ダイハツが発売しているコンパクトで低燃費な車であるミライースは、通勤にぴったりのモデルです。ハイブリッドシステムが搭載されていなくても、カタログ燃料消費率が優れており、実燃費も期待できる車です。
車を維持するのに必要な維持費は、購入前に知っておきたいものですが、ミライースの概算維持費はどのくらいになるでしょうか?この記事では、ミライースの維持費や維持費の節約方法を紹介します。
ミライースはどんな車?
ダイハツのミライースは、その優れた燃費性能と手頃な価格で知られています。第3のエコカーとも呼ばれ、ハイブリッドシステムが搭載されていなくても、低燃費に走行できるのがポイントです。
2WD車の一部のグレードなら、燃費効率をWLTCモードで25.0km/Lまで向上させています。
低燃費に走行できる理由は、軽量なボディと効率のよいエンジンやCVTです。熱の活用を行い、低燃費に走行できるようになりました。
燃費がよいだけでなく、基本的な安全性能と装備(スマートアシストIII)を備えています。ドライバーは安心して運転することができます。低燃費で維持しやすいだけでなく、街乗りで十分な装備も充実している車です。
ミライースを維持するのに必須でかかる費用
税金
税金は毎年4月1日時点での所有者に課税される自動車税や車検時に支払う重量税などがあります。
自動車税
初年度検査日が2015年3月以前 | 初年度検査日が2015年4月以後 | 初年度検査年月から13年が経過した車両 | ||
四輪乗用 | 営業用 | 5,500円 | 6,900円 | 8,200円 |
自家用 | 7,200円 | 10,800円 | 12,900円 | |
四輪貨物用 | 営業用 | 3,000円 | 3,800円 | 4,500円 |
自家用 | 4,000円 | 5,000円 | 6,000円 |
軽自動車には「軽自動車税」「自動車重量税」「環境性能割」の3種類の税金がかかります。
軽自動車税は、2015年3月31日以前の新車登録で7,200円、それ以降で10,800円です。13年経過した車は12,900円になります。
自動車重量税
エコカー以外 | |||||
車両重量 | エコカー | エコカー(本則税率) | 経過年数12年まで | 13年経過 | 18年経過 |
0.5t以下 | 免税 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1.0t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 | |
~1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | |
~2.0t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 | |
~2.5t | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 | |
~3.0t | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 | |
軽自動車 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
自動車重量税は車の重さによって異なり、エコカーは2,500円/年、非エコカーは軽自動車で3,300円/年です。これらの税金は市区町村や国に納められ、具体的な税額は車の種類や用途、環境性能によって変わります。
保険料
保険料には、車検のときに支払う自賠責保険と任意保険があります。自賠責保険は継続車検なら2年分、任意保険は毎年更新して加入します。
自賠責保険
軽自動車:17,540円
軽自動車の自賠責保険は、事故発生時の被害者救済を目的とした法定保険です。加入は義務で、未加入の場合は罰則があります。
保険の補償内容は、人身事故に対して無制限、物損事故に対しては最大3000万円までの範囲で補償されます。加入する際は、車検証が必要です。
任意保険
軽自動車の維持において、任意保険は重要です。自賠責保険は最低限の保障を提供しますが、それを上回る補償は任意保険によってカバーされるからです。
任意保険は事故時の物損や人身事故の補償を拡大し、相手だけでなく自身の車両の損害や運転手自身の怪我にも対応できます。また、弁護士費用や搭乗者傷害保険など、より幅広いリスクをカバーするためにも役立ちます。
車検
軽自動車を維持するためには、車検費用が必要です。車検は日本の法律で義務付けられており、安全性を保つため定期的に行われます。
通常、新車の初回車検は3年後、その後は2年ごとに実施されます。費用は車両の状態や選ぶサービスによって異なり、点検料金、整備費用、重量税、自賠責保険料などが含まれます。
