梅雨の時期になると、雨が多くなりワイパーを使うシーンが増えます。その際、どうしてもフロントガラスがギラギラしてしまうことがあるでしょう。
このギラギラは「油膜」と呼ばれるもので、どのような車にも付着します。定期的に除去しなければ、視界が悪くなってしまいます。
この記事では、フロントガラスに油膜が付いてしまう原因や油膜取りの方法をご紹介しましょう。
フロントガラスに油膜が付いてしまう理由
フロントガラスに付着している油膜ですが、水分と油分が混ざり合ったものです。油分は単純な油だけでなく、水分と排気ガス、シリコン成分のコーティング剤がフロントガラスに付着します。
直接フロントガラスに油分が付着するだけでなく、雨天時の走行で道路から巻き上げられた水滴に成分が含まれています。
その水分が乾燥して油膜がフロントガラスに残ってしまうのです。徐々に層となった油膜は、通常の洗車や拭き掃除では取れなくなり、雨天時の視界の悪さにつながります。
油膜を放置すると視界が悪くなる
油膜が付着すると、大気中の汚れや巻き上げられた水分に含まれる汚れがフロントガラスに付着します。
水分が乾いても、油分はどうしても残ってしまい、その油分に対向車のヘッドライトがあたると光が乱反射して視界が悪くなります。
定期的に洗車をしていたり、フロントガラスを拭いていても、見えない油分は蓄積してしまうので、定期的に油膜取りが必要です。
洗車好きな方が定期的にワックスの塗布をしたり、フロントガラスに撥水コーティング剤を塗り込んだりすると、油膜の原因となります。
フロントガラスの油膜は、車内側にも付着します。車外ほどではありませんが、定期的に掃除しなければ視界が悪くなってしまうので注意しましょう。
フロントガラスの油膜を落とす方法
フロントガラスの油膜を落とす方法を見ていきます。通常は洗剤で掃除できますが、重度の油膜になると油膜取りを使って除去していきます。
洗剤で洗う
油膜取りができる洗剤で洗浄していきましょう。スプレータイプのものがあり、吹きつけた後に拭き上げるだけで仕上げられます。
このタイプは、どうしてもシリコンが含まれていることがあり、完全な油膜除去にはならないケースがあります。
それでも、吹き付けて拭き上げるだけで、油膜を除去できるので、手軽さが魅力です。スプレータイプの洗剤で洗浄するときは、ワイパーについている汚れも拭き取るようにしましょう。
油膜取りで洗浄する
油膜を完全に除去したいときには、油膜取りを使って洗浄するのがおすすめです。油膜取りは厳密にいうと、コンパウンドタイプとケミカルタイプがあります。
コンパウンドタイプ
コンパウンドタイプは、コンパウンドで汚れを削っていく形です。セリウムなどの研磨剤が含まれている油膜取りは、汚れに絡みながら除去できます。
コンパウンドが含まれているタイプの油膜取りは、必要に応じてガラスのモールに付着しないように養生します。乾くと白くなってしまうので、モールに付着した場合はすぐに拭き取りましょう。
セットになっている、もしくは別に用意したパッドに油膜取りを塗り、ガラスを磨いていきます。
大きなガラス面は、いくつかの区画に分けて、少しずつ作業を進めるとよいでしょう。完全に乾かないように注意しながら、ガラスを磨きます。
ケミカルタイプ
油膜取りには、ケミカルで汚れを溶解するタイプも販売されています。油膜がひどくないなら、もしくは研磨剤を使って磨くのが面倒だと感じるなら、ケミカルタイプを試してみるのがおすすめです。
ケミカルタイプはガラス面に付着した汚れに作用するように、強い薬剤が使用されている商品があります。
そのため、フロントガラスの油膜取りに適していないタイプもあります。購入の前に、フロントガラスの油膜取りに対応しているか確認しておきましょう。
業者に油膜取りを依頼した場合の費用
自分で油膜取りをするのではなく、業者へ依頼した場合の費用の目安です。
業者 | 費用目安 |
ジェームズ | ガラス油膜取り 1,600円 |
オートバックス | フロントガラス油膜取り 1,650円 |
ディーラー | 5,000円前後 |
洗車業者 | 3,000円前後 |
業者によって異なりますが、上記の目安となります。業者によって施工費用に差があります。いずれにしても、自分で油膜取りを購入するなら、1,000円ほどと考えると自分でDIYするのもよいでしょう。
セットになっている油膜取りとクロスがあれば作業できるものが多いため、自分での油膜取りに挑戦してみることをおすすめします。
実際にフロントガラスの油膜取りをしてみた!
