なぜわざわざ隣に停める?トナラーの心理と対策方法

トナラー

大きな駐車場には車を停める十分なスペースがあるでしょう。しかし不思議なことにガラガラの駐車場なのにあえて隣に駐車する人がいます。

一般的にはトナラーと呼ばれる存在ですが、なぜわざわざ隣に停めるのでしょうか。この記事ではトナラーとは何か、その心理や対策方法をご紹介します。車好きなら愛車を守るために知っておきたい情報もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。 

目次

トナラーとは?

トナラーとは正式な定義があるわけではありませんが、周囲が空いているのにあえて隣に座ったり駐車したりする人のことをいいます。

車を隣に停める「トナリング」という行為から、「駐車場で隣に止める」だけでなく、電車やバスなど椅子に座る場合でもトナラーと呼ぶ場合があります。 

トナラーの心理とその理由

トナラーは意識的に行なっている場合と、無意識のうちに行っている2つのケースに分けられるようです。

意識的なものは、あえて隣であると理解しながら駐車したり隣に座ったりすることです。場合によっては、「すぐ近くに座ったり駐車したりすることで不快感を与えることを理解しながらも気にしない」というケースもあります。

意識的に駐車する場合でも、隣の車を目印にしている場合もあるでしょう。分かりやすいボディカラーや目印となりやすい車であれば、自分が見つけやすいために隣に駐車することも考えられます。高級車であれば「隣に停めて近くで見たい」と思って、トナラーのターゲットとなる可能性もあります。

無意識のうちに行なっている場合は、広い駐車場の中で隣に誰かが駐車していれば安心と感じる人もいるようです。また、整列していれば安心できるので綺麗に並ぶように駐車したい方もおられます。

このようなケースでは、相手を傷つけたり嫌がらせをしたいというよりも無意識のうちに並びを考慮して駐車してしまうようです。

トナリングは病気の可能性もある?

車好きであれば気になるトナリングですが、トナリングを行う人が病気という可能性はあるでしょうか。

結論からすると、外見からは判断できないものの本当に病気を抱えているという場合もあるようです。たとえば広場恐怖症という、車や隣の椅子に何かがないと落ち着かないという人もいます。

精神的に不安を抱えていて緊張しすぎたり、動悸などの体の不調に繋がってしまうため、隣に駐車したり座ったりしたいと感じる方もおられます。

もちろん、隣に駐車したり座ったからといって全ての人が病気というわけではありませんが、中にはこのような恐怖症を抱えておられる方もおられるのです。

車好きであればトナラーに遭遇すると不快感を覚えてしまいますが、病気を抱えている可能性を考えると気分を落ち着かせられるのではないでしょうか。

なぜトナラーに不快感を覚えるのか   

なぜトナラーが近くにいると不快感を覚えるのでしょうか。人間にはパーソナルスペースという心理的な距離感を保つ能力があります。 

しかし、このパーソナルスペースというのは人によって感覚が異なります。近くにいても気にしない方もおられますし、パーソナルスペースが広く近づいただけで不快感を覚えてしまう方もおられるのです。

トナラーはどちらかというと「パーソナルスペースを確保することに無頓着な人」といえるかもしれません。既述したように、場合によっては広場恐怖症などのように一種の病気を抱えている可能性もあるため一概に判断できないものの、パーソナルスペースの確保に気を配らない方です。 

普通の感覚を持っているなら、状況を判断して不必要にパーソナルスペースを詰めないことが多いでしょう。この感覚の違いが不快感を覚えさせる原因となるのです。

隣に駐車すると何が不便?

駐車スペースはどこに駐車しても問題ないはずですが、なぜ隣に駐車されると不便に感じるのでしょうか。

駐車スペースが限られている場合、隣に駐車されるとドアが開きにくいという現実的な不便さがあるかもしれません。荷物を持っていたり開口口が狭かったりすると、乗り降りがしにくくなります。

車によってはスライドドアを搭載しているため、それほど問題ない場合もあるでしょう。しかし車種によっては、ヒンジドアをしっかり開けないと乗り込みしにくいこともあります。

また駐車スペースが狭い場合は、隣に車が駐車していると出庫しにくいこともあるでしょう。これらは駐車場の配置やスペースによって異なりますが、隣に駐車されると本来ない不便さを感じることもあるのです。

人によって感覚が異なるのが難しい

トナラーの問題となるパーソナルスペースですが、これは個人の感覚なので人によって個人差があるのが特徴です。性別や年齢によってもパーソナルスペースが変化していくため、車の駐車にも影響するでしょう。

たとえば一般的なパーソナルスペースの違いとして、前向きで社交的な人は狭めになり、縄張り意識や警戒心が強いとパーソナルスペースが広くなります。

これは運転していてどこに駐車するかを選択する場合にも影響するでしょう。この他にも性別によっても、どの方向にパーソナルスペースがあるのかが異なる場合もあるようです。

パーソナルスペースが個人によって異なるという要素の他にも、駐車スペースの利便性の違いもあるでしょう。

たとえば駐車スペースが広々していて隣に駐車しなくてよいと感じていたとしても、店内に入るのに近いスペースに停めたいなどのケースです。天候が悪ければすぐに店内に入れる位置に駐車したいと思いますし、そうする方がほとんどでしょう。

