タイヤのパンクは、予期せぬタイミングで発生することがあり、ドライバーにとって大きな不安要素です。しかし、パンクの原因を知り、適切な修理方法を理解することで、冷静に対処できるようになります。
この記事では、タイヤパンクの主な原因や自分でできる修理方法、プロに依頼すべきタイミングまでを詳しく解説します。
パンクが起きた際の備えとして、どのような状況でも対応できるようにするための知識をまとめました。ぜひ最後までご覧ください。



タイヤがパンクする主な原因

タイヤがパンクするおもな原因は、以下のとおりです。
【タイヤがパンクするおもな原因】
- 異物が刺さる
- タイヤの劣化
- タイヤの損傷
一般的に見られるいくつかの要因を知っておくことで、予防や早期発見が可能です。
異物が刺さる
タイヤパンクのもっとも一般的な原因は、道路上の異物がタイヤに刺さることです。釘や金属片、ガラス片などは、走行中にタイヤに食い込み、徐々に空気が漏れてパンクに至ります。
このような異物は視認しづらいため、知らない間にタイヤにダメージが蓄積していることがよくあります。
高速道路や工事現場の近くを走行する際は、とくに注意が必要です。異物が刺さったまま走行を続けると、タイヤの内側により損傷を引き起こす可能性が高いです。最悪の場合、タイヤ全体の交換が必要になります。
タイヤに異物が刺さった場合は、すぐに修理するか交換を行い、さらなる被害を防ぐことが大切です。
タイヤの劣化
タイヤは長年の使用や環境要因によって徐々に劣化します。とくに、紫外線や気温の変化にさらされ続けると、ゴムが硬化し、ひび割れや変形が発生しやすくなります。
劣化が進むと、外部からの衝撃や負荷に対してタイヤが脆弱になり、結果としてパンクしやすくなるわけです。
とくに使用年数が5年以上経過したタイヤは、劣化が進んでいる可能性が高いため、定期的な点検と交換が必要です。また、保管場所や車の駐車環境もタイヤの寿命に影響を与えます。
保管する場合は、直射日光の当たらない涼しい場所に駐車することが望ましいです。タイヤの表面にひび割れが見られる場合は、早めに交換を検討しましょう。
タイヤの損傷
タイヤの損傷は、路面の凹凸や縁石への衝突、急激な圧力変動によって引き起こされることが多いです。
とくにタイヤの側面は薄く、衝撃に弱いため、意図せず縁石にぶつけたり、急激な走行中に衝撃を受けたりすると、裂けたり膨らんだりすることがあります。このような損傷は、タイヤのトレッド部分(接地面)ではなく側面に生じるため、自力での修理は困難です。
また、側面に損傷がある場合は走行中にタイヤがバーストするリスクが高まるため、早急な対策が必要です。
タイヤの側面に膨らみや裂け目が見られる場合は、速やかにタイヤ全体を交換することをおすすめします。
タイヤパンク修理の方法

仮に、タイヤがパンクした場合は、コストを抑えるためにも自分で修理するとよいでしょう。
具体的には、以下のとおりです。
【タイヤパンクの修理方法】
- パンク修理キットを使う
- スプレーを使って修理する
いずれも簡単にできるので、修理が必要な人は必見です。
パンク修理キットの使い方
タイヤのトレッド部分(接地面)に異物が刺さったなどの軽度のパンクは、パンク修理キットを使って自力で修理できます。パンク修理キットは、市販されている簡単な工具セットで、誰でも手軽にパンクの応急修理が可能です。
Amazonにも販売されており、2,000~4,000円程度で購入できます。修理キットには、以下のようなものがセットになっています。
【パンク修理キットのセット内容】
- パンク個所を拡張する工具
- 修理用のラバー
- 接着剤
まずは、タイヤに刺さっている異物を取り除きましょう。
そして、穴を拡張して修理用のラバーを差し込みます。この際、パンク修理用の接着剤を使用してラバーをしっかりと固定し、修理箇所が完全に塞がるようにします。
修理が完了したら、タイヤの空気を再度充填して走行可能な状態に戻しましょう。しかし、キットによる修理は一時的な処置なため、できるだけ早く内面修理を受けることが推奨されます。
スプレータイプで修理する
スプレータイプのパンク修理剤は、パンク箇所に直接スプレーを噴射し、内部の空気漏れを一時的に防ぐ応急処置です。
スプレー剤はタイヤのバルブから注入され、タイヤ内の空気圧を復元する効果があります。修理剤がパンク箇所に行き渡ることで、内部の穴を塞ぎ、一時的に走行可能な状態に戻ります。またスプレータイプのほとんどは、使い切りタイプです。
しかし、スプレータイプの修理も長期間の走行には向いておらず、あくまで最寄りの修理工場まで安全に移動するための応急措置です。
使用後は、早めにタイヤの状態を確認し、内面修理や交換をおこないましょう。
一時的な修理と内面修理の違い
一時的な修理は、パンク箇所に応急処置を施し、走行を続けられるようにするものですが、長距離や高速走行には向きません。一方、内面修理は、タイヤの内部からしっかりと補強をおこなうため、通常の走行を継続できます。
内面修理は専門的な技術が必要であり、プロに依頼する必要があります。
パンク発生後、安全に長く使用するためには、応急処置に頼らず、速やかに内面修理をおこなうことが大切です。
また、パンクの程度や場所によっては、修理が不可能な場合もあるため、プロによる点検が必要になります。
タイヤパンク修理が依頼できる店舗

