【板金塗装】塗料の違いや仕上がりについて詳しく解説

板金塗装

事故などで車のボディが傷ついてしまうと、板金塗装などでの修理や部品交換をするでしょう。板金塗装とは、金属の板のヘコみを平らにして、塗装することです。

しかし実は同じように思える塗料は、複数の種類があります。この記事では、車の塗装に使われる塗料の違いや板金塗装の仕上がりについて詳しくご紹介します。

板金塗装で使う塗料
  • 大きく分けるとウレタンと水性の2種類
  • 塗装は複数の層になっている
  • 新車と板金塗装は異なる

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目次

板金塗装で必要な作業

車 塗装

板金塗装では、ただ塗るだけでなく、板金処理をしてから塗装します。塗装の前にどのように処理するかは、仕上がりに大きな影響を与えます。

板金

板金とは、車のボディの金属板を叩いたり引き延ばしたりして、元の形状に戻すことです。損傷が激しい場合は、フレームを修正したり、パネル交換することもあります。

専用の工具が必要になったり、フレーム修正機などの大型の設備も必要です。形状や場所によって叩くのか、パテで埋めて形状を整えるのか判断します。技術や経験が必要とされ、職人によって車を元の状態に戻されます。

塗装

塗装とは、修理した部分を塗料で塗装する作業のことです。塗装する前に、パテで下地を整えます。

下地を整えてから、色を調合してボディーを塗装します。完全に同じ色というものはないため、経年劣化した色に調合するだけでなく、ぼかし剤なども使いながら周囲と自然な仕上がりにする作業です。

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塗装の種類

塗装

板金塗装で使用する塗料は、大きく分けると2つあります。

  • ウレタン
  • 水性

それぞれの特徴をご紹介します。

ウレタン

ウレタン塗料は、ウレタン系樹脂が成分になっている塗料で、水性と油性に分けられます。板金塗装では、油性ウレタン塗料が用いられており、安価で入手しやすいという特徴があります。

仕上がりもきれいになりますし、耐久性にも優れている塗料です。水性塗料も一般的になっていますが、板金塗装ではウレタン塗料も用いられています。

水性

自動車メーカーで採用されていることが多い塗料です。シンナーなどを使用せずに使える塗料で、環境に優しい塗料として利用されることが多いです。また乾燥までに時間がかかるなどのデメリットがあります。また、耐久性の面でもウレタン塗料よりも劣ります。

板金塗装用の水性塗料もありますが、水性塗料を利用している板金業者は少ないといわれています。しかし新車で水性塗料が採用されているため、今後水性塗料がメインになっていく可能性もあるでしょう。

塗料のカラーの違い

塗料

塗装にはカラーの違いの他にも、4種類に分けられています。

  • ソリッド:単色カラー
  • メタリック:金属調の輝き
  • パール:上品な輝き
  • マイカ:雲母による絶妙な輝き

ソリッド

ソリッドは、黒や白など単色のカラーのことです。塗装してもクリアを吹かなくてもよいため、比較的シンプルな工程で板金塗装できます。色がはっきりしているのが特徴です。

クリアが不要であればシンプルな工程ですが、クリア塗装が必要な車両もあるため、他の塗装と手間が変わらないケースもあります。

メタリック

メタリックは、金属のような光沢があるカラーです。溶剤に樹脂が溶かされており、着色顔料にアルミ顔料が加えられている塗料です。

塗装面に光が反射してキラキラとした光沢があります。顔料の並び方が異なっていると、角度によって色の見え方が異なるケースもあります。塗装をしてからクリア塗装が必要です。

パール

パールカラーは、金属表現になっているのはメタリックと変わりませんが、メタリックよりも細かい粒子になっています。そのため、半透明の膜が積み重なり、真珠のような輝きがある塗料です。

メタリックよりも複雑な反射をするので、独特の光沢があります。メタリックと同様にクリア塗装が必要なカラーです。

マイカ

マイカは、光輝材の1つである雲母という鉱物を使用した塗料のことです。マイカの粉末が光を反射して、独特の光沢がある塗料です。

マイカ系のカラーではパールと同じように、半透明の塗装の層から複雑な反射をする光沢感があります。

板金塗装の層

車の塗装は何層にも積み重なっており、その層があるおかげで耐候性を高めたり、よりボディに密着したりします。

板金塗装を行うときにも、下地処理をしてすぐに塗装するのではなく、複数の層に分けて施工します。板金塗装する際の、塗り分け工程をご紹介しましょう。

下地

車の鉄板の上に、塗装のベースとなる下地を作っていきます。錆が発生しにくくなるように、防錆用の塗料が塗られます。この工程を挟まないと、錆が発生してしまい、塗装が膨らんで剥がれてくる原因になるからです。

塗装面の耐久性を高めるために、重要な工程となります。下地の上から塗装していくので、グレーや黒などの色の塗料を用います。

中塗り

下地ができあがると、中塗りを進めます。中塗りは塗装面と下地部分の密着を高めるための層です。また、表面を整えたり、上塗り部分を補強する目的もあります。

ボディーカラーと異なる塗料が用いられることもあれば、ボディーと同色が使われることもあります。

上塗り

上塗りは仕上げ用の塗装のことです。仕上げ用のカラーに配合して塗装を進めます。通常の配合だけでなく、周囲の色に合わせて調合するため、自然な仕上がりにするためのポイントといえる工程です。

ソリッドカラーでクリア塗装を行わない場合は、上塗りの工程で完成します。

クリア

クリアは名前の通り、透明な塗装を行う工程です。メタリックやパールなどのカラーは、このクリア塗装が不可欠となります。耐久性を上げたり、艶を出すのに必要です。

ソリッドカラーでは上塗りで完成させる場合もありますが、クリア塗装で仕上げる場合もあります。

新車と板金塗装の塗料の違い

車 鈑金 板金

板金塗装をするときによくいわれるのは、「新車と板金塗装は異なる」ということ。本当にそうなのでしょうか?

