ホンダ車の“あまり知られていない便利機能”を実際に試してみました。きっかけは、あるスタッフの一言から。

ホンダ車、実は細かい設定で便利になるポイント、結構あるんですよ
今回は、実際にヴェゼルやN-ONEなどホンダ車を乗り継いできたスタッフが、自分のクルマでも実践してきた“知られざる便利技”をピックアップ。オーナーであっても意外と気づいていない機能を、実車を使ってご紹介します。
カミタケチャンネル!



第1の便利機能:「エンジンを切ると自動でサイドブレーキがかかる」
通常、ホンダ車ではエンジンを切っただけではパーキングブレーキ(電子制御ブレーキ)はかかりません。手動でサイドブレーキ操作を行う必要があります。
しかし、ある操作を行えば、「エンジンをオフにするだけで自動的にサイドブレーキが作動する」設定に変更できるのです。
【設定手順(AT車の場合)】
- サイドブレーキがかかっている状態を確認
- エンジンを始動
- 電動パーキングブレーキのスイッチを1回引く
→「ピッ」と音が鳴ったらすぐ離す - 続けてもう1回引いて、また「ピッ」と鳴れば設定完了
一度サイドブレーキを手動で解除してから、エンジンを切る
→すると、自動的にサイドブレーキが作動します

ピピッと2回鳴るのがポイントですね

うわ、本当に赤くなった!ちゃんとかかってる!
設定さえしてしまえば、降車時のサイドブレーキかけ忘れの心配がなくなるので安心です。
MT車はもう少し操作が必要です。ギアがニュートラルのままでは、ブレーキを離すと車が動き出してしまうため、別の対応が必要になります。
【MT車で自動サイドブレーキを効かせる方法】
- シートベルトを装着
- ブレーキホールドをONにする
- その状態でエンジンを切る

これで、足を離しても転がらない!

ただし、ブレーキホールドを忘れてエンジン切ると…そのまま動いちゃうので要注意です。
MT車はオートホールドの活用が鍵になります。設定に頼りすぎず、安全確認を怠らないことが大切です。
第2の便利機能:「パワースライドドア、実は“軽く引くだけ”でOK」

買い物袋を両手いっぱいに抱えてクルマに戻ってきたとき、ふと「もうちょっと楽にスライドドアが開けられたら…」と思ったことはありませんか?
そんな方にぜひ知っていただきたいのが、ホンダのパワースライドドアに隠されたちょい引き機能です。
ホンダのN-BOXをはじめとするスライドドア搭載車には、ドアハンドルを“少しだけ引くだけで開く”という仕様が備わっています。

え、全部引き切らないと反応しないと思ってました…

そうなんです。ほんのちょっと“クイッ”と動かすだけでOKなんですよ
この機能、知らずに“毎回ハンドルをフルで引っ張っていた”という方も多いはず。でも、実際はそこまで力を入れずとも、軽い動作だけでパワースライドが自動で開閉してくれます。
この“ちょい引き機能”が搭載されているのは、N-BOXだけではありません。
- フリード
- ステップワゴン
その他ホンダのスライドドア車(パワースライド付き)
など、多くのホンダ車に共通している仕様です。

ステップワゴンでも、フリードでも確認済みです!

おお、それは便利ですね。子育て世代とか、特に助かりそう
ただし、年式が古い車両や特別仕様車など一部対象外のモデルもあるため、実際にお乗りの車両で試していただくことをおすすめします。
たとえば、お子様を抱えているときや、荷物で片手がふさがっている場面。そんなときにも、この“ちょい引き開閉”は驚くほど役に立ちます。

グッと力を入れて引かなくていいから、片手で本当にラクなんです
日常のちょっとしたストレスが軽減されるだけで、クルマの使い勝手は格段にアップします。
第3の便利機能:「離れるだけで施錠完了。ホンダの“降車時オートドアロック”が優秀すぎる」

駐車場で荷物を下ろして、「あれ、鍵閉めたっけ?」と不安になること、ありませんか?
そんな心配を解消してくれるのが、ホンダ車に搭載されている「降車後オートドアロック機能」です。実はこれ、近年のN-BOXやステップワゴンなど多くのホンダ車に搭載されている隠れた便利機能です。
この機能をONにしておけば、ドアを閉めてそのまま車から離れるだけで、自動的に「ピッ」と施錠されます。

