中古車は、手頃な価格で自分の欲しい車を手に入れられる点が魅力的です。しかし、購入する際にはいくつか気をつけなければならないポイントがあります。これを知らないと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあるので、事前に抑えておきたいもの。
そこでこの記事は、中古車選びの際に気をつけたいポイントを解説します。満足できるカーライフを送るためにも、ぜひ最後までご覧ください。


中古車購入時の注意点とは?

車両の状態
中古車を購入する際に重要なのは、その車の状態をしっかり確認することです。年式や走行距離だけでなく、修復歴や外観のキズ、汚れ具合、オプション装備など、車の状態は一台一台異なります。
一般的に、状態が良ければその分価格も高くなります。点検結果や店員の説明をしっかり聞き、車両に気になるポイントがないか、相場との違いをチェックしておきましょう。
もし状態が良いのに、相場と比べて極端に安い車があった場合には、安い理由についてスタッフに聞いてみるのもよいでしょう。アウトレット車など、複数の理由があるはずですので、理由を確認してみましょう。納得できる説明がない場合は、購入を控えて再検討することも考慮しましょう。
走行距離と年式のバランス
車の年式や走行距離を確認して、そのバランスをチェックしておくのは大切です。一般的に、国産車の場合は20年以内、走行距離20万km以内が買い替えの目安とされています。
中古車を選ぶ際、年式が古かったり、走行距離が多くなると、価格が安くなる傾向があります。しかし安いからといって安易に選ぶのは注意が必要です。
というのも、年式が古かったり、走行距離が多い車は、見た目や価格が魅力的に見える場合でも、部品交換が必要になることが多いからです。そのため、安く購入できたとしても、結果的に維持費が高くつく可能性があります。
逆に年式が古いのに、極端に走行距離が短い車も要注意です。年式に見合った走行距離の車両が安心できるでしょう。

メンテナンス履歴
車両のメンテナンス履歴を確認しておき、どのようなメンテナンスを受けてきたか確認しておきます。整備記録簿(メンテナンスノート)に、部品の交換履歴が記載されていますので、車のコンディションの確認ができるでしょう。
年式が古く、走行距離が多い車でも、しっかりと部品交換されている車ということが確認できたなら、意外とコンディションがよいこともあります。
もしメンテナンス履歴をみても意味が分からないなら、スタッフに確認して、車のどの部品を交換したか把握しておきましょう。
冠水車や修復歴車
中古車の状態を見ているときに、小さな傷や汚れは気にしなくてもよいですが、冠水車や修復歴車は要注意です。
事故歴や修復歴はないか
「事故車」と聞くと不安になりますよね。実際、事故の程度は色々なので、一概に事故歴があるから悪いというわけではありませんが、特に車の骨格部分に関わる「修復歴」は大きな影響を与えます。骨格部分は走行中の安全性や乗り心地に直結するため、修復歴になった理由を聞いてみるのはおすすめです。
キズや凹み、汚れの場所や程度
細かい部分までチェックして、どこにどんなキズや凹みがあるのかを確認しておきましょう。販売前に板金するエリアがあるなら、その部位を確認しておきます。
カーナビやETCなどの付属機器が正常に作動するか
装備が正常に使えるか、必ずチェックしましょう。カーナビなどは、故障している場合の買い換えに費用がかかります。購入前にしっかりと確認しておきましょう。
エンジン音やマフラーの異音
エンジンをかけたときにマフラーから変な音がしないかも重要なチェックポイントです。異音がある場合、修理が必要になる可能性があります。冠水車や修復歴がある車は、エンジン音に違和感を感じることもあります。
装備やオプション
中古車を選択する際には、装備やオプションの有無やその内容をチェックしておきます。上位グレードのみを選択肢にしているなら、予算オーバーになることもあるでしょう。
車種によってはオプションを限定するなら、予算だけでなくそもそも玉数がないということもあるからです。
自分が必要な装備がなにか、その装備の中古車を選択するとどれほど価格が上がるかをチェックしておきます。
たとえば、以下のような装備があります。
- 本革シート
- カーナビ
- 安全装備
- バックモニター
標準装備されているモデルもありますが、安全装備は車種やグレードによっても異なります。在庫が豊富な店舗であれば、装備がある車と装備がない車の価格差も見分けやすいでしょう。
また、社外品で購入できる装備なら、中古車の購入後に追加するのもよいでしょう。

