車の使い勝手を左右する要素の1つが、荷室の積載量。買い物やアウトドアなど荷物をたくさん載せたいときに、思っていた荷物が入らないと使い勝手がよくないと感じることもあります。
そのため、車選びの段階からどれほどの荷室量があるのかチェックしておくのはおすすめ。この記事では、荷室積載量を比較する際のポイントを解説します。


荷室積載量比較の重要性

ファミリーカー選びで重視される「荷室の広さ」
ファミリーカーを選ぶときに荷室の広さを重視するのであれば、単に「広ければ良い」というものではありません。大切なのは「どんな荷物を、どれくらい、いつ積むのか」を具体的にイメージすることです。
例えば家族旅行であれば、人数分のスーツケースやお土産を積み込む必要があるため、やはり大容量が求められます。その際には、スーツケースを縦に出し入れできる開口部の大きさや、床面の低さがありがたく感じられるでしょう。
買い物・旅行・アウトドアで差が出る積載量
アウトドアが中心のご家庭では少し事情が変わります。キャンプ用品やスポーツ用品は形やサイズがバラバラですので、奥行きや天地高が重要になります。また、汚れに強い内装素材や、濡れたクーラーボックスをそのまま載せても気にならない床の設計なども実用性に直結します。
さらに、テールゲートを開けたときの後方への張り出し具合も意外と見落とせない点です。狭い駐車場では「荷物が出せない」という事態もあり得ますから、チェックしておくべきです。
日常的な用途が中心であれば、実際にはそこまで大きな荷室は必要ない場合も多いです。スーパーでの買い物袋やお子さまの部活動用バッグ程度であれば、コンパクトカーやハイトワゴンでも十分対応できます。むしろ毎日の駐車や荷物の出し入れを考えると、小回りが利くサイズの方がストレスを感じにくいでしょう。
つまり、荷室を重視するときのポイントは「用途を明確にすること」です。家族旅行なら大容量と出し入れのしやすさ、アウトドアならかさばる荷物を載せられる広さや素材のタフさ、日常使いならコンパクトで扱いやすい車種が適しています。
カタログ値と実際の使いやすさの違い
荷室を語るうえで絶対に見逃せないのが「シートアレンジ」です。これがあるかないかで、荷室の使い勝手がガラッと変わります。たとえば床下にシートを格納できるタイプなら、フラットで広々とした空間が出現しますし、左右独立して倒せるシートだと荷物と人を同時に載せる使い方が可能です。カタログにはそうしたアレンジの仕組みが必ず書かれていますから、細かい部分までチェックするのがポイントです。
そしてもうひとつの重要要素が「開口部のサイズ」です。意外と見落とされがちですが、ベビーカーや長尺物を積むときに開口部が狭いと本当にストレスになります。逆に開口部が大きければ、スーツケースを縦にスッと入れられるし、重い荷物を抱えたままでも出し入れがラクになります。
やはり「実車確認は必須」です。カタログの寸法だけでは分からない使い勝手があるからです。実際にディーラーでシートを倒してみて、荷室の奥行きや高さを自分の目で確かめる。もし可能ならベビーカーやキャンプ用品を持ち込んで、実際に積んでみるのがベストです。買った後の満足度が変わります。
ボディタイプ別の荷室積載量比較

コンパクトカーの荷室サイズと積載性
コンパクトカーには複数の種類がありますが、積載量で比較するならハイトワゴンのタイプがおすすめ。例えば、コンパクトハイトワゴン「ルーミー」になると、ベビーカーを立てて積めます。立てて入れられると、横にショッピングバッグを置いたり、ついでにオムツのストックも積めます。
家族を乗せて出かけたり、アウトドアでキャンプやスポーツを楽しんだりするときに、本当に便利なのが「室内が広めのコンパクトカー」です。荷物を積むとき、キャンプ用品や折り畳みチェア、スポーツバッグなんかの大きな荷物も意外と入ってしまうので、使い勝手の良さで驚くことが多いです。
ハイトワゴンタイプには、スズキのソリオもあります。こうしたハイトワゴンのコンパクトカーは、ライフスタイルを問わず柔軟に対応できるのが魅力です。しかも価格帯も比較的手が届きやすいので、コストパフォーマンスで考えるとかなりおすすめできる存在です。
SUVのラゲッジルーム容量と使い勝手
SUVは荷室床面が高めに設定されているので、大きな荷物を持ち上げて載せるときにちょっと腰に負担がかかります。ただし、テールゲートを開けたときの張り出しが小さいので、後方スペースに余裕がなくても開閉しやすいというメリットがあります。
しかしSUVも大型化しているので、ラゲッジルームも広いモデルが増えているので、たくさん荷物を積みたいという方でも満足できる車種は多いです。
実際の街を走行する際の運転のしやすさとボディの大きさは関係があるため、荷室の広さだけでなく運転のしやすさをチェックしておくとよいでしょう。
ミニバンの荷室積載量とシートアレンジ
ミニバンは、床が低いですし大きくて重い荷物も積みやすいです。さらに3列目シートを畳めば、広々とした空間があります。
ただしテールゲートの張り出しは大きいので、立体駐車場や狭い駐車場では「ちょっとクルマを前に出さないと開かない!」なんて場面もあり得ます。全高をしっかり稼いでいるので「高さをどう活かすか」がポイントになってきますね。
軽自動車の荷室スペースと実用性
軽自動車は法律で車体の全長・全幅・全高に上限が定められているため、ミニバンやSUVのように自由にサイズを拡大することはできません。そのため「荷室を広げれば座席が狭くなる」というトレードオフが必ず発生します。ここが軽自動車ならではの難しい点であり、「広ければ広いほど良い」という単純な話ではないのです。
大切なのは、自分のライフスタイルに合った「必要十分な広さ」があるかどうかを見極めることです。例えば普段は買い物が中心で、時々旅行カバンを積む程度であれば、奥行きがそこそこであっても十分です。
一方で、子どもの部活動の道具をいつも載せるとか、大きな荷物を積む機会が多いのであれば、荷室の天地高や開口部の広さまでしっかり確認しておく必要があります。
人気車種の荷室積載量を徹底比較
トヨタ ヴォクシー