鍵、閉めたかな…?って心配する時間がゼロになりますね

地味にこれ、めっちゃ便利じゃないですか
ただし、出荷時点ではこの機能はオフになっているので、使いたい場合は設定が必要です。
設定手順(N-BOXなど最新ホンダ車)
1. エンジンをONにする
2. ホームボタン →「車両設定」を選択
3. メニューをスクロールして「ドア設定」へ
4. 「降車時オートドアロック」を選択
5. 作動を「ON」に設定すれば完了

N-BOXだと、キーごとに設定できるんですね
つまり、家族で1台の車をシェアしていても、使う人によって機能をカスタマイズできるというわけです。
さらに連動。ミラーも自動で格納
もうひとつ注目したいのが、施錠と連動してドアミラーも自動で格納される設定。こちらもメニューからオン・オフを切り替え可能です。

あ、ミラー畳まれてるってことは、ちゃんと鍵閉まってるってことです
ちなみに、ミラーを開いたまま施錠する設定も選べるので、状況に応じたカスタマイズが可能です。
給油時や短時間の離脱には“一時的オフ”も可能この機能、便利な一方で「給油のためにちょっと離れるとき」など、施錠されてほしくない場面もあります。
そんなときは、手動で一時的に自動施錠を無効化する方法も用意されています。
▼ 一時的に自動施錠をオフにする手順
パワーシステム停止後に、運転席ドアを開けてマスタードアロックスイッチを以下の順番に押します。
施錠→解錠→施錠→解錠
一時的にオフにしておくことができます。

スタッフ諏訪田 ガソリンスタンドではこれ、助かりますよね
なお、この一時的オフは、次回のドア開閉で自動的に解除されます。通常のオートロック動作に戻したい場合は、いったんドアを開けて閉め直すだけでOKです。
第4の便利機能:「ウインカーが“3回だけ”点滅する?ワンタッチターンシグナルの仕組みと設定」

車線変更の際に、ウインカーを“軽くチョン”と触れるだけで「カチカチカチ…」と3回だけ点滅し、自動で止まる。これがホンダ車に搭載されている「ワンタッチターンシグナル」という機能です。

あっ、これ知ってる!車線変更のときに便利なやつですよね

そうそう、ついてるけど意外と使いこなしてる人って聞かないんです
この機能、便利ではあるのですが、設定でオフにすることも可能です。使い方の好みに応じてカスタマイズできるのがポイントです。
ワンタッチターンシグナルとは?
ステアリングのウインカーレバーを“軽く押す”だけで、ウインカーが3回だけ自動で点滅し、その後自動で止まる機能です。
主に車線変更時の意思表示など、短時間のウインカー点灯に使われます。

片手がふさがってるときでも、軽く指で触れるだけなので便利です

ただ、“自分で戻したい派”の人には、ちょっと余計かも…
このように好みが分かれるため、設定でオン/オフを切り替えることができるようになっています。
設定方法(N-BOXなど最新ホンダ車)
1. エンジンをONにする
2. ホームボタン →「車両設定」へ
3. 「ライティング設定」を選択
4. メニュー内の「ワンタッチターンシグナル」を選択
5. 「オン/オフ」を選べば設定完了
オフにすると、ウインカーは通常通りの動作に戻り、押したままにしない限り点滅しません。
ホンダ車のいいところは、このような“通知・反応のしかた”を自分の好みに合わせて変更できる点です。

うちは家族で共有してるけど、それぞれ好みが違うから助かる

ちょっとした設定で運転中の快適さが全然違うんですよね
たとえば、ウインカーの音が気になる人や、“きっちり自分で操作したい派”の方にはオフ設定がおすすめ。逆に、高速道路で頻繁に車線変更する方にはオン設定が便利です。
第5の便利機能:「メーターの明るさ、調整してますか?夜間ドライブを快適にする小さな工夫」

夜のドライブ中、メーターパネルがやけに明るく感じたことはありませんか?
特に街灯の少ない道やトンネルの中では、車内の照明がまぶしく感じることがあります。そのような時に便利なのが、ホンダ車に搭載されている「メーター照明の明るさ調整機能」です。

地味だけど、あるとかなり快適になるやつですね

目が疲れにくくなるし、実はけっこう重要な機能です
ホンダ車では、メーターの明るさを画面メニューから簡単に調整できます。夜間や雨の日、暗い場所を走るときなど、シーンに応じて変えておくと快適です。
▼ 設定方法(N-BOXなどの場合)
1. エンジンをONにする
2. ホームボタン →「明るさ調整」へ進む
3. 表示されたスライダーで、照度を上げ下げするだけ

え、これだけでできるの?めちゃくちゃ簡単!

