今回の記事では、レヴォーグレイバックの雪道での走行性能をレビューします。青森で雪道で試乗してきた動画の様子も解説します。



レヴォーグの特徴
レヴォーグレイバックは、スバルのステーションワゴンのレヴォーグの派生モデルです。レガシィツーリングワゴンよりも日本の道路事情に合わせたサイズになっています。レイバックとレヴォーグは似ている部分と異なっている部分があります。
レイバックとの違い

試乗車
レヴォーグ レイバック
Limited EX 3,993,000円
スバルから登場した 「レイバック」は見た目はレヴォーグに似ていますが、ただの「SUV風レヴォーグ」ではありません。レヴォーグと同じ1.8Lターボエンジンを搭載しながらも、走りの特性や乗り心地が大きく異なります。
一言で表すなら、「レヴォーグのスポーティさを抑え、より多くの人にとって乗りやすいクルマに仕上げたモデル」 です。

レイバックの車両型式は「VN5」でレヴォーグの1.8Lモデルと同じです。つまり、シャシーやエンジンは共通しているのですが、走りのキャラクターは大きく異なるモデルになります。
よく比較されるのがクロストレックとインプレッサの関係ですが、実はこの2台よりもレイバックとレヴォーグのほうが共通点が多いです。クロストレックはグレードによってエンジンが異なりますが、レイバックはレヴォーグと完全に同じ1.8Lターボエンジンを採用しています。そのため、まさに「兄弟モデル」と言える存在です。
レイバックは「リミテッドEX」の単一グレードで展開されています。これはスバルの中でも珍しいグレード設定です。
一方でレヴォーグは、
- 標準系(バネサス仕様)
- STI系(電子制御サス仕様)
という2系統に分かれています。さらにSTI仕様には2.4Lターボエンジン搭載モデルも用意されており、よりスポーツ志向の強いラインナップになっています。
レイバックはレヴォーグのGT-H EX相当の装備を持ちながら、乗り心地や走行特性を変更し、より快適なドライビングを実現したモデルという位置付けです。また、どちらのモデルもアイサイトXが標準装備されており、安全性能の高さは共通しています。
レイバックとレヴォーグの最大の違いは、走りの方向性にあります。
レヴォーグはスポーツツアラーらしく、俊敏なハンドリングとシャープな走りを追求しています。GT-H EXでも十分に引き締まった乗り味で、STI系ならさらに硬派なセッティングになっています。

対してレイバックは、より穏やかなハンドリングと快適な乗り心地を重視しています。
- ステアリングの応答がマイルドで扱いやすい
- ロール(傾き)を許容し、乗り心地を向上
- 路面からの細かい振動をしっかり吸収
このようなセッティングになっているため、長距離ドライブでも疲れにくく、同乗者にも優しい乗り味となっています。「スポーティな走りよりも、快適な移動を楽しみたい」という方にはぴったりの仕様ですね。
レヴォーグレイバックのスペック
スバル・レイバックの主要スペック
ボディサイズ
- 全長:4,770mm
- 全幅:1,820mm
- 全高:1,570mm
- ホイールベース(軸距):2,670mm
- トレッド幅(左右のタイヤ間の距離)
- 前輪:1,560mm
- 後輪:1,570mm
- 最低地上高:200mm
重量・パワートレイン
- 車両重量:1,600kg
- エンジン:1.8L(1,795cc)水平対向4気筒ターボ
- 最高出力:177PS
- 最大トルク:30.6kg・m
ブレーキ
- 前輪:ベンチレーテッドディスク
- 後輪:ベンチレーテッドディスク
サスペンション
- フロント:ストラット式
- リア:ダブルウィッシュボーン式
タイヤサイズ
225/55R18(18インチホイール装着)
雪道試乗レビュー
さて、スバルの「レヴォーグ レイバック」に試乗していきたいと思います。
この車は、レヴォーグをSUVテイストに仕上げたモデルです。ルーフのデザインはそのままに、全長が少し長くなっていますが、室内空間はほぼ同じとのこと。走りの面では、三島がXVに乗っていた経験もあり、現在は2.2Lディーゼル車に乗っているので、その感覚と比較しながらレビューしていきたいと思います。
雪道での運転には少し緊張しますが、頑張ります!それでは、行ってみましょう!
エンジン
まず、エンジンは1.8Lターボを搭載しています。内装は上質で、直線道路での安定性に優れた設計になっています。やはり高速道路向きの車ですね。
今回はスタッフ見島に運転してもらいます。車幅に関してはCX-8と比べるとコンパクトなので、取り回しは良さそうです。しかし、雪道や凍結路面では慎重に運転したいですね。