整備が必要であれば、部品代や工賃が必要となりますが、安全に走行するために必要な費用です。
法定点検費
法定点検費用も必要です。車の安全性を確保するために定期的に行われる点検で、国の定めた基準に基づいています。
法定点検には、車の基本的な安全機能や走行性能をチェックする項目が含まれ、これによって車が適切に維持されていることを保証します。
車検とは別に毎年必要となるので、自分で実施しないなら維持費に含めておきましょう。
ミライースを維持するのに追加でかかる費用
消耗品や諸経費
軽自動車を維持するためには、定期的な消耗品の交換や諸経費が必要です。これにはタイヤ、オイル、ブレーキパッドなどの消耗品の交換費用や、ガソリン代、保険料、税金などが含まれます。
消耗品の交換のタイミングは、車のコンディションや走行距離、また運転の仕方によっても異なります。点検のタイミングで指摘されることもあるので、必要に応じて交換しましょう。
タイヤ(スタッドレスタイヤへ変更)
冬季にスタッドレスタイヤへの交換費用が必要です。これは、雪道や凍結した路面での安全な運転を確保するために重要です。
スタッドレスタイヤは、通常のタイヤに比べて特別なゴムやパターンを持ち、滑りにくく設計されています。そのため、積雪や凍結が始まる前には交換しておきましょう。
交換にはタイヤ自体の購入費用と工賃がかかりますが、安全運転のための必要経費となります。
高速道路
軽自動車は燃費が良く、税金も比較的低いため、日常の運転コストは抑えられます。高速料金は距離や道路によって異なりますが、高速道路を利用すると、通行料金が発生します。
ドライブや旅行に出かけるときには、高速料金が必要です。ETCを取り付けているなら、割引料金で利用できる場合があります。
修理や部品の交換
定期的な修理や部品の交換があると、部品代や工賃が必要です。消耗品の交換や故障した部品の修理は、車の性能を維持し、安全運転を確保するために重要です。
修理や部品交換にはタイヤ、ブレーキパッド、バッテリーなどの交換費用が含まれ、定期的な点検で発見される不具合に対する修理費も考慮する必要があります。
カスタム
カスタマイズを行う場合、追加の費用がかかることがあります。カスタム費用は、車の外観や性能の改善、内装のアップグレードに使われます。これには、ボディの塗装や特別なパーツの取り付け、高性能タイヤへの交換などが含まれます。
納車段階でアクセサリーがあまり装着されていないなら、後付けの形でナビなどを取り付けることも考えられるでしょう。
メンテナンス
軽自動車の維持において、メンテナンス費用は重要な要素です。軽自動車は初期購入費や維持費が低いことで知られていますが、長期的な健全な運用のためには定期的なメンテナンスが不可欠です。
メンテナンスには、オイル交換、タイヤの交換やローテーション、ブレーキパッドの点検・交換、バッテリーの検査や交換、エアフィルターや燃料フィルターの交換などが含まれます。
軽自動車は小型で燃費が良いことが多いため、部品や消耗品の価格は他の車種に比べて安価な傾向にあります。それでも、車のコンディションを維持するためにメンテナンスは必須なので、維持費に含めておきましょう。
洗車
定期的な洗車費用が必要です。洗車は、車の外観をきれいに保つだけでなく、塗装の保護やサビの予防にも役立ちます。自分で洗車をする場合は、水や洗剤の費用のみなので、負担は少ないでしょう。
時間がないときは、洗車機で洗車することもできます。水洗いなら約500円からできますし、コーティングコースも選択可能です。
プロのカーケアショップで洗車を依頼すると、より高い費用が発生しますが、専門的な洗浄とコーティングが施されるため、車をより長持ちさせる効果が期待できます。
ミライースの平均維持費
ミライースの平均維持費を見ていきます。
月額の平均維持費
- ガソリン代:5,720円
- 駐車場代:9,000円
月に必要な費用:14,720円
年間10,000km走行するとして、実燃費24.0km/Lで必要なガソリン代を計算してみます。
416L×165円=68,640円
年間で68,640円が必要です。さらに12か月で割ると、5,720円となりました。
さらに駐車場を借りるなら賃料の支払いが発生します。全国平均として、9,000円ほどが必要です。地域や条件によっても異なりますが、ここでは9,000円で計算します。
平均すると、月に約15,000円が必要です。
年額の平均維持費
年間の維持費として必要なのは、以下の通りです。
- 自動車税:10,800円
- 任意保険:50,000円
- 消耗品:5,000円
- 車検費用:20,000円
任意保険や消耗品、さらに車検費用は業者やコンディションによって異なります。
しかし平均すると、約85,800円が必要です。
維持費の節約方法は?