パンク修理が自力でできない場合、店舗への依頼が無難です。
その際は、以下を利用しましょう。
【タイヤパンク修理が依頼できる店舗】
- ディーラーや修理工場
- ガソリンスタンド
- ロードサービス
- カーショップ
修理を検討している人は、参考にしてください。
ディーラーや修理工場
ディーラーや修理工場は、タイヤパンク修理の信頼できる方法の一つです。
車を購入したディーラーに持ち込むことで、車両の詳細な履歴を把握した上で、適切な修理が行われます。
ディーラーはメーカー指定の修理方法やパーツを使用するため、車のパフォーマンスを最大限に保ちつつ修理を進められます。また、修理工場も専門の技術者が揃っており、熟練の技術でパンク修理をしてくれるので安心です。
修理工場では、パンクの原因を特定し、内面修理やタイヤ交換が必要な場合も迅速に対応してもらえます。
料金はディーラーや工場によって異なりますが、一般的にはタイヤ1本あたり2,000円から5,000円程度が相場です。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも、簡単なパンク修理を行っているところが多くあります。とくに、軽度のパンクや空気漏れの修理であれば、ガソリンスタンドで対応可能な場合が多いです。
スタンドでは、パンク修理キットやスプレータイプの修理剤を使用して応急処置を行います。また、空気圧のチェックや簡単なタイヤメンテナンスも行えるため、日常のメンテナンスとしても便利です。
しかし、内面修理や大きな損傷がある場合には、ガソリンスタンドでは対応できないことが多く、専門の修理工場やディーラーへの持ち込みが必要になります。
ガソリンスタンドでのパンク修理は、場所にもよりますが、1,000円から3,000円程度で行われることが一般的です。
ロードサービス
タイヤがパンクして動けなくなった場合、ロードサービスを利用することも一つの手段です。
自動車保険に付帯されているロードサービスや、JAFなどの会員サービスを利用すれば、現場に駆けつけて応急処置を行ってもらえます。
ロードサービスでは、スペアタイヤへの交換や応急的なパンク修理がおこなわれます。、
会員制のサービスでは、年会費内での対応が可能なため、日常的にロードサービスに加入しておくと、急なトラブルでも安心です。

カーショップ
カーショップも、タイヤパンク修理を専門的におこなっています。幅広い車種やタイヤに対応できるため、急なパンクでも安心して修理を依頼できます。
また、カーショップではタイヤ修理だけでなく、タイヤ交換や新しいタイヤの購入も可能です。
とくに、タイヤが摩耗している場合や、パンクの損傷が大きい場合には、修理ではなく新しいタイヤへの交換が必要になることもあります。カーショップでは、最新の設備と豊富なタイヤ在庫が揃っているため、タイヤの状態に応じて修理か交換かを選択可能です。
修理費用は店舗によって異なりますが、一般的には2,000円から5,000円程度です。
プロに依頼すべき場合と費用

パンクの状況によっては、自分で修理することができない場合があります。
ここでは、プロに依頼すべき状況とその際の費用について詳しく解説します。
自分で修理できないパンクの種類
タイヤの側面にパンクが発生した場合や、大きな穴が空いている場合は、自力での修理は厳しいです。とくに、側面の損傷は修理不可能なことが多く、タイヤ全体を交換しなければなりません。
そのほかにも、以下のケースは自分で修理できないため、業者依頼やタイヤ交換が必要です。
【自分で修理できないパンク修理の例】
- タイヤ内部に深刻なダメージがある
- ゴムが全体的に劣化している
さらに、パンク後に長距離を走行してしまい、タイヤ内部のワイヤーや構造が損傷した場合も、タイヤの交換が必要となります。
こういったケースでは、無理に自分で対処せず、早急にプロの点検と修理を依頼したほうがスムーズです。
パンク修理の費用相場と修理時間
パンク修理の費用は、修理の種類や損傷の度合いによって異なりますが、一般的な内面修理の場合、1本あたり2,000円から5,000円程度が相場です。また、タイヤ全体を交換する場合は、タイヤのサイズや種類によって価格が異なり、1本あたり5,000円から2万円程度かかることがあります。
修理にかかる時間は、内面修理であれば30分から1時間程度です。
タイヤの交換が必要な場合でも、修理工場では迅速に対応してもらえるため、事前に予約をしておくとスムーズです。
修理費用や時間については、事前に見積もりを取っておくことをおすすめします。
また、タイヤの購入費を抑えたい場合は、ネットで注文することも一つの方法です。
楽天やAmazonでは、各メーカーのタイヤが販売されています。カーショップで購入するよりも安価なので、コスパよく交換したい人におすすめです。
また、事前に業者や整備工場に連絡を入れておけば、配送先を修理する場所に指定できます。
タイヤの状態では修理できないケースもある