中古車の選び方で押さえておくべきポイント

信頼できる販売店を選ぶ方法
信頼できるお店で中古車を購入するなら、購入後のトラブルを避けられます。中古車は安くはない買い物です。購入後にトラブルが発生して、嫌な思いをするのを避けるためにも、信頼できるお店選びは大切です。
たとえば、車に関して質問をしたときにはっきりとした答えがない、また購入を過度に勧めたり、ローンを組むように強いるなどの傾向は避けたいものです。
自分の予算よりも支払い額が高くなったり、コンディションが悪い車を売りつけられることも考えられます。
個人売買を避けるのはもちろんのこと、中古車販売店で購入する際にも、その店舗の口コミをチェックしておきましょう。
試乗で状態をチェック
実車を確認する際には、可能なら試乗してみましょう。
車の状態をチェックする際には、以下のポイントをみておきます。
- ボディの傷
- ボディ下部の錆
- タイヤの劣化具合
- ボンネットやドアの隙間(チリ)の確認
車の状態は、外観をざっくり見るだけでもコンディションを確認できます。
さらに車の中に乗り込んで、内装をチェックしておきます。
内装チェックのポイント
- シートに汚れや破れがないか、また嫌なニオイがしないか確認
- ドアやエアコン、ウインカー、ハザード、ナビやオーディオのボタンがちゃんと動作するか確認
- トランクルームの汚れやカビ、ニオイがないか確認
- ハンドルの状態、握りやすさ、操作しやすさも重要
車に乗り込んだら、内装をみておきます。車内の臭いは、意外と取れないものです。タバコの臭いがあるなら、内装のクリーニングをしても残ってしまうこともあるでしょう。
もしエンジンをかけて試乗できるなら、エンジンやブレーキの調子をチェックしてみます。
車検と整備記録の確認
中古車を選ぶときに、車検が残っていない車があります。車両によっては、車検付の場合もあります。
中古車を買うときには、実は3つのパターンがあるので、事前に知っておくと、後で後悔せずにすみます。
車検整備付(または車検整備込)
この場合は、納車前にお店が車検や必要な整備を行ってくれます。費用は車の価格に含まれているので、車両価格にその分が乗っている形です。ただし、車検時に必ずかかる自動車取得税や重量税などの法定費用は、別途必要です。
車検整備別
納車までに車検と整備をお店がしてくれますが、車両価格にその整備代は含まれていません。車本体の価格に加えて、自動車取得税や重量税、さらに車検整備費も別に払う必要があります。
車検整備無
車を買った時には車検や整備がされていない状態です。自分で整備工場に持ち込んで、後で車検を受けなければなりません。その時も当然、法定費用や車検整備費がかかるので、注意が必要です。
中古車購入に伴う費用の注意点

保証があるかどうかの確認する
中古車の場合には、車両保証があるかどうかを確認することは大切です。もし車両保証がついている車なら、万が一の故障があっても、保証の範囲内であれば修理費用がかからないことが多いです。
販売店側でしっかりとチェックされていることが期待できるので、保証付きの車は安心です。不安があるなら、追加の保証をつけておくとさらに安心できるでしょう。
ただし、事故車や修理歴のある車だと、保証が受けられないケースもあります。特にエンジンなどの重要な部分がどこまで保証されているか、事前にしっかり確認しておくのがおすすめです。
そもそも保証があるのか、また追加保証の場合は料金や保証範囲の確認をしておきましょう。
税金や保険料の違いを理解する
車を買うときや維持するときには、いろんな税金がかかってきます。どんな税金があるか、みていきましょう。
まず、車を購入するときには、初期費用として次の税金がかかります。
- 自動車税
- 自動車重量税
- 環境性能割
- 消費税
上記の中でも、自動車税と自動車重量税は、車を所有している間も毎年払わないといけない税金です。
自動車税は、毎年4月1日時点で車の所有者に課税されるものです。5月末頃には、登録している住所に納付書が届きます。
自動車重量税は車検のたびに一緒に支払うことになっています。車の維持には、こうした税金がかかることを忘れないようにしておきましょう。
購入時にかかる税金
- 自動車税
- 自動車重量税
- 環境性能割
- 消費税
維持にかかる税金
- 自動車税
- 自動車重量税
車を買うだけでなくて、維持するためにもいろいろな費用が必要となります。
任意保険料も車両によって異なります。購入する車が決まったのであれば、任意保険の見積もりをして準備をしておきましょう。
見積もりで諸費用を確認する
車を購入するときは、車両本体価格以外にかかる諸費用もきちんと確認しましょう。本体価格だけが表示されている場合はもちろん、総額が載っていても、内訳をしっかりチェックするのが大切です。
というのも、諸費用は選ぶオプションや保証内容によって変わることがあります。よく額面だけが書かれていることが多いので、事前にどんな費用が含まれているかを問い合わせて確認しておくと、スムーズに話が進むでしょう。
中古車を購入したら、納車される前に任意保険の手続きを済ませておくと安心です。そうすれば、車が届いたその日からすぐに保障がスタートできます。
車が届く前に任意保険の手続きを済ませて、安心してドライブを楽しめる準備をしておきましょう。
中古車購入の流れ

