車は晴れのときだけでなく雨のときも運転するため、視界の確保が重要です。雨が降ると視界が遮られやすいので、慎重に運転する必要があるでしょう。
特にワイパーブレードに装着されているワイパーゴムが劣化していると、拭き取りがどうしてもスムーズにできずに、危険になりかねません。では、ワイパーブレードとはどのようなものでしょうか?ワイパーブレードの種類や交換方法などをご紹介します。
ワイパーブレードとは
天気がよいときは使わなくてもよいものの、雨や雪が降ると水を拭き取らないと視界が妨げられます。フロントウィンドウの水分を拭き取る部品が、ワイパーです。
1900年頃に、現代と同じような形状のワイパーが発明されて特許を取得してから、基本的な形状は変わらず同じようなものが使用されています。当初は手動式のワイパーでしたが、その後電動モーターによるワイパーが発売されています。
現代では、曲面のフロントウィンドウに対応したワイパーがあるため、雨や雪のときでも快適に運転できるようになりました。
ワイパーブレードとワイパーゴムに分かれている
一般的には「ワイパー」とだけいわれることがありますが、「ワイパーブレード」と「ワイパーゴム」に分けられます。
ワイパーブレードは、ワイパーゴムを支えてフロントウィンドウを拭き取るための金属部品です。アームとゴムの骨組みともいえるでしょう。
ワイパーゴムは、フロントウィンドウを拭き取るためのゴムの部品です。劣化すると定期的に交換して、ムラなく拭き取る部品となります。
ワイパーブレードとワイパーゴムは、どちらも交換できますが、ワイパーブレードからワイパーゴムだけを取り出して交換することも可能です。
もちろんワイパーブレードが劣化しているなら、ブレードごと交換する場合もあるため、状態に合わせてメンテナンスできるでしょう。
ワイパーの種類によってはワイパーゴムが取り外しできないようになっており、ワイパーブレードごと交換するようになっているものもあります。
取り付けられているワイパーの種類や適合するワイパーゴムがあるか、確認しておきましょう。
ワイパーブレードの種類は3つ
ワイパーブレードは大きく分けると3つの形状に分けられます。
トーナメント
トーナメントワイパーは標準装備されていることが多いワイパーブレードです。金属フレームがワイパーゴムを支える形状になっており、曲面になっているガラスにも圧力を加えやすい形状になっています。
標準装備されることが多い形状のため、交換部品としても安価になっており、手に入れやすいタイプのワイパーです。
金属でできているので、錆が発生すると見栄えがよくないため、定期的に交換する必要があります。
フラット
フラットワイパーは、曲面のガラスにフィットしやすいという特徴を持っているブレードで、主に輸入車に採用されているケースが多いです。
ワイパーブレードとワイパーゴムが一体型になっており、ゴムのみを交換することはできません。しかしトーナメントタイプよりも、拭き取り性能が優れているので、視界確保の面で有利です。
空気抵抗が少ないことや風切り音を抑える形状になっているので、高速走行が多いならメリットを活かせるでしょう。一体型なので交換の際にコストが高くなることは注意点です。
エアロ
エアロワイパーは、トーナメントワイパーとフラットワイパーのよい点を組み合わせた形状のワイパーです。デザインワイパーと呼ばれることもあります。
ガラス面にしっかりフィットするように、カーブ形状になっており、曲面のフロントウィンドウでもしっかり拭き取りできます。フラットワイパーはゴムの交換ができませんが、エアロワイパーなら交換に対応している商品もあるため、交換可能です。
トーナメントワイパーと比較して、価格が高い傾向にあるため、ワイパー交換のコストが高めになります。また、ワイパーゴムの交換に対応していない商品もあるため、交換の前によく確認しておきましょう。
ワイパーブレード交換時期
ワイパーブレードやワイパーゴムの交換時期は、使用する頻度や保管状況によって異なるため、明確な時期はありません。しかし金属やゴムでできている部品なので、どうしても劣化が進んでいきます。
ワイパーの交換時期の目安となるのは、以下のタイミングです。
- ワイパーゴム:半年に1回
- ワイパーブレード:1年に1回
劣化してくると、水分を拭き取れずに視界が確保できない危険性があります。それで頻繁に乗らない車でも、1年に1回はワイパーブレードを点検して、劣化が認められるなら交換しておきましょう。
ワイパーゴムであれば数百円程度ですし、ワイパーブレードもトーナメントタイプであれば1,000円程度で交換できます。
ワイパーゴムが劣化してくると、拭き取りのときに異音がなる「びびり」が生じたり、水がにじんだりしていきます。
運転に集中できなかったり、前をよく見ることが難しくなったりするなど、安全運転を妨げる要素になるため、該当するなら交換しておきましょう。
ワイパーの選び方
ワイパーの選び方は、すでに装着されているタイプと同じサイズのものを探し、ワイパーの種類を選んでから購入します。
交換の前にチェックしておきたい、選び方のポイントをご紹介します。
適合をチェックする
ワイパーブレードを交換する際に、まずは適合するタイプを探していきます。
ワイパーブレードの適合を調べるには、以下の方法があります。
- 車種名、年式、フロントかリアを選択する
- ワイパーのメーカー名や商品名で選択する
すでに装着されているワイパーブレードのメーカーやタイプがわかっているのであれば、同じタイプに交換できるでしょう。