前方のモニターにはナビが映し出され、さらにもう一つのディスプレイにも表示されるので、視線移動が少なくて済みます。さらに、障害物を感知するとピカピカと警告灯が光る機能もついています。安全性能はさすがスバルといったところですね。
暖房の効きも抜群で、車内はすぐに温まります。
内装
次に、内装をチェックしていきます。

ダッシュボードにはソフトパッドが使われ、ベージュと黒のツートンカラーが高級感を演出しています。スバルらしく、メカニカルなデザインのパーツも取り入れられています。

センターコンソールには大きなタッチパネル式のディスプレイが備わっており、USBポートの進化も感じられます。ドリンクホルダーや収納スペースも充実しており、実用性は高いですね。

ハンドルは革巻きで、ボタン類も大きく押しやすい設計です。シートはサポート性が高く、ナッパレザーのような柔らかさがあり、快適な座り心地です。通気性の良いメッシュ素材も採用されています。

シートヒーターは3段階調整で、モニターで操作できるタイプ。エアコンの操作は物理スイッチなので、直感的に使えます。
走行性能

現在の速度は約70km/hですが、速度が出ている感じがあまりなく、揺れも少ないため、非常に快適です。アクセルのレスポンスも良く、CX-8のようなタイムラグはほとんど感じません。
燃費に関してはハイブリッドではないため、それなりの数値になると思いますが、高速道路などの巡航時には伸びが期待できそうです。

SUVとしては非常に静かで、ディーゼル車特有のエンジン音がないため、快適性が高いですね。ハーマンカードン製のスピーカーが標準装備されているのも嬉しいポイントです。
雪道

ここからは、雪道での走行テストです。

スバルのアイサイトXが標準装備されているので、安全性は抜群です。特にレーンキープ機能は、他メーカーのものと比べても精度が高く、しっかりと車線中央をキープしてくれます。

雪道でのグリップ力も高く、ブレーキの効きもしっかりしています。横浜タイヤとの相性も良さそうですね。雪道の下り坂でも安定しており、不安感はありません。
後席

後部座席も広く、快適に座ることができます。足元スペースも十分で、エアコン吹き出し口やUSBポート(タイプC対応)、シートヒーターも装備されており、快適性が高いです。

カーゴルーム

荷室も広く、CX-8と比べても十分なスペースがあります。リアシートを倒せば、大量の荷物も積めるので、長距離ドライブや旅行にも最適ですね。
レヴォーグとレイバックのどっちがおすすめ?
まず前提として、レヴォーグとレイバック、どちらがいいかは用途次第!でも「装備充実で使い勝手も良いSUV風レヴォーグ」と言われたら、異なっています。レイバックは確かにレヴォーグ派生のSUV風ワゴンですが、プラットフォームは同じでもキャラが違います。
1.8L直噴ターボ(CB18)を積んでいるのは両車共通。
このCB18、スペックだけ見ると177PS/30.6kgmで普通に見えるのですが、実際に乗ると低回転からのトルク感が気持ちいいです。2000回転付近でグッとトルクが盛り上がる感じがスバルらしいですよね。
ただし、レヴォーグにはSTI Sport R系の2.4L直噴ターボ(FA24)も設定されています。275PS/38.2kgmのモンスターエンジンで、これに乗ってしまうとCB18がちょっと大人しく感じるのは事実。
レイバックは最低地上高が200mmに上げられているので、アウトドア派にも嬉しい仕様。レヴォーグの145mmと比べると結構な差。SUVとしてみるとそこまで高くはないけど、多少の悪路も気にせず走れるのはポイント高い!
そして、サスのチューニングがレイバックの方がマイルド。これが「乗り心地が良い」と言われる理由です。
逆にレヴォーグはスポーティに仕上がっていて、ダイレクトなステアフィールが特徴。つまり「快適性重視ならレイバック、走りの楽しさ重視ならレヴォーグ」って感じですね。
レイバックの強みは後席の広さと荷室の高さ。ワゴンとSUVの中間に位置するので、車高がちょっと高く、リアシートの頭上空間に余裕がある。後席の居住性はレヴォーグよりレイバックが上!
荷室容量はレヴォーグが561L、レイバックが561Lと同じ荷室容量です。
レイバックとレヴォーグの価格を比較すると以下のようになります。
レイバック
- リミテッドEX 3,993,000円
- ブラックセレクション 4,246,000円
レヴォーグ
- GT-H EX 3,795,000円(装備面ではレイバックとほぼ同じ)
- STISportEX(可変ダンパー装備)4,411,000円
一見すると、「レヴォーグGT-H EXより20万円高い」と思うかもしれませんが、ここで考えたいのはその価格差に見合う装備があるのかどうかです。結論からいうと、レイバックにはその価格以上の価値があります。
レイバックとレヴォーグの装備

