オイル漏れとは?原因や応急処置する方法、修理費用の目安を解説!

オイル漏れ

車を維持していると、不具合が発生して修理が必要になることがあります。よくある故障の1つにオイル漏れがありますが、放置しておくとエンジンがかからなくなるほど深刻な問題になるケースもあります。

オイル漏れを早期発見して、適切な対処が車のコンディションを維持するのに大切です。とはいえ、オイル漏れといってもエンジンの外部だけでなく、内部で漏れが発生していることもあります。

この記事では、車のパーツを保護するのに重要なオイルが漏れる原因や対処方法をご紹介します。

この記事のポイント

  • 2種類あるオイル漏れ
  • オイル漏れの原因
  • オイル漏れを特定する方法
  • オイル漏れの修理費用の目安
目次

オイル漏れとは?

エンジン

オイル漏れとは、エンジン内部を潤滑させたり、熱を吸収したりするエンジンオイルが漏れてしまうことです。オイルが漏れてしまうと、路面にオイルが流れ出てしまうだけでなく、エンジンを潤滑させることできなくなり、最悪の場合には引火して車両火災の原因になりかねません。

エンジン内部にオイルがない状態になると、エンジンが焼き付いて走行できない状態になります。

オイル漏れは2種類

オイル漏れは、大きく分けると2種類あります。

  • 内部漏れ
  • 外部漏れ

目視できるものと、外部の状況から判断するものがあるため、どのような理由でオイル漏れが発生するのか理解しておくのは大切です。

内部漏れ

エンジンの内部にオイルが染み出すことがあります。外部に漏れないので、オイルが漏れたことに気が付きにくいですが、マフラーから白煙が上がることがあります。また排気ガスのにおいが焦げたような感じになります。

これは、漏れ出たオイルがガソリンと燃焼してしまうからです。また、オイル量をよく確認して、エンジンオイルが減っていることが多いなら内部漏れを疑ってもよいでしょう。

ゴムのパッキンやオイルシールに問題なくてもオイル漏れすることがあります。内部漏れは判断しにくいですが、エンジンに深刻なダメージを及ぼす可能性もあるため、定期的なチェックをしてオイル漏れを早期発見しましょう。

外部漏れ

オイル漏れ

外部漏れは、エンジンオイルが外に漏れ出している状態です。よく見かけるのは駐車場で車の下にオイルがたまってしまっていたり、染みが発生していることです。

オイル漏れ傷

例えば、上記の写真はカムシャフトの線キズが原因となったオイル漏れの例です。滴り落ちる前の状態で、オイルシールなどのゴムの部分からオイルがにじみ出ていることもあります。いずれにしても、外部漏れは注意深く確認しているとオイル漏れを発見できます。定期的にボンネットを開けて、エンジンルームの中の特にヘッドカバーやシリンダーブロックの間を確認しておくと外部漏れを確認できるでしょう。

オイル漏れの原因

オイル漏れの原因となる部品をご紹介しましょう。

バルブシール

バルブシールは、燃焼室に入る空気を制御しているバルブの部分にあるシールです。ステムシールとも呼ばれますが、ゴムでできているため経年劣化やオイルの管理不足でオイル漏れを引き起こしてしまいます。

バルブシールからの漏れは内部漏れに該当するので、オイル漏れを判断するのが少し難しいでしょう。しかしオイル量を確認したり、排気ガスをチェックしておくと、問題がないか確認できます。

ピストンリング

ピストンリングが摩耗していくと、やはりオイル漏れを引き起こします。ピストンリングは、シリンダーとピストンの隙間にある金属のパーツで、燃焼室にオイルがいかないようにしています。

ピストンリングが摩耗してしまい燃焼室にオイルが上がってしまうのが「オイル上がり」です。エンジンオイルがガソリンと共に燃焼してしまうのでオイル量が減少します。バルブシールからのオイル漏れと同じように、エンジンオイルが減っていることに気がつきにくい要因です。

オイルパン

オイルパンはエンジンの下部にあり、エンジンオイルを溜めている部分です。エンジンの下にある蓋のようなパーツですが、ここが破損するとオイル漏れが発生します。オイルパンの破損以外にもガスケットが劣化すると、隙間からオイルがにじみ出てくることもあるでしょう。

他の要因と比較すると通常走行で破損することは少ないものの、障害物にぶつけてしまったり、ボディ下部に錆が発生しているなら注意しておきたい部品です。

ガスケット

オイル漏れ タペットカバーパッキン
タペットカバーパッキンからのオイル漏れ

ガスケットはエンジンの随所に使われているゴムなどのパーツです。主に金属パーツ同士の接合部に使用されており、エンジン内のオイルが外に漏れないようにしています。また外部から異物が入らないようにしている部品でもあります。

