車を所有していると自動車税を支払う必要がありますが、未使用車を購入したならいつ支払うのでしょうか?
この記事では、未使用車を購入した際の自動車税の支払いや購入の際の諸費用について解説します。
未使用車とは?
未使用車は、登録はされている中古車ですが、コンディションは優れています。また新車と購入時の費用の差が発生することがあります。
未使用車の定義
登録済(届出済)未使用車とは初度登録されていて一般の運行に供されていない車のことです。つまり登録はされている中古車ですが、一般の車としては走行されていない車両です。
車が公道を走行するためには、ナンバープレートを発行して取り付ける必要があります。その後、公道を走行できますが、ナンバープレートを取り付けた後に保管されている車があります。
登録してナンバープレートを取り付けているので中古車という扱いでも、状態は限りなく新車に近いのが未使用車です。
未使用車は販売台数のノルマを達成したい販売店が、目標販売数を達成するために販売店名義で在庫車を登録します。そのため、登録済み未使用車が出てきます。
新車と未使用車の価格差
新車と未使用車には、購入に伴う費用にも差があります。以下の項目を支払う必要があります。
項目 | 未使用車 | 新車 |
価格 | 安い | 定価 |
自動車税 | 4月1日時点の所有者が支払い | 購入者が支払い |
グレード・カラー | 在庫のみ選択可 | 自由に選択可 |
自動車重量税 | 支払い済みで新たに必要なし | 新たに支払いが必要 |
未使用車の場合は、新車よりもお得に購入できる場合が多く、車両本体価格も安く抑えられることが多いです。さらに、税金は購入したタイミングによってはすでに支払っているものもあるので、購入費用も抑えられます。
グレードやカラーが在庫にあるものに限られてしまうのは懸念点です。それでも、希望するグレードやカラーが在庫にあること、またワンオーナーでなくてもよいなら、購入費用を抑えられるのが未使用車です。
未使用車を購入した際の自動車税
未使用車を購入したときでも、自動車税を支払う必要があるケースがあります。
自動車税の概要
自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)
自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)は、自動車税・軽自動車税とも呼ばれるもので、毎年4月1日時点の所有者に対して課税される税金です。
用途区分 | 総排気量 | 2019年9月30日以前 | 2019年10月1日以降 |
乗用車 | 1L以下 | 29,500円 | 25,000円 |
乗用車 | 1L超~1.5L以下 | 34,500円 | 30,500円 |
乗用車 | 1.5L超~2.0L以下 | 39,500円 | 36,000円 |
乗用車 | 2.0L超~2.5L以下 | 45,000円 | 43,500円 |
乗用車 | 2.5L超~3.0L以下 | 51,000円 | 50,000円 |
乗用車 | 3.0L超~3.5L以下 | 58,000円 | 57,000円 |
乗用車 | 3.5L超~4.0L以下 | 66,500円 | 65,500円 |
乗用車 | 4.0L超~4.5L以下 | 76,500円 | 75,500円 |
乗用車 | 4.5L超~6.0L以下 | 88,000円 | 87,000円 |
乗用車 | 6.0L超 | 111,000円 | 110,000円 |
乗用軽自動車 | 一律 | 10,800円 | 10,800円 |
自動車税は新車と未使用車で変わることがありますが、特に普通車の場合に変化があります。既述したように、自動車税は4月1日時点の所有者に対して課せられる税金です。
新車と未使用車で自動車税は変わる?
年度の途中で中古車(未使用車)を購入した場合には、普通車と軽自動車で課税対象が変わります。
- 普通車:次の年の3月まで分を月割
- 軽自動車:4月1日以降なら支払い済み
普通車は自動車税を次の年の3月分までを、月割りで支払います。一方、軽自動車の場合には月割りがないので、前所有者が支払い済みということです。
新車と未使用車で自動車税が大きく変わるのは、軽自動車の方です。未使用車でよりお得に購入できるのは、4月1日以降の早いタイミングで支払った軽自動車となるでしょう。
自動車税以外の税金
自動車税環境性能割
自動車税環境性能割は車を取得した人に課せられる税金です。車を取得したときに課せられる「自動車取得税」という税金から環境性能割というものに変化しました。
自動車がもたらす二酸化炭素の排出や道路の損傷などのコストにかかる普通税とされています。普通車は「自動車税環境性能割」、軽自動車は「軽自動車税環境性能割」という名前です。
排ガス基準や燃費基準の達成に応じて課税されるので、エコカーなど環境性能が高い車の方が税率が低くなります。
課税の対象は、三輪以上の小型自動車や普通自動車などです。二輪車や原動機付自転車は対象外です。また、車の取得価額が50万円以下の場合も課税されません。
自動車重量税
自動車重量税は、車両の重さによって異なる税額となるもので、車検時に次回の車検までをまとめて支払います。
未使用車の場合は中古車なので基本的に次の車検までの自動車重量税は不要です。しかし、車検受け渡しでの購入の場合は諸費用として含まれることもあります。
消費税
車を購入するときにも消費税は必要です。商品を購入するのに必要な税金で、本体価格やオプション代、その他の諸費用にも10%の消費税がかかります。
自動車税を節約するための車選び
低燃費車や減税制度を利用する
低燃費車であれば自動車税を軽減できる場合があります。環境性能がよいハイブリッドカーなどであれば、自動車税が軽減されます。
燃費基準を満たしていたり、電気自動車などの場合に満たした基準によって軽減割合が決定されるものです。新車から一定年数を経過した車に税率を重くする自動車税種別割のグリーン化でも、ハイブリッドカーの場合は対象外など、税負担を抑えられることがあります。
またエコカー減税やグリーン化特例を利用すると、購入時などの税負担が抑えられることがあります。環境に優しいハイブリッドカーであれば、自動車税を抑えることができるのです。