タイヤが損傷している場合、すべてのパンクが修理できるわけではありません。たとえば、以下の場合は、修理ではなく交換することになります。
【修理ではなく交換するパターン】
- タイヤの摩耗が進んでいる
- 側面が損傷している
特に、側面に裂け目が入った場合や大きな裂傷がある場合は、タイヤ自体の強度が損なわれているため修理は不可能です。この場合、無理に修理を行わず、新しいタイヤに交換しましょう。
また、タイヤの年数が経過している場合は、修理しても再び問題が発生するリスクが高いため、タイヤ全体を交換する方が安全です。
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タイヤパンクを予防するためのポイント

タイヤのパンクを予防するためには、いくつかポイントがあります。
それぞれ紹介すると、以下のとおりです。
【タイヤパンクを予防するためのポイント】
- 定期的な空気圧のチェック
- タイヤの摩耗や損傷を早期に見つける
- 予備のタイヤや修理キットを準備する
パンクを未然に防ぐためには、日常的な点検とメンテナンスが欠かせません。
パンクを予防するための具体的なポイントを紹介するので、参考にしてください。
定期的な空気圧チェックの重要性
タイヤの空気圧は、パンクを防ぐための最も基本的なチェック項目です。適切な空気圧が維持されていないと、タイヤが過度に変形し、摩耗が早まるだけでなくパンクのリスクも増加します。
空気圧が不足しているタイヤは、道路の衝撃を吸収しきれずパンクしやすいです。
一方で、空気圧が高すぎる場合も、タイヤが硬くなり、異物が刺さりやすくなります。
とくに、気温が大きく変動する季節や長距離を走行する際は、空気圧が変動しやすいため、出発前に空気圧を確認することが重要です。
適切な空気圧を維持することで、タイヤの寿命を延ばし、燃費の改善にもつながります。
ちなみに、空気圧は以下の手段でチェックできます。
【空気圧をチェックする方法】
- 整備工場でチェックしてもらう
- カーショップでチェックしてもらう
- ガソリンスタンドでチェックする
ガソリンスタンドでは、空気圧を測る機械が用意されているところが多いです。車に記載されている指定の空気圧に合わせ、キャップを外して機械を入れるだけで計測できます。
空気圧が低下していれば空気を注入し、逆に入りすぎている場合は空気を抜きます。山道走行・高速道路の走行をする前は、走行中のバーストを避ける意味でも、事前に確認しておくと安心です。
タイヤの摩耗や損傷を早期に見つける方法
タイヤのトレッドの溝の深さや、側面の損傷を定期的に確認することも、パンクを予防する重要な手段です。
タイヤの溝が浅くなりすぎると、道路のグリップ力が低下し、滑りやすくなるだけでなく、パンクのリスクも高まります。
一般的に、溝の深さが1.6mm以下になると、タイヤ交換が必要です。また、側面にひび割れや膨らみが見られる場合は、タイヤの内部が劣化している可能性があるため、早急に点検をおこないましょう。
とくに、タイヤの摩耗は長距離走行や悪路を走行することで加速するため、定期的なチェックが欠かせません。
定期的にタイヤの状態を確認し、異常が見られた場合は、早めに修理や交換をおこないましょう。
予備のタイヤと修理キットを準備する
予備のタイヤやパンク修理キットを車内に常備しておくことも、パンク発生時の対応を迅速におこなうために有効です。
スペアタイヤは、パンク時にすぐに交換できるため、長距離の移動や修理業者が近くにない場所での走行には必須です。
また、スペアタイヤは、通常のタイヤと同様に定期的に空気圧をチェックし、使用可能な状態を保つことが重要です。
そして、パンク修理キットは、軽度のパンクであれば応急処置ができるため、持ち運びに便利です。修理キットには、パンク箇所を塞ぐためのラバーや修理剤が含まれており、簡単に使用できます。
しかし、あくまでも一時的な修理であり、早めにプロの点検と修理を受ける必要があります。

よくある質問
- タイヤパンク修理キットはどの程度もつ?
-
パンク修理キットで行う応急処置は、一時的なものであり、長期間の使用や高速走行には向きません。応急処置後は、できるだけ早めにプロの修理を受けるか、タイヤ全体を交換することが推奨されます。
修理キットは、あくまで最寄りの修理工場まで移動するための手段として使用しましょう。
- パンクしたタイヤは修理するか交換するかどう判断する?
-
パンク箇所や損傷の程度に応じて、修理で対応できるかどうかが変わります。修理で済む場合と交換が必要な場合で、項目をわけたので参考にしてください。
【修理で済む場合と交換が必要な場合】
- 修理で済む場合:小さな刺し傷や穴がある
- 交換が必要な場合:側面に裂け目が入っている、タイヤが大きく損傷している
プロに相談し、適切な判断を仰ぐことが安全です。
- 修理にかかる時間はどれくらい?
-
パンク修理にかかる時間は、修理内容によって異なりますが、一般的な内面修理であれば30分から1時間程度で完了します。軽度のパンクであれば、修理作業は短時間です。しかし、損傷が大きい場合やタイヤの交換が必要な場合は、時間がかかることもあります。