はい、画面の“明るさ”ってそのままの項目名で出てきます
明るさの変化はリアルタイムで反映されるので、自分の好みの明るさをその場で試しながら設定可能です。夜間の運転では、必要以上に明るいメーター表示が視界に入ることで、目が疲れたり、前方への集中が妨げられたりすることがあります。
明るさを抑えておくことで、外の暗さと車内照明とのギャップが軽減され、より自然な視界と落ち着いた運転環境が手に入ります。
アナログメーター車でも対応可能な場合あり
ちなみに、N-ONEのようなアナログメーター搭載車でも、メーター照明の明るさ調整が可能なモデルがあります。

私のN-ONEだと、トリップメーターの切替ボタンを使って調整できましたよ

夜の真っ暗な中で見ると、はっきり違いがわかります
モデルによって操作方法は異なる場合がありますが、基本的にはスイッチや設定メニューから操作できる仕様になっています。ぜひ、夜間にお試しください。
第6の便利機能(意外な豆知識):フロントガラスの三角マーク|車幅感覚のサポート

ドライバーズシートに座ったとき、ふとフロントガラスの端に小さな三角形のマークがついていることに気づいたことはありませんか?

このマーク、なんだろう…?
正体は「車幅感覚の目印」
この三角マークは、フロントガラスの運転席側・助手席側の上部隅にそれぞれ配置されています。その役割はズバリ、走行中の視線移動をサポートし、車幅感覚をつかみやすくするための“ガイド”です。

なるほど、無意識に見てたかも
あくまで“補助的な目安”であり、このマークを凝視して運転するようなものではありません。劇的な違いではなく、あるとちょっと気が利いていて、ふとしたときに役立つ存在です。

走ってるときに“このあたりが車の右端だな”って無意識に感じやすくなるんですよね

とっさのすれ違いや縁石を避けるときに、地味にありがたい
とくに軽自動車やコンパクトカーでは“車幅の狭さ”がメリットですが、狭い道でのすれ違いや車庫入れのときに、目印があると安心感が増します。このマークの存在は、教習所では教わらないけれど、実際の運転では意外とありがたい小ネタです。
もちろん、これだけに頼り切ってしまうのは危険ですが、「自然と視線を誘導してくれる工夫」として捉えると、その存在価値が見えてきます。
第7の便利機能:「葉っぱのマークの正体は?ホンダの“ECONスイッチ”を知っていますか?」

運転中、メーターに葉っぱのようなマークが表示されていることに気づいたことはありませんか?

これ何?なんか怪しい警告マークじゃないの…?

見たことあるけど、よく分からないまま放置していた方も多いはず
この葉っぱマークの正体は、**ホンダ独自の“ECON(イーコン)スイッチ”**に関係するものです。決して“怪しいスイッチ”ではなく、燃費向上や環境性能を意識した走行モードに切り替えるための機能なのです。
「ECON(イーコン)」は“エコノミー”の略称
正式名称は「ECONスイッチ(イーコンスイッチ)」と呼ばれます。これは、Economy(エコノミー)モードの略称で、燃費を優先するための運転補助機能です。

エコの“エコン”じゃなくて、エコノミーの最初4文字から来てるんですね
このスイッチをオンにすると、メーター内に葉っぱマークが点灯し、エコモードが有効になっていることを知らせてくれます。
ECONモードで変わること
ECONスイッチをオンにすることで、クルマの以下のような挙動が変化します。
• アクセルの反応が穏やかに → 急加速を抑えて燃費改善
• アイドリングストップが積極的に作動
• エアコンの出力を抑制 → 電力消費の低減

