車のエアコンで燃費は悪化する？燃費に良いエアコンの使い方を紹介！

2022年11月13日

快適なドライブには欠かせないカーエアコンですが、車の電装品の中でも特に燃費に影響の大きい装備で、冷房を頻繁に使用する夏場は燃費が悪くなりがちです。
日本自動車工業会発行の小冊子「気になる乗用車の燃費」のデータによると、エアコンを使うことで10％以上も燃費が悪化するのだそうです。

そこでこの記事では、カーエアコンの仕組みやエアコンを使うと燃費が悪くなる理由、そして燃費の悪化を抑えるエアコンの使い方のコツについてご紹介します。

車のエアコンの仕組みと燃費への影響

まずは、車のエアコンはどうやって冷たい風や温かい風を出しているのか、そしてなぜエアコンで燃費が悪くなるのか、その仕組みについて簡単にご説明します。（※以下でご紹介するのはガソリン車の場合で、ハイブリッド車や電気自動車では仕組みが異なります）

冷房

エアコンには気化熱の原理が利用されています。
気化熱とは液体が気体になるときに周りの熱を奪う性質のことで、例えばお風呂上がりに濡れたままでいると体が冷えてきますが、これは水滴が蒸発（気化）するときに体温を奪うためです。

エアコン内部では気体を圧縮して送り出すためのコンプレッサーという装置を使い、冷媒が気体になったり液体になったりを繰り返しながら循環しており、その際の熱の移動を利用してエアコンの冷たい風がつくられます。

カーエアコンの場合、コンプレッサーはエンジンを動力として動かします。そのため冷房使用時はエンジンに負担がかり、その分燃料も多く使うので燃費が悪化します。

暖房

車の暖房は家庭用エアコンの暖房とは仕組みが全く異なります。

走行中の車のエンジンは高温で、そのままだとオーバーヒートを起こしてしまいます。そこで温度が高くなりすぎるのを防ぐため、冷却水を循環させて熱を下げています。この冷却水がエンジンから奪った熱を利用して、暖房の温風を作り出しています。

家庭用のエアコンの場合、暖房を使うと電気代が高くなりがちですが、車の暖房は走行中の不要な熱を再利用しているだけなので燃費への影響はほとんどありません。

ポイント

カーエアコンのコンプレッサーはエンジンを動力としているため、冷房使用時はエンジンに負担がかかりその分燃費が悪化します。
暖房はエンジンの排熱を利用して温風を出しているので、燃費への影響はほとんどありません。

燃費の悪化を抑えるエアコンの使い方とは？

エアコンの温度設定

カーエアコンの場合、家庭用エアコンに比べて設定温度の変更による燃費への影響は小さいため、暑さを我慢してまでエアコンの設定温度を高くするよりも、快適な温度で過ごすことをおすすめします。

また、自動車部品メーカーのカルソニックカンセイによると、設定温度が低すぎても高すぎても同じくらい燃費に影響するとのことで、日本車の場合は25℃設定がおすすめなのだそうです。

参考：お盆シーズンの渋滞対策に知っておきたい豆知識　真夏の車内クーラーの効果的利用法と、カルソニックカンセイ技術のご紹介

外気導入と内気循環を使い分ける

JAFのこちらの記事「夏の駐車時、車内温度を最も早く下げる方法は？（JAFユーザーテスト） | JAF」によると、高温になった車内温度を早く下げるには、まずは窓を全開にしてエアコンを「外気導入」にして、空気を入れ替えながら走行し、車内の熱気が出たら窓を閉めて「内気循環」で冷やすことが最も効率的な方法ということがわかります。

外気導入と内気循環を上手に使い分けることで、効率良く車内の温度を下げて燃費を抑えることができます。

A/Cボタンのオンオフ

車の「A/C」と書かれているボタンは、Air Conditioner（エアーコンディショナー）の略で、エアコンのスイッチです。A/Cをオンにすると、エンジンを動力にコンプレッサーが駆動し、冷房・除湿機能が働きます。

最近はオートエアコンが主流ですが、マニュアル操作のカーエアコンの場合、A/Cのオンオフが燃費に大きく影響します。たとえば、車内の温度設定を外気と同じ25℃に設定した場合、A/Cがオンのままだと12％程度も燃費が悪化するそうです。

参考：環境省_エコドライブ１０のすすめ

A/Cをオンにしなければ冷たい風は出ませんが、暖房だけを使いたい場合、温度調節を高く設定すれば温かい風が出るので、基本的にはA/Cはオフにしておいて問題ありません。（※ただしコンプレッサーを長い間使わないでいると壊れやすくなってしまうため、冬でも月に1～2回程度はA/Cをオンにしてエアコンを使うことをおすすめします）

また、暖房時でも窓ガラスの曇りを取りたい場合は、必要に応じてA/Cボタンをオンにして除湿します。

ポイント