金属は経年劣化しにくいですが、ガスケットはプラスチックやゴムなどでできているので、使用環境に関係なく経年劣化は避けられません。使用されている素材や使用環境によって異なりますが、劣化が進むとオイル漏れの原因となります。

ドレンボルト

オイルパンの下部にあり、オイル交換の際に開閉するボルトです。オイル交換の度に取り外して、再度締めることになりますが、締めすぎても、緩すぎてもオイル漏れの原因となります。

ドレンボルトにはワッシャーが使用されていることが多いですが、基本的に再使用不可の部品なのでオイル交換のたびにワッシャーは交換します。使いまわしてしまうと、密着が足りないことからオイル漏れが発生しかねません。

またドレンボルトを締めすぎてしまうと、ボルトを受けるオイルパンのねじ山がつぶれてしまい、やはりオイル漏れが起きてしまいます。適切なトルクでボルトを締める必要があります。

オイル漏れ箇所を特定する方法

整備士でなくても、オイル漏れの箇所を特定して原因を予測できます。

以下の手順で確認していくと、おおよその状態をチェックできます。

  1. オイル漏れの位置
  2. オイルの状態
  3. オイルゲージの確認

それぞれの方法をさらに詳しくご紹介します。

1:オイル漏れの位置を確認する

駐車スペースにオイルの染みがあるなら、オイル漏れの位置をチェックしてみましょう。エンジンオイルの染みがエンジンルームのどこに位置しているかで、エンジンオイルが漏れている場所を見つけられます。

普段は駐車しているスペースなら、少し車両をずらした状態でエンジンルームの真下を見てみます。中央からずれているのか、それともエンジンルームの真下にオイルがあるのかでも、オイル漏れの位置が特定できるでしょう。

この時点で漏れているオイルの量が多いのであれば、エンジンをかけることで故障につながることも考えられるため、レッカーすることをおすすめします。

2:オイルの状態を確認する

オイル漏れが少しでもあるなら、オイルの状態を確認しておきましょう。もし黒ではなく色が付いているのであれば、オイルではなくエンジン冷却水の可能性があります。オーバーヒートする可能性があるため修理が必要ですが、オイル漏れではありません。

オイル漏れが発生しているときには、焦げたような液体で、黒や茶色の粘度があるものが見つかります。粘度が低いオイルであれば、小さな染みしかないこともあるでしょう。

色が濃い液体で、オイル状ならオイル漏れの可能性があるので対策や修理が必要です。まれにオイル上がりの症状がひどくなると、マフラーからオイルが出てくることがあります。車両全体をよくチェックしておくとよいでしょう。

3:オイルゲージを確認する

外部漏れや内部漏れが発生していても、漏れている量が少ないときには、外から確認できないこともあります。しかしオイルゲージを確認しておけば、オイル量で漏れを早期発見できます。

オイルゲージはエンジンが冷えている状態で確認しておき、オイルの消費が早いならばオイル漏れを疑うとよいでしょう。もしオイルレベルが下がっているなら、オイルを足しておきます。

オイル漏れの応急処置

オイル漏れを発見した場合にどのように応急処置をすればよいのか見ていきましょう。

1:オイルを足して様子を見る

オイルの染みが少ししかない場合には、大きな漏れに発展しないこともあります。パーツクリーナーなどで漏れている部分をふき取り、そのまま様子を見ておくことも可能です。

またオイルゲージを確認して、少しオイル量が少なくなっているならオイルを足してみることもできるでしょう。しばらく走行してからオイルがにじみ出ていないか、またオイルが少なくなっていないか判断してみます。

2:粘度の高いオイルにしてみる

粘度の高いオイルに交換してみるのもオイル漏れの対処方法です。エンジンオイルは「10W-30」などのように数字でオイルの硬さを表記しており、右側の数字が大きいものほど高温でも粘度を保つオイルです。

エンジンが温まった状態でも粘度があるので、ピストンリングとシリンダーの間、さらにオイルシールの隙間を密着させてくれます。しかし粘度が高いオイルは、エンジン負荷がかかったり、本来の性能が発揮されずに燃費が落ちるなどの弊害があります。他の対処方法を選択肢に含めながら対処してみましょう。

3:添加剤を入れてみる

添加剤を入れておくこともできます。エンジンオイルに入れる添加剤は、オイルと混ぜてエンジン内部に作用させるものです。エンジンオイルを硬くしてオイル漏れを防ぐ効果が期待できます。

しかしオイルシールの劣化が激しかったり、添加剤では対応できないほどオイル漏れがあるならさほど効果は期待できません。オイル漏れの初期の対処方法として覚えておきましょう。