軽自動車の自動車税
軽自動車は、軽自動車税と呼ばれるもので、年間で一律の10,800円がかかります。しかし軽自動車は自動車税の月割という制度がないので、年度途中で軽自動車を購入しても以前の所有者が支払っています。
そのため、未使用車を購入するのであれば4月1日以降であればすでに支払った軽自動車税の恩恵を受けられます。
排気量による自動車税の違い
排気量によっても自動車税は、異なります。そもそも排気量とは、車のエンジンが吸い込める空気の量を指していて、シリンダーの中の空間の合計値です。カタログに「総排気量」が掲載されていますが、これが自動車税に関わるエンジンの排気量の数字です。
たとえば諸元表を見てみると「1500cc」と書かれてることは少なく、「1495cc」のように細かい数字で表記されています。排気量が小さいほど自動車税は安く、大きくなると高くなります。
軽自動車の場合は一律です。それで、軽自動車の約1万円と4.0L以下の約6万5千円を比較すると、約5万5千円の違いがあります。
維持費を抑えたいと思っているなら、この自動車税の違いを検討しておくとよいでしょう。2.0Lを超える排気量になると自動車税も大きく上がっていくので、年間の維持費の目安にしておくのをおすすめします。
自動車税の支払い
自動車税の支払いスケジュール
自動車税の支払いスケジュールについて説明します。
自動車税は、毎年4月1日時点で車を所有している人に対して課税されます。
通常、自治体から納税通知書が5月上旬に送付され、その年の5月末までに支払う必要があります。具体的なスケジュールは以下の通りです。
4月1日:この日が基準日となり、車を所有している人に自動車税が課されます。
5月上旬:自治体から納税通知書が送付されます。通知書には支払うべき金額や支払期限が記載されています。
5月末:自動車税の納期限です。通常、この日までにコンビニ、銀行、インターネットバンキングなどで支払いを完了する必要があります。
支払いが遅れると、延滞金が発生する場合があるので、早めの支払いを心がけるとよいでしょう。
支払い方法の詳細
自動車税の支払いは、以下の3つの方法があります。
- クレジットカード
- 銀行系アプリ
- スマホ決済アプリ
クレジットカード決済
まず、インターネット上でクレジットカード決済ができます。自治体によっては専用の「クレジットカード支払いサイト」があり、決済手続きができます。たとえば、東京都なら「都税クレジットカードお支払いサイト」を使えば簡単に支払いが可能になります。ただし、支払い時には決済手数料がかかるので、注意が必要です。
手数料は納税額や自治体によって異なります。東京都では、1万円ごとに80円(税込)の手数料が発生します。この金額は、自動車税と一緒にクレジットカードで決済されます。ちなみに、コンビニや銀行の窓口ではクレジットカードが使えないので、その点も忘れないようにしましょう。
銀行系アプリを使った支払い
次に、銀行が提供しているアプリで支払う方法もあります。たとえば、納付書に記載された「eL-QR」や「eL番号」を使って、決済手続きができます。手続きはシンプルで、アプリ内で必要な手順を踏んでから、QRコードを読み取るだけで支払いができます。
事前に登録している銀行口座からそのまま自動車税が引き落とされるので、手数料もかからず、後で請求される心配もありません。銀行口座の残高や明細もアプリ内で確認できるから、管理がしやすい方法です。
スマホ決済アプリを使う
最後に、スマートフォン決済アプリを使った方法もおすすめです。近年、多くの自治体が対応しているので、自動車税の納付書に記載されているバーコードをスマホで読み取るだけでOKです。
スマートフォン決済アプリにある「請求書の支払いサービス」を利用する方法で、au PayやPayPay、LINE Payなどが使える自治体も増えてきています。さらに、これらのアプリで支払う場合、クレジットカード決済のような手数料がかからないのがポイントです。普段使用している決済アプリが対応しているか確認しておきましょう。
自動車税を滞納した場合のペナルティ
納期限は通常5月末になっていますが、期日を過ぎると滞納金が発生します。納期限は都道府県によって異なるので、納付書に記載されている期日を確認するようにしましょう。
納期限までに支払いなら、延滞金が発生しますが、延滞金は日割りで計算されます。
- 納期限の翌日から1か月を経過するまで:2.4%
- 納期限の翌日から1か月を経過した日以降:8.7%
さらに自動車税を支払わないなら、「自動車税納付証明書」が発行されないので、車検時に必要な書類が揃わないので車検証の交付ができなくなります。
まとめ
未使用車の自動車税は、購入のタイミングによって支払い義務の有無が異なります。購入時期を調整できるのであれば、4月1日以降であれば諸費用を抑えることができるでしょう。また納付書が届いたときには、納期限までに忘れずに納付するようにしましょう。
よくある質問
- 未使用車の自動車税は支払う?
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自動車税は、4月1日時点での所有者が支払うべき税金です。そのため購入のタイミングによっては自動車税は支払い済みになっており、購入者が支払う必要はなくなります。
- 自動車税が高い未使用車は購入すべきか?
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タイミングによっては自動車税を支払う必要がありませんが、それでも希望する車が見つかった段階で購入するのがおすすめです。希望する車を見つけるタイミングと、自動車税が支払い済みになるタイミングが重なるとは限らないため、気に入った未使用車が見つかったなら購入するとよいでしょう。
- 自動車税の減額や免除は受けられる?
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自動車税はハイブリッドカーなどで減税されることがあります。また年数が経過した際でも、重課を避けられることがあります。