちらでも「飛来物による車両事故による修理」が保険を適用して修理可能です。
しかし、車両保険を付帯していなければ、落下物被害で自分の車が損傷しても、修理費用を保険で賄うことができなくなります。
高速道路走行時の落下物被害を防ぐためにも、ご自身が加入している自動車保険に「車両保険」が付帯しているのか確認してみましょう。
注意してほしいポイントは、仮に飛来物にぶつかり、自分の車両保険を適用する場合には現状の等級から1等級下がります。
等級が下がると翌年の保険料が高くなります。
【被害者側】車間距離を十分に取り道路を走行する
高速道路で落下物被害を防ぐ3つ目の方法は「車間距離を十分に取り道路を走行する」ことです。
高速道路は一般道とは違い、走行スピードが速い車が多い傾向があります。
そのため、十分な車間距離を維持しなければ、前方車両が急停止した場合や落下物被害に対応できません。
十分な車間距離は「時速100kmの場合、前方車両と100m以上離れた状態」のことを意味します。
安全運転を実施し、事故を未然に防ぐため、ぜひ意識したいポイントです。
高速道路で落下物を落とさないための固定方法
アウトドアや車中泊で車に積載する荷物の量が多い場合には、ルーフに荷物を取り付けるケースも多々あるでしょう。
走行中の振動により固定されていたロープが緩んでしまう可能性も考えられるため、スキー板やサーブボードを取り付ける際には、ロープでしっかり固定することが重要です。
具体的には「シートで覆う+ネット」と「車の外からラチェットベルトで固定する」ことがベストです。
停車時に問題がなくても、走行時、とりわけ高速道路上は不安定になる可能性もあるため、入念にチェックしておきましょう。
高速道路の落下物についてよくある質問
- 高速道路で落下物被害にあった時の対処方法は?
-
高速道路で落下物被害に遭遇した場合には「道路緊急ダイヤル」から対応係員に現場の道路状況を伝えましょう。道路緊急ダイヤルの電話番号は「#9910」です。道路緊急ダイヤル以外にも、非常駐車帯に設置されている非常電話から連絡しても良いでしょう。
- 落下させると罰則になる?
-
自分が落下させてしまうと、「3か月以下の懲役」もしくは「5万円以下の罰金」または「10万円以下の罰金」が課されます。
さらに車から荷物を落下させたことを放置したことで車両事故に発展した際には、さらに重い罰則と罰金が課されます。
- 高速道路で落下物被害を防ぐ防止策は?
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高速道路での落下物被害を防ぐには「前方車両との車間距離を十分にとる」ことや「ロープでしっかり固定する」などがおすすめです。
高速道路走行中の振動により、どうしてもロープが緩んでしまう可能性があります。
落下物被害に発展させないよう意識するためにも、サービスエリアやパーキングエリアで体を休めると共に、固定ロープの緩み確認を適度に行いましょう。
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