4:整備工場に持ち込む

路面に少しの染みが発生している程度のオイル漏れで、水滴が落ちていないなら自走できるため、整備工場に持ち込んで原因を特定してもらいます。他の対処方法と異なり、確実にオイル漏れの原因を特定できるので、安心できる方法です。

整備工場の順番によってはすぐに診てもらえないことがありますし、修理に時間がかかる場合もあるでしょう。その場合には、上の見出しの対処方法を活用しながら、部品交換まで走行できます。分解の時間はかかりますが、走行中に故障する心配がないため、確実な方法です。

5:ロードサービスを依頼する

すでにオイル漏れが激しいのであれば、ロードサービスに依頼してレッカー移動してもらうのがよいでしょう。オイルが入っていない状態で走行すると、エンジンが焼き付いてしまいオーバーホールに時間と費用がかかることがあります。

場合によってはエンジンの修理ができないほど損傷してしまうこともあるため、走行しない方がよいケースもあるでしょう。オイルパンの損傷など、走行の危険があるオイル漏れなら、すぐにロードサービスを利用するのがおすすめです。

オイル漏れの修理費用の目安

費用

オイル漏れの修理費用の目安をご紹介しましょう。オイル漏れの度合いによって異なりますが、数千円で対処できるものから、オーバーホールのように20万円以上もかかる場合があります。

ボルトの締め直しなら数千円

オイル漏れをしている場所がボルトの周りであれば、ボルトの締め直しをするだけで対処できるので数千円で済むでしょう。ワッシャーを交換してもそれほど費用がかからないので、すぐに対処できます。

ボルト部分からオイル漏れしているなら、前回の締め付けが規定トルクでない可能性があるため、整備のプロに規定トルクで締め付けてもらう方が安心です。

添加剤やオイル交換も数千円

オイル漏れがひどくないなら添加剤や粘度が高いオイルに交換するだけでもよいでしょう。いずれも数千円の費用でできる対処です。また添加剤であれば、カー用品店で購入して自分で添加剤を混ぜることもできます。

オイルの粘度を上げてシールの弾力性を回復させる効果があります。添加剤やオイル交換で対応できなくなってから修理を検討できるでしょう。

オイルシールの交換は部品による

オイルシールが劣化しているなら交換が必要となりますが、これは部品によって費用が大きく異なります。部品がすぐにアクセスできる位置にあれば数万円で交換できますが、たくさんの部品を外す必要があるなら、工賃が高くなり10万円ほどかかることもあるでしょう。

交換に時間もかかる可能性もありますし、同時に交換しておいた方が良い部品も出てくることも多いため、整備工場と相談して修理しておくことをおすすめします。

エンジンのオーバーホールなら20万円以上

エンジンブロックやシリンダーヘッドのガスケットなどが劣化していたり、オイル下がりやオイル上がりがあると、エンジンのオーバーホールが必要となることもあります。エンジンを取り出して、劣化している部品を交換するので、20万円以上の費用がかかります。

思い入れのある車であればオーバーホールを検討できますが、走行距離やボディの状態によっては乗り換えを検討する方もおられるでしょう。

オイル漏れを放置できない理由

電球

オイル漏れを放置できない理由を見てみましょう。車検の基準を満たさないだけでなく、放置しておくことで修理費用がさらに高額になる可能性もあります。

車検に通らない

オイル漏れしている車両は、安全に走行できないので車検の基準を満たしていません。車両の下部もチェックするため、エンジン回りからオイルのにじみがないか確認されます。オイル漏れがあるなら、車検に通らないため事前に修理が必要です。

車検に通らない車両を運転していると「整備不良」と判断される可能性もあります。軽微なオイル漏れで違反切符を切られることはないとは思いますが、重大な事故につながる危険性もあるため放置しないことをおすすめします。

修理費用が高額になる

オイル漏れを放置しておくと、他の不具合が生じることがあり、修理費用が高額になる可能性もあります。オイル漏れが発生した段階で修理しておくなら、故障が大きくならない段階で交換できます。

もちろんオイル漏れはオイルシールが劣化したことが大きな原因なので、同じ時期に似たような部品が劣化している可能性もあるでしょう。しかしオイル量が減少した状態で走行すると、エンジンに負担を与えたり、シリンダーに傷が入る可能性もあります。そのため、早い段階で整備しておくと安心できます。

まとめ

オイル漏れの原因や対処方法をご紹介してきました。一口にオイル漏れと言っても、原因はさまざまありますし、オイル漏れがどれほどひどいかによって対処方法も異なります。

日頃から車をよく点検しておくと、異常に早く気が付くことができ、早く修理できるでしょう。ボンネットを開けてエンジンオイルが減っていないか、エンジン回りにオイルの染みがないかよく確認しておきましょう。

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