荷室長についてですが、ノアとヴォクシーには3列目シートの前後スライド機能が備わっていません。そのため、3列目を使用した状態では荷室長はおよそ270mm程度にとどまります。ただし、荷室幅はバックドア開口部でクラストップレベルの1,100mmを確保しているため、日常の買い物やお子さまの荷物を積む際に不便を感じることはほとんどないでしょう。
次に注目したいのが「スーパーラゲージボックス」と呼ばれる床下収納です。容量はなんと104Lもあり、背の高い荷物を立てて収納することも可能です。スペアタイヤを選択するとそのスペースはタイヤ置き場となりますが、通常は大容量の収納としてしっかり活躍します。床下にこれだけの余裕があるのは、やはりミニバンクラスならではといえます。
さらにバックドアの使い勝手も見逃せません。開口部の地面からの高さは2WDで500mm、4WDでも535mmとかなり低く設計されています。そのため重い荷物を大きく持ち上げる必要がなく、わずかな力でスッと積み込むことができます。この低床設計は、日常のちょっとした場面で確実に便利さを感じられるはずです。

また、「もっと広い荷室が欲しい」と思ったときには、サードシートを格納すれば荷室を大きく拡張できます。格納方法自体は先代と同じ左右跳ね上げ式ですが、操作性が大きく改良されました。従来はロック解除レバーを操作してからストラップで固定する必要がありましたが、新型ではシートを跳ね上げて側面に押し付けると「カチッ」と自動でロックされます。慣れれば片手でも扱えるため、買い物袋を持ったままでもスムーズに操作できるのが魅力です。

さすがはミニバン。荷室の広さに文句はありません!買い物の後でも余裕の積載量です

マツダ CX-8

CX-8の荷室は、3列目を起こした状態と倒した状態で使い勝手が大きく変わるのが特徴です。3列目を起こした場合、長さは約500mm、幅は約1,480mm、高さは約740mmで、荷室容量は239L(BOSE搭載車は222L)となります。
幅と高さは十分確保されている一方で、奥行きがわずか500mmしかないため、大きなスーツケースやアウトドア用品をそのまま積むにはやや厳しく、工夫が必要になります。しかし、3列目を倒すと長さは約1,350mmまで拡大し、荷室容量も最大572L(BOSE搭載車は255L)に広がるため、旅行やショッピング、キャンプ道具の積み込みなどに余裕をもって対応できます。

ゴルフバッグの積載性も気になるところですが、9インチのバッグであれば3列目を起こした状態でも2つ、倒した状態なら最大4つ搭載可能です。ただしクラブの長さによっては引っかかる可能性がある点と、4つ積み込むと後方視界が制限される可能性がある点には注意が必要です。
さらに荷室の拡張性も見逃せません。室内長は最大で約2,320mmまで確保でき、数字だけ見れば「ビッグサイズSUV」と言えるスケールを誇ります。ただし室内高は約1,250mmにとどまっており、これはコンパクトSUVであるライズと同等で、ミニバンや一部の大型SUVと比べると頭上空間は狭めです。そのため、車内で着替えをしたい方や簡単な作業を行いたい方には少し窮屈に感じられるかもしれません。