画像引用元:レヴォーグ | SUBARU
レイバックのリミテッドEXには、GT-H EXと同じような装備が備わっていますが、さらに追加で便利な機能が標準装備されています。
「ハンズフリーパワーテールゲート」
両手がふさがっていても足で開閉できるので、買い物帰りなどにとても便利です。
「リバース連動ドアミラー」
バック時にミラーが下がり、駐車がしやすくなります。
「電動格納ドアミラー」
鍵をかけると自動で格納され、閉め忘れを防止できます。
「運転席シート自動後退機能」
乗り降りの際に運転席がスライドしてスペースを確保してくれます。
さらに、レイバックにはGT-H EXにはない以下の装備も含まれています。
- 「全席シートヒーター」
運転席・助手席だけでなく後席にも標準装備。冬場の快適性が格段に向上します。 - 「カップホルダー照明」
夜間でもドリンクホルダーの位置が分かりやすくなり、細かな使い勝手の向上が図られています。 - 「ハーマンカードン・サウンドシステム」
約11万円相当の高級オーディオが標準装備。音楽を楽しみたい方には大きな魅力です。
こうした装備を考えると、レイバックはGT-H EXより約20万円高い価格設定ですが、実際には11万円相当のオーディオが付いているので、実質的な価格差は9万円程度とも考えられます。それでいて、SUVらしいデザインと走破性がプラスされるのですから、お得といえるでしょう。
- 最低地上高がレヴォーグより55mmアップ
- 雪道や段差のある道での走破性が向上。
- サスペンションストロークの増加
街乗りでも乗り心地が良くなり、可変ダンパーのないレヴォーグよりも快適に感じる場面が多いです。アッパーボディの高さ調整(+10~20mm) 。エンジンやシャシー部分に対してわずかに高められ、SUVらしい設計になっています。街乗りではより快適に、アウトドアでも扱いやすいというバランスの取れた車に仕上がっています。
レイバックは、乗降性の面でも優れています。シートの高さを比べると、以下のようになります。
レヴォーグとレイバックのシート比較

画像引用元:レヴォーグ レイバック | SUBARU
レヴォーグ
シートのヒップポイントが低めで、乗り込む際に「腰を落とす」動作が必要。
レイバック
ヒップポイントが55mm高く(地面から約585mm)、より自然な姿勢で乗り降りできる。
日本では、ヒップポイントが600mm前後が最も乗り降りしやすい高さといわれています。レイバックの585mmはその理想的な高さに近いため、日常の乗り降りがしやすいのが特徴です。
さらに、レヴォーグはシートのサイドサポートが高めなので、乗り込む際に少し深く座る必要がありますが、レイバックは横にスライドするように乗り込めるように設計されています。このちょっとした工夫が、毎日の使い勝手を大きく左右するのです。

結論:レイバックは価格以上の価値がある、実用性の高い選択肢!
装備の充実度や走破性、快適性を考えると、価格以上の価値があるといえます。
- GT-H EXより20万円高いが、11万円相当のオーディオ付きで実質9万円の価格差!
- SUV風のデザインだけでなく、最低地上高アップ&サスペンション改良で走破性向上!
- ヒップポイントが高く、日本人に最適な乗降性を実現!
「レヴォーグの走りやデザインが好きだけど、もっと快適に使いやすくしたい」と考えている方には、レイバックはバランスの良い選択肢といえます。価格面でも装備面でも魅力的なこのモデル、検討する価値は十分にあるでしょう!
まとめ
総評として、スバル レヴォーグ レイバックは、高速道路や長距離移動に適した快適なSUVです。アイサイトXによる安全性能の高さや、静粛性の高さ、しっかりした走行性能が魅力的です。
家族連れやアウトドア用途にもピッタリの1台ですね。

よくある質問
- レヴォーグレイバックの雪道性能は?
-
レイバックの雪道性能は、スバルのAWDを搭載しているので路面にしっかりと力を伝えてくれます。ドライブモードに合わせて制御してくれるので、安心して走行できるでしょう。
- レイバックとレヴォーグと何が違う?
-
レイバックの方が最低地上高があるので、凹凸がある道路で安心して走行できます。さらに乗り味も異なっているので、実車を試乗して違いをチェックするのがおすすめです。