維持費を節約するには、自動車保険やガソリン代を抑える方法を理解しておくとよいでしょう。またメンテナンス費用を節約することでも、全体の維持費を抑えられます。
自動車保険の節約
軽自動車の維持費を節約するためには、自動車保険の見直しが有効です。保険料は車種や運転歴、契約内容によって異なります。
保険会社やプランを比較し、必要な補償に絞ることで、無駄な保険料を省くことができます。また、無事故割引やロードサービスを含まないプランを選ぶことも、コストを抑える方法の一つです。
さらに、インターネットを利用して直接保険に加入することも保険料を節約する手段です。
ガソリン代の節約
軽自動車の維持費を節約するためには、燃費向上術を身につけることが重要です。軽自動車でもミライースは、その小さなサイズと軽い重量から、燃費効率がよいという特徴を持っています。しかし、運転方法によっては、この燃費効率をさらに向上させることが可能です。
一定の速度を保つことで、エンジンが効率良く動作します。早めに巡航速度になるように加速して、一定の速度をキープできるようにしましょう。
タイヤの空気圧が低いと、燃費が悪化します。定期的に空気圧をチェックし、適切なレベルに保つことが重要です。
車内やトランクに不要な重い荷物を積んでいると、それだけ燃料を多く消費します。荷物は必要最小限に抑えましょう。
メンテナンス費用の節約
軽自動車の維持費を節約するには、メンテナンス費用の見直しが有効です。定期的な点検や小さな修理は自分で行うことで費用を抑えられます。
また、必要なメンテナンスを適時に行うことで大きな故障を防ぎ、長期的なコストを節約できます。消耗品の購入は価格比較を行い、手頃な価格の製品を選ぶことも効果的です。
専門のサービスに依頼する場合は、複数の業者の見積もりを比較しましょう。
車検代の節約
車検は法的な義務であり、特に軽自動車の場合、新車登録から数えて初めての車検は3年後、その後は2年ごとに実施されます。車検費用は車両の状態や選択するサービスによって大きく異なりますが、節約は可能です。
車の日常的なメンテナンスを怠らないことが重要です。定期的な点検と適切なメンテナンスにより、大きな修理が必要になる前に小さな問題を解決できます。車検時に大きな修理が必要なくなれば、費用を節約できます。
ユーザー車検を試してみるのもよいでしょう。「ユーザー車検」とは、自分で車検の申請を行い、必要な手続きを自分で進める方法です。専門知識が必要なため、一定の自信と経験が必要ですが、代行業者やディーラーを通さないため、費用を大幅に抑えることができます。
ライバル車との比較
スズキ アルト
スズキのアルトとダイハツのミライースの維持費を比較しましょう。スズキのアルトとミライースはジャンルとしては似ているため、維持費は似ているといえるでしょう。
燃費に影響するポイントとして、アルトはマイルドハイブリッドシステムを搭載していることです。モーターによるアシストがあるので、低燃費に走行できます。
カタログ燃料消費率は2WDモデルで、27.7km/Lにもなります。実燃費との差があるのは事実ですが、燃費計測サイトのe燃費では、約24.0km/Lの実燃費です。
ミライースとも似ている実燃費なので、維持費の面では大きな違いはありません。一方でアルトは約106万円からの車両本体価格ですが、ミライースは安全装備が付いた商用向けグレードなら約93万円からの価格です。
およそ13万円の差があるので、通勤に使うための車なら購入費用に差が発生します。
※e燃費
まとめ
ミライースは維持しやすい車です。軽自動車でも燃費がよく、毎月のガソリン代を抑えられるでしょう。ハイブリッドシステムが搭載されていなくても、軽量なボディと効率のよいエンジンで低燃費で走行できます。
人気のスーパーハイトワゴンと比較すると車内スペースでは劣りますが、維持費を重視するならおすすめのモデルです。