吹き出し SUVでも普段使いに十分な広さがあります。荷室までの高さはありますね
スズキ ジムニー

ジムニーのラゲッジルームはリアシートをパタンと倒すと、352Lという大容量の荷室が広がります。ジムニーのボディはご存じのとおりスクエア形状なので、無駄なデッドスペースが出にくく、空間を効率よく活用できます。
そのため、キャンプでテントやクーラーボックスを積んだり、マリンスポーツでウェットスーツや大きめのバッグを持って行ったりしても、余裕を持って収納できる懐の深さがあります。
さらに具体例を挙げると、9.5インチサイズのゴルフバッグなら横倒しで2本、その上にボストンバッグも積むことができます。実際に試すと「こんなに入るんだ!」と驚くはずです。加えて、荷室の開口部が広く、床が完全にフラットになるため、重い荷物もスライドさせるように載せられて、積み降ろしの際の負担が少ないのも魅力です。

また、ラゲッジボードにはフックや固定用の穴が設けられていて、荷物が走行中にガタガタ動いてしまう心配にもきちんと配慮されています。そして、リアシートを使用しているときでも一定の荷室スペースは確保されているので、普段のスーパーでの買い物や、2泊程度の旅行にも十分対応できる実用性を備えています。

他の車種と比較して広くはない荷室ですが、意外と普段使いには困っていないですよ
荷室の使い勝手を高める工夫
シートアレンジとフラット化の利便性
フルフラットになる車というのは、後部座席をガバッと倒して、座席部分とラゲッジ(荷室)の段差をなくし、一枚のフラットな床を作れる車のことを指します。これが実に便利です。
普通の車だとどうしてもシートの段差や隙間が気になるんですが、フルフラットにできるモデルはまるで小さな部屋のような感覚になるんです。そのため、車中泊で「背中がゴツゴツして寝られない」というストレスがかなり減りますし、大きな荷物を積むときにも空間をフルに活かせます。
シートの段差がないフラットな空間は、就寝スペースとして理想的です。布団やエアマットを敷けば、ほぼ自宅のベッド感覚に近い快適さで眠れます。しかも軽自動車からミニバンまで、ジャンルを問わずフルフラット仕様が用意されている車種もあるので、選択肢は意外と多いです。
リアシートを倒すだけで、まるでワンルームのような空間に早変わりします。キャンプ道具を積むもよし、釣竿やスノーボードなど長尺物を積むもよし。あるいはマットレスを敷いて仮眠スペースにするなど、自由度が高いのが最大の魅力です。
キャンプや釣りといったアウトドアでは、荷物の置き場や休憩場所に困ることが多いですよね。フルフラット車なら荷室と座席をひと続きの広い空間として使えるので、荷物を整理しやすく、しかも休憩スペースとしても活用できます。さらに緊急時には避難場所として使える点も見逃せません。
床下収納・サイド収納の活用ポイント
長尺物を買ったときでも、シートを工夫すればそのまま積み込める。これは数字の奥行きだけでは見えてこない、実際の使い勝手に直結する部分です。
さらに、荷室の床面に段差があると、重い荷物を持ち上げるときにかなり負担になります。そのため、できる限りフラットな荷室を備えている車を選びたいですね。加えて、床下収納が付いていると小物や動きやすい荷物をしっかり固定できるので、走行中に「ガタガタ動いて気になる」なんてことも防げます。こうしたちょっとした工夫が、毎日の満足度を大きく左右します。
おすすめしたいのは、後席を倒すだけでなくシートスライド機能を使って荷室をさらに拡張できるモデルです。スライド量が大きければ大きいほど、荷物の取り回しに柔軟性が出ます。キャンプ用品や自転車など長尺物を積むときに、その差を強く実感できるはずです。
車中泊やアウトドアでの積載アイデア
車中泊やアウトドアでは、荷室の使い方ひとつで快適さが大きく変わります。例えばシートをフラットに倒してマットや寝袋を敷けば、簡易ベッドスペースに早変わりします。荷室の片側に収納ボックスを並べてテーブル代わりにすれば、調理や作業にも活用できます。キャンプ用品はフックやベルトで固定しておくと走行中の転倒防止になり、現地での取り出しもスムーズです。
さらに、LEDランタンを吊り下げれば夜間の照明として便利で、車内を落ち着いた空間に演出できます。荷室を上手にアレンジすれば、移動手段である車がそのまま「小さな部屋」や「ベースキャンプ」として機能し、アウトドアの楽しみをより広げてくれます。
デッドスペースになりがちな、頭上空間を活用できる収納を後付けすれば、有効活用できますね。
まとめ|積載量比較で失敗しない車選び
買い物をしたときやアウトドアに出かけるときには、車の積載量が利便性に直結します。車の荷室のサイズを把握しておき、工夫して荷室をアレンジすると便利に車を活用できます。
車選びをしているなら普段の使い方でどれほどの荷室が必要なのか、また使い勝手はどうなのか実車を比較しながら選んでみてください。弊社カミタケモータースでは、新車や登録済み未使用車を販売しており、たくさんの在庫車両から比較していただけます。
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