実際にフロントガラスの油膜取りをしてみました。
10年落ちの車なので、比較的メンテナンスされている車とはいえ、しっかり油膜もついています。
ワイパーの拭き筋がありますし、フロントガラスの端にはうろこ汚れもあります。ちなみに、サイドのガラスにはうろこもしっかりあるほどです。
まずは泥や砂の汚れを取りましょう。洗剤を使って汚れを落としておきます。汚れを落とした後でも、上部のガラスのように油膜やうろこが残っています。
汚れが除去できたら、油膜取りをしていきましょう。
今回使うのは、キイロビン。油膜取りの定番商品です。
付属のスポンジにキイロビンを取り、塗り広げていきます。
塗り広げると、最初は撥水の状態になりますが、こすっていくと徐々に撥水ではなくなります。
この状態になって初めて油膜が取れている状態です。他の部分も撥水ではなくなるまで、塗り広げて、こする作業を進めます。
フロントガラス全体の油膜取りが完了すれば、水で洗い流します。念のために、再度洗車しておくと余剰成分を落とせるのでよいでしょう。
完了後のフロントガラスを見てみると、油膜はほとんど落とせていますが、うろこが残っているのが分かりますね。
油膜取りはあくまでも油膜取りです。頑固なうろこは、うろこ取りを使って作業する必要がありそうです。
油膜を取った後のフロントガラスは、ガラコを塗るとしっかり撥水しました。
油膜が付かないようにする方法
油膜が付かないように、普段から気をつけられるポイントをご紹介します。
日常的に拭き掃除する
フロントガラスは、透明なので汚れがついていないように感じますが、定期的な拭き掃除は大切です。
洗車と同じように、汚れが蓄積されると落とすのが難しくなります。油膜がついていたとしても、軽度なものなら洗浄すると落ちることもあります。
定期的に拭き掃除する習慣を身につけるようにしましょう。
撥水コーティングする
撥水コーティングしておくのもおすすめです。本格的なものでなくても、カー用品店で手に入れられる撥水コーティングをしておくだけでも、油膜がつきにくくなります。
数百円で購入できますし、洗車や拭き掃除をした後に塗り広げて、から拭きをするという簡単な施工方法です。
撥水コーティングをすれば油膜が完全につかなくなるわけではないですが、油分をガードする期待ができるので、試してみるのをおすすめします。
フロントガラスのコーティングはどう?
油膜をつきにくくする方法として、フロントガラスのコーティングがありますが、どれほど効果があるでしょうか?
フロントガラスのコーティングには、手軽にできるカー用品店で手に入れられるコーティング剤の他に、専門店でプロに施工してもらうコーティングがあります。
カー用品店のコーティング剤は手軽に施工できる分、施工のサイクルは短めです。
一方で専門店でのコーティング剤は、費用がかかりますが、DIYするよりも効果が長続きすると期待できます。
費用対効果で好みのコーティングを選択できます。コーティングをしておけば、油膜がフロントガラスに付着するのを防ぎますし、次回の油膜取りも容易になります。
定期的にフロントガラスをリセットして快適な視界を
フロントガラスに油膜はどうしても付着してしまいがちです。撥水コーティングを施工していても、少しずつ油膜はついてしまうものです。
カー用品店では、簡単に油膜を除去できるアイテムが販売されていますので、定期的に油膜を除去してすっきりとした視界を確保しましょう。