交換するタイミングで他のメーカーにする、もしくは新しく購入する際には、事前にワイパーブレードの長さなどをチェックする必要があります。
どのタイプが適合するのか車種名や年式で確認できるので、インターネット上やカー用品店に置いている適合表で確認しましょう。
ワイパーブレードを交換したことがあるなら、交換した商品名などを控えておくと、次回の交換の際にスムーズになります。
種類を選ぶ
ワイパーブレードや装着されているワイパーゴムには、複数の種類があります。純正タイプであれば、そのまま交換すればよいですが、他のタイプに交換するならどの種類にするか決めましょう。
ワイパーは、以下のような種類があります。
ノーマル
一般的に使用されているワイパーです。価格も抑えられており、耐久性が高いタイプのワイパーになります。一方で拭き取り性能が高いタイプのワイパーと比較すると、性能では見劣りします。それほど気にしない方や耐久性の高さを重視する方におすすめです。
・撥水ワイパー
撥水ワイパーはゴムの部分にシリコンオイルが配合されており、拭き取りの度に撥水コーティングできるタイプです。雨のときに拭き取りをすれば、視界をすっきりさせてくれるので、運転しやすいでしょう。フロントガラスに撥水コーティングをしなくても、水滴がはじいてくれるので気持ちがよいです。
雪用ワイパー
雪用のワイパーは通常の雨や雪だけでなく、霜が凍りついたガラスにも対応しているワイパーゴムです。通常のワイパーゴムと比較すると、劣化に強いタイプになっているため、耐久性も期待できます。通常のワイパーゴムでは、低温になるとゴムが硬くなって十分に機能しないことがあるため、豪雪地帯では雪用ワイパーに交換します。
ワイパーの交換方法
ワイパーを交換するには、カー用品店などに依頼することもできます。またそれほど難しくないので、自分で交換することもできるでしょう。交換に必要な費用や手順をご紹介します。
カー用品店などに依頼する
どのワイパーを選んだらよいのか分からない場合や手間を省きたいのであれば、カー用品店などのプロに依頼できるでしょう。
カー用品店やディーラーのどこで交換するかによって、工賃やワイパーの費用が異なります。ディーラーであれば、工賃や費用は高くなりがちですが、純正部品で交換してくれます。
ディーラーでの交換費用は、タイプによって3,000円~となります。工賃も高めになることを念頭に置いておきますが、純正部品で交換するので耐久性の面では安心できるでしょう、
一方でカー用品店なら、自分が好みのタイプのワイパーに交換できるでしょう。デザインを重視して選ぶのもよし、雪用や撥水タイプなど機能を重視するのもありです。
カー用品店で交換する費用は、安いタイプのワイパーなら1,000円程度からの費用です。安いワイパーも選択できるので、費用は抑えられます。工賃も数百円程度で作業してもらえますし、メンテナンス会員なら工賃が不要なケースもあります。
サービスを活用して、費用負担を抑えながらワイパーを交換しておきましょう。
自分で交換する
ワイパー交換を自分で行うこともできます。それほど手間がかからないので、自分で作業してみるのもよいでしょう。
ワイパーゴムを交換する
ワイパーゴムのみを交換するときは、以下の手順で作業します。
ガラスの油膜や汚れを落とす
交換の前に汚れや油膜を落としておきます。
ワイパーを立てる
ワイパーのアームを持って、ワイパー自体を立てるようにします。車種によっては、作業しやすい位置まで動作させてから、ワイパーを立てます。
ブレードを取り外す
ブレードを取り外して、ゴムの交換に備えます。ブレードを取り外せたなら、そのままにせずにタオルなどをガラスとの間に挟んで、元の位置に戻しておきましょう。不注意でワイパーが倒れてきてガラスに傷をつけてしまう恐れがあります。
ワイパーゴムを交換する
ワイパーブレードのゴムを取り外して、新しいゴムに入れ替えましょう。
元に戻す
ワイパーブレードをアームに戻して、動作に問題がないことを確認します。
ワイパーブレードを交換する
ワイパーブレードのみを交換するときは、以下の手順で作業しましょう。
ガラスの汚れを取る
ワイパーブレードの交換のタイミングで、ガラスの汚れを取りましょう。奇麗な状態を維持しておくと、視界が確保できるだけでなく、劣化を防ぐことにつながります。
ワイパーを立てる
ワイパーを立ててブレードの交換に備えます。このとき、万が一ワイパーアームが元の位置に戻ってもガラスを傷つけないように、厚手の布かタオルを敷くようにします。
ワイパーブレードを交換する
ワイパーブレードを交換します。タイプによって交換方法が異なるケースがあるため、交換するワイパーの説明書をよく見ておきましょう。
元に戻す
作業が完了すれば、元の位置に戻します。
ワイパーブレードを定期的に交換してクリアな視界を!
ワイパーブレードやワイパーゴムは、劣化する部品なので定期的な交換が必要です。拭き取りがうまくいっていなかったり、びびり音がしているなら交換の時期となります。
ワイパーが劣化していると雨天時の視界の確保が難しいため、定期的にワイパーの状態を確認して、必要なら交換しましょう。
よくある質問
ワイパーブレードの交換時期は?
ワイパーゴムは半年に一回、ワイパーブレードは1年に1回のペースで交換するのがおすすめです。もちろん使用頻度や環境によって劣化の進み具合が異なるため、定期的にワイパーの状態を確認しておきましょう。
ワイパーブレードの交換方法は?
ワイパーブレードを交換するには、ワイパーアームを立てて、新しいワイパーブレードに交換します。交換する際には、ワームが倒れてガラスを傷つけないように、厚手の布かタオルを敷くようにしましょう。