結論からすると、板金塗装では新車塗装を再現できないということになります。なぜかというと、新車塗装の場合は他の部品が装着されておらず、耐候性を高めるための焼き付け塗装になっているからです。

メーカーによって細かな工程は異なるものの、塗装が終えた状態で高温で焼き付けを行い、塗装を密着させます。板金塗装をする車の場合は、すでに様々な部品が装着されているため、焼き付けの工程が不可能です。

一般的な板金塗装で使うウレタン塗料は、硬化剤を混ぜて化学反応を起こして固めます。塗装後にヒーターで温めて化学反応を促進させることはありますが、焼き付けとは異なります。

新車塗装で用いられる焼き付け塗装は、約140度あるためプラスチック部品が溶けてしまうため板金塗装で使用できません。そのため、板金塗装を行うと「不自然には見えないほど奇麗に」仕上げることはできますが、10年単位で見た耐久性では焼き付け塗装に劣るのです。

新車の塗装と板金塗装の違いを考慮した結論からすると、できる限り板金塗装をしない方が耐久性に優れます。

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板金塗装はDIYできる?

塗装

板金塗装はDIYできるでしょうか?結論からすると、作業工程を把握して、道具を用意すれば可能です。しかし他の部位と違和感なく仕上げるのは難しいといえるでしょう。

一般的な板金塗装の工程は以下の通りです。

  • 下地作り
  • 研磨
  • 塗装

前述したように、叩いたりパテを使ったりしながら、下地作りを行います。ボディ形状に合わせて造形する必要があり、経験と技術が求められる工程です。

その後、研磨をして塗装面を平らにしてから、塗装作業を行います。これらの工程で専門工具などが必要になるため、揃える必要があるでしょう。さらに板金塗装のDIYで考慮すべき点を見ていきます。

ぼかし剤を使えば仕上げやすい

専門業者とは異なり、DIYで色の調合を行うのは難しいといえるでしょう。専門業者はメーカーの色をベースに、他の部位と色が合うように調合してくれるからです。

しかしDIYの場合は、メーカーの色で販売されているスプレーを用いることになるでしょう。もちろんコンプレッサーなどを所持していれば、色の調合をして塗装できる場合もあります。

しかし実際にはそこまで揃えるのは難しい場合が多いです。塗装面と周囲の違和感をなくすために使用できるのがぼかし剤です。

ぼかし剤はスプレーを使用した後に不自然な塗装を馴染ませます。塗装していないところと、塗装をしたところではスプレーダストや色が異なってきます。カラー塗料の粒子のつぶつぶにぼかし剤が入って溶解して、塗料を平らにするという流れです。

そのため、表面の色の差が少なくなり、離れてみたときに塗装面の違和感がなくなります。DIYで作業するなら、ぼかし剤を活用するとよいでしょう。

下地を整えるのは難しい

愛車に傷が入ると板金塗装で修理しますが、深い傷の場合は叩いたり、パテで埋める下地処理が必要です。この下地処理ですが、簡単のように見えて自然に仕上げるのは難しい工程です。

そもそも叩いたり引き出したりするのには、専門工具が必要な場合もあるため、DIYで工具を揃えるのかという懸念点があります。

道具を揃えたとしても、自然な仕上がりになるように、整えていくのは簡単ではありません。鉄板を整えた後には、凹凸をさらに滑らかにするためにパテ埋めをしていきます。

パテを盛ったときには、自然に仕上がっているように見えても、塗装してみると意外と凹凸があることも。やはり自然に仕上げるためには、プロに依頼する方がよいのです。

色の調合はプロに依頼するのが無難

ぼかし剤を使って色の違和感を少なくする方法をご紹介しましたが、スプレーの色味とボディの色味は異なってしまうのが懸念点です。

境目の違和感が少なくなると仕上がりが綺麗になりますが、しっかりと見ると塗装面とボディーの色の差が見やすくなります。

特に、バンパーなどで経年劣化しやすい部分であれば、スプレーの色との差がはっきりでることもあります。このような部分では、板金塗装業者の経験が活かされるでしょう。

他の部分との差を少なくするように色を調合するため、DIYするよりも自然な仕上がりになります。結局のところ「どこまでの仕上がりを求めるか」になりますが、近づいて見たときでも自然な仕上がりを期待するなら、プロである業者への依頼が無難です。

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板金塗装ならカミタケモータースへ

板金塗装を考えているなら、カミタケモータースへご相談ください。枚方近郊で新車や未使用車を販売しているカミタケモータースですが、車検はもちろんのこと、板金修理のモドーリー枚方店を運営しております。

モドーリーは板金の専門店で、精密フレーム修正機や焼き付け塗装ブースなど、高性能設備を備えています。質の高い仕上がりをご提供できるのが特徴です!

メーカーの塗料を備えているのはもちろんのこと、車の状態に合わせて調色していくため、自然な仕上がりを期待できます。

品質を保証する「仕上がり保証」があるため、納得いただけないときにはやり直しも可能。修理の品質を保証する「修理永久保証」もあるほど仕上がりには自信があります。

ぜひこちらから気軽にお問い合わせください。

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