体感的には、エアコンの効きがほんの少し弱くなる感じです

でもその分、燃費を伸ばしてくれるってことですね
オフにした方がいいケースもある?
とはいえ、常にECONをオンにすればいいかというと、実はそうでもありません。使い方によっては、むしろオフにしておく方が良い場面もあるのです。
特に注意したいのは、「ちょい乗り」や「近距離移動が多い方」のケースです。

エンジンを頻繁に止めると、バッテリーに負荷がかかりやすいんですよね

そうそう。アイドリングストップ機能が繰り返されると、かえってバッテリー寿命を縮めてしまう可能性があるんです
そのため、走行距離が短い・頻繁にエンジンをかける環境ではECONはオフのまま使うのもアリ。車の利用スタイルに応じて、上手に使い分けることが重要です。
第8の便利機能:「閉まりきるのを待たずにロック!ホンダの“スライドドア予約ロック機能”とは?」

パワースライドドアを搭載するクルマに乗っていると、ドアが閉まりきるまで待ってから「ピッ」とロックをかける。そのような動作を当たり前のように繰り返していませんか?
ホンダのスライドドア搭載車には、実はこのひと手間を省いてくれる「予約ロック機能」が備わっています。

閉まるのを待たずに、先にロック操作できるんです
予約ロックってどういう仕組み?
この機能は、スライドドアが開いている状態で、スマートキーやドアの施錠スイッチを操作すると、ドアが閉まったタイミングで自動的にロックされるというものです。

たとえば荷物を降ろして、スライドドアが閉まるのを待たずに離れても大丈夫ってことですね

そうです!ドアが閉まりきった瞬間に“カチッ”とロックされます
ポイントは、「ドアが閉まった“直後に”ロック」ではなく、閉まり終わる“と同時に”ロックがかかるという点。スムーズに車から離れることができます。
予約ロック vs 降車後オートロック
この機能は、以前ご紹介した「降車後オートロック」と混同されがちですが、明確な違いがあります。
| 機能名 | タイミング | 特徴 |
| 予約ロック | スライドドア使用中 | ドアが閉まり終わるタイミングでロック |
| 降車後オートロック | 全ドア閉後+離れる | 数秒後に自動ロック(スライドドア以外も対象) |

スライドドアで子どもを乗せた後とか、さっと離れたいときに便利なんですよ

荷物を持って手がふさがってるときとか、助かりますね
車内にスマートキーが残っている場合は作動しません。
第9の便利機能:マニュアル車でもACCが使える?意外と知らない“MT対応クルコン”の実力

アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)というと、オートマ車(AT)に搭載されている印象が強いですよね。でも実は、ホンダの一部マニュアル車にもACCが搭載されているのをご存じでしょうか?

えっ?マニュアルでクルコンって成立するの?

自分でクラッチ操作しないといけないのにできるのが〇
そんな驚きの声が聞こえてきそうですが、結論から言えば“できます”。しかも、かなり自然な感覚で使えるのです。
MT車でも“クルコン走行中にシフトチェンジが可能”
ホンダのシビック(6速MT)に乗る筆者が実際に試してみたところ、走行中にクルーズコントロールを設定していても、クラッチ操作とシフトチェンジを行っても、ACCの設定速度が維持されるという動きが確認できました。

クラッチを踏んでギアを変えても、ACCの設定が切れないってことですね?

はい、ちゃんと再加速して、設定速度を保ってくれるんです
もちろん、アクセルやブレーキを強く操作すればキャンセルされますが、通常の変速操作だけではACCは解除されません。スマートかつ安心感のある動作に仕上がっているのです。
第10の便利機能:スマートキーで窓を開閉操作

ホンダの一部の車では、スマートキーでパワーウィンドウを開閉できます。

先に空気を入れ換えておきたいときに便利ですね
操作方法も簡単で手元のスマートキーの押す動作だけです。
- 解錠ボタンを2回長押し→パワーウィンドウを開ける
- 施錠ボタンを2回長押し→パワーウィンドウを閉める
外から窓の開閉をしたいときに活用してみてくださいね。
まとめ:ホンダマスターになれるかも
今回紹介した機能をすべて使いこなせているなら、あなたもホンダマスターになれるかもしれません。ぜひ愛車の機能を使いこなして、快適なカーライフを過ごしてください。