しかし、パーソナルスペースが広く隣には停めてほしくない人にとっては、少しでも離れて駐車して欲しいと感じるのです。 

車好きが気になるトナラー

トナラーの概要やどのような心理なのかを見てきましたが、車好きはトナラーが気になるものです。

車にそれほど関心がない人に比べると、愛車を大事にしたいと思うために車が傷つくリスクを少しでも減らしたいからです。

ドアパンチが気になる

トナラーと感じるスペースに駐車するということは、駐車スペースが狭い場合が多いでしょう。駐車場によっては車と車の距離が近い場合もあるからです。

車好きはこのような駐車場ではドアパンチが気になるものです。車との距離が近ければ、隣の車に乗車する際にドアが愛車のボディを傷つける可能性があります。 

逆に綺麗に維持している車の隣であれば、「自分の愛車を傷つけられないのでは」と期待して隣に車を停める場合もあるようです。このケースでは、自分がドアパンチで車を傷つけないか気を配る必要があります。

自分の車を傷つけられるか心配になるとしても、逆に傷つけないか気を配るとしてもどちらもドアパンチのリスクがあります。

いたずらに警戒したい

ガラガラの駐車場で1台だけポツンと停まっていると、車にいたずらされるのではないかと警戒する場合もあるようです。

このような心理を持っている人がいると、あえて自分の愛車に近い位置に駐車する場合もあります。 

いたずらが気になる心理も理解できますが、駐車場の他のスペースがあるなら近くに車を止めることで死角ができてしまいます。

車のイタズラ防止として最善の方法とはいい難いため、あえて隣に停めてほしくないと思うのが車好きの心理です。

無意識な運転に警戒

トナラーになるということは、あまり周りの状況に注意を払わない人の可能性が高いでしょう。そのため車の入出庫の際に愛車を傷つけられるのではないかと心配になります。

もちろん駐車してしまえば車を移動させることがないとしても、狭い駐車場の出入りでは傷つけられるリスクがあるためトナラーは避けたいと思うものです。

トナラーに近い?アケラーとは?

空いているスペースがあるのにすぐ隣に駐車するのがトナラー、その逆に「アケラー」という言葉もあります。

これは適切な車間距離よりも更にスペースを空ける人のことです。車間距離があればあるほど急ブレーキにも対応できますし停車中でも後方から追突された時に被害を軽減できるので車間距離は必要でしょう。

しかし場合によっては車の数台分ものスペースを空けてしまう方もおられるようです。もちろん車間距離が空いていることに問題はないため、アケラーと呼ばれる必要はないのかもしれません。

道路を走行する際は円滑な流れができることが前提のため、車間距離が空いていること自体は問題ありません。しかし片道一車線道路などで過度に車間距離を空けて走行すると、後方を走っている車がイライラしだして無理な追い越し走行の原因になりかねません。

つまり車間距離は空けすぎても狭すぎてもよくないのです。走行状態に合わせて適切な車間距離をあけることが、周りのドライバーにイライラさせることなくスムーズな流れを促進します。 

対策するには?トナラー対策

愛車を守るために、トナラー対策が重要です。特に初心者ドライバーは、スマートフォンなどのデバイスに気を取られたり、駐車スペースを探すのに集中して周囲の状況に注意が向かない傾向があります。

対策方法となる駐車の仕方をして、トナラー対策ができるでしょう。

【対策方法】入り口付近に駐車する

狭い駐車場は道路も狭かったり、出入り口の幅が広くないため、車の通行が困難な場合があります。そのため、入り口付近で駐車する際には、周囲の状況をよく確認する必要があるでしょう。

まず、周囲の駐車スペースや幅の広さを確認しましょう。入り口付近は幅が狭くなっているので、駐車するのを控える方も多いです。そのため、近くに車を停めたいというトナラー対策になります。

入り口付近は、車や歩行者の出入りもあるので、周囲の車両や歩行者に注意を払いながら、安全に駐車するようにしましょう。入り口付近は、車の出し入れが多く行われるため、事故につながる可能性もあります。

【対策方法】あえて斜めに駐車する

トナラー対策としてあえて斜めに駐車するのもよいでしょう。駐車場に入ってスペースを探すときの心理では、斜めに駐車している車を見つけるとどうしても身構えてしまうため、隣に駐車するのを避けようとします。

その心理をトナラー対策として利用します。周りに駐車スペースが空いているなら、あえて斜めに駐車してみましょう。注意点として、狭いスペースしかないにも関わらず斜めに駐車しないようにしたり、出入り口付近など他の通行に妨げになる箇所ではまっすぐに駐車します。

全体の状況を見て判断しながら、可能であれば斜めに駐車するならトナラー対策となるでしょう。

トナラーには注意しながら愛車を守ろう

トナラーは、あえて隣に駐車してくる人のことですが、対策しておけばトナラーの駐車を避けられるでしょう。もちろん駐車スペースが広ければ問題ないものの、狭い駐車場なら隣に駐車するのは仕方がないといえます。

状況によってはトナラーは完全に防ぐことはできないため、隣に駐車されるのは仕方がないことを覚えておきましょう。

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