1:予算を決める
中古車を買うとき、どれくらいお金を使えるかをしっかり決めることが大切です。車は買った時のお金だけでなく、維持費や税金、保険などもかかるので、長く乗ることを考えて総額を見積もる必要があります。
まず、自分がその車にどれくらいの期間乗りたいのかを考え、その期間中にかかるお金を計算しましょう。収入と相談しながら、無理のない範囲で短期的な支出と長期的な維持費をバランスよく計画します。
2:支払い方法を決める
中古車を買うときの支払い方法には「現金一括払い」と「分割ローン」の2つがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、どちらが自分に合っているかを考えて選びましょう。
現金一括払いの場合
一度に全額を支払うので、利息がかからず、ローンを組むときの手間や所有者名義の問題もありません。
分割ローンの場合
少ない資金で購入でき、現金一括では買えないような車も手に入りますが、支払いが長く続き、利息がかかるため総額は高くなります。また、ローン期間中は車の名義がディーラーになることが多いので、その点も注意しましょう。
3:車種を決めておく
予算が決まったら、その範囲内で欲しい車を選びます。車種を決める時は、どんな使い方をするかを考えて選ぶのがポイントです。
たとえば、少人数で使うなら軽自動車やコンパクトカーがおすすめです。家族が多いならミニバンが便利です。アウトドアや旅行が好きならSUV、運転を楽しみたいならスポーツカーが良いでしょう。メーカーごとの特徴を比較しながら、自分のライフスタイルに合った車を選ぶのがよいでしょう。
4:問い合わせする
購入したい車種が決まったら、インターネットでその車を取り扱っているお店を探します。お店を見つけたら、在庫や価格を確認し、予算内で購入できるかをチェックします。
できるだけ複数のお店に問い合わせて比較するのがポイントです。複数の見積もりを出してもらい、価格やサービスを比べるとよいでしょう。また、販売店に行く前に予約を入れておくのをおすすめします。
中古車は、同じ条件の車を見つけるのは難しくなります。よい候補があるなら早めに予約をしておきましょう。
5:店舗を訪問する
お店が決まったら、実際に訪れて車を確認します。ここで大事なのは、事前に決めた車種にこだわりすぎず、他の候補とも比べながら判断することです。
実際に座ってみて運転席の感触やハンドルの握り心地なども確認しましょう。実物を見て、写真では分からなかった特徴や、新たな発見があるかもしれません。
動作の確認をして、気になる点があればスタッフに聞いてみましょう。また訪問前にはお店の口コミをチェックしておくのもおすすめです。
6:見積もりしてもらう
購入候補の車が決まったら、見積もりを出してもらいます。見積書には車両本体価格と、諸費用が明記されています。諸費用には、法定費用や整備費用、手数料などが含まれており、法定費用は交渉できませんが、整備費用や手数料は相談次第で調整できることがあります。
不明な点は遠慮せずに販売店に質問しましょう。分からないままにしておくと、後でトラブルになることもあります。
7:書類を準備する
購入が決まったら、必要な書類を準備します。車庫証明書や印鑑証明書、住民票などが必要になりますが、販売店に手数料を払えば代行してもらうことも可能です。自分で手続きする場合は、その分費用を節約できます。
自分で手続きできない店舗もあるので、事前に確認しておきましょう。
8:契約の準備をする
書類がそろったら、契約と納車日を決めます。契約書の内容はしっかり確認して、納得してからサインをしましょう。中古車でも高額な契約になるので、慎重に進めることが大切です。
納車までには時間がかかることが多いので、スケジュールに余裕を持って調整しましょう。もし契約の際にローンで購入するのであれば、融資を受けられる日程と合せて調整します。
9:任意保険に加入する
車を運転する上で保険は必須です。自賠責保険は義務ですが、カバー範囲が限られているため、万が一に備えて任意保険にも加入することをおすすめします。
すでに車を持っていて任意保険に入っている場合は、保険会社に連絡して車両入替の手続きをしましょう。契約のときに、任意保険の加入に必要な情報を得ておきます。
10:料金を支払う
契約をしたら、支払いを進めます。分割ローンを利用する人が多いですが、現金一括払いやクレジットカード払いも可能な場合があります。販売店によってはカード払いを受け付けていないこともあるので、事前に確認しましょう。
ローンの場合には、審査に通っているかを確認して、手続きを進めます。
11:納車時に車の状態を確認する
納車されたら、車の状態をしっかり確認しましょう。購入時には気づかなかったキズや不具合が見つかることがあります。納車後すぐなら保証で修理してもらえることが多いので、早めに確認しておくことが安心につながります。
追加保証に加入しているなら、車の状態を確認するのもゆとりがあるでしょう。

中古車購入後のトラブルを防ぐ方法

契約前に知っておきたい点
中古車を探しているとき、実際には存在しない車を「売り切れた」と言って別の車を勧めてくる販売店があります。「オトリ在庫」と呼ばれるタイプの車で、人を引き寄せる手段として使われています。
「これはお得だ」と思って来店したお客さんに、実際にはその車は「売り切れました」と言われて、他の車を勧められるってパターンです。ひどい時は、その車自体が初めから存在しなかったりするので注意しておきましょう。
さらに、中古車を買うときに注意したいのは、車両本体の価格が安く見えても、見積もりを取ったら手数料が高くなってるケースです。
どちらの場合も、希望する車と異なっていたり、予算オーバーする可能性があるので、事前にチェックしておきましょう。
契約前に違和感を感じるなら、他の店舗で探してみることをおすすめします。

購入後のアフターサービスを確認
まず確認しておきたいのは、アフターケアの期間です。特に年式が古かったり、走行距離が多い車は、アフターケアの期間が短いこともあります。
期間が過ぎてしまうと保障が受けられなくなるから、有償で延長できるかどうかも一緒にチェックしておきましょう。
次に、アフターケアでどんな保障が付いているかもちゃんと確認するのが大切です。車によって内容が違うことがあるので、検討中の車にどんなアフターケアが含まれているかしっかりみておきます。購入後の定期メンテナンスが付いているかどうか確認しておきましょう。
トラブル発生時の対応策
トラブル発生時には、まず販売店に相談します。それでも解決しないなら、複数の相談窓口に相談できます。
- 国民生活センター
- 日本中古自動車販売協会連合会
- 自動車公正取引協議会
- 自動車製造物責任相談センター
国民生活センター
国民生活センターは、中古車に限らず、さまざまな商品やサービスに関するトラブルに対応している相談窓口です。消費者センターや消費者生活センターとも呼ばれることもあります。
中古車に関する相談だけでも、年間7,000件以上受けている実績があるから、心強い窓口です。あくまで相談という形になりますが、どのような交渉をするとよいのか参考になるでしょう。
日本中古自動車販売協会連合会
中古車取引の専門機関である日本中古自動車販売協会連合会は、中古車の取引を公正に進めるために設立された機関です。
全国に相談室があって、トラブルに対してしっかり対応してくれます。公式サイトでは、トラブル事例も公開していて、購入に際して役立つ情報が掲載されています。ただし、加盟している店舗のみが対象になるので、事前に確認は必要です。
自動車公正取引協議会
中古車だけでなく、新車のトラブルにも対応する機関です。車の販売時に表示が正確であることを徹底して、安心して取引ができるようにサポートしてくれます。ただし、これも加盟店舗だけが対象になるため、問い合わせる前に店舗が加盟しているかどうか確認しておきましょう。
自動車製造物責任相談センター
車の部品や機能に問題があるときに頼れるのが、この自動車製造物責任相談センターです。中立的な立場からトラブルを解決してくれる機関です。専門的な相談や和解のサポートが無料で受けられるので、どのように交渉したらよいのか相談に乗ってくれます。不具合があったときは、一度相談してみるとよいでしょう。
まとめ
中古車の購入時には、車両の状態をよく確認するようにしましょう。購入に伴う諸費用や保証の内容をよく確認しておくなら、購入後のトラブルを避けられるでしょう。


よくある質問
- 中古車を購入する際の注意点は?
-
車両の状態を確認しておきます。走行距離と年式のバランスや冠水車、修復歴車でないかの確認をしましょう。
- 安心できる中古車を選択するポイントは?
-
信頼できる販売店を見つけて、その在庫から選ぶことや実車を確認して車のコンディションをみておくのが大切です。保証が付いているかをチェックするのも忘れないようにしましょう。

