ジープから登場した新型ミドルクラスSUV「コマンダー」は、扱いやすいボディサイズながら3列シートで7人乗りに対応する、実用性に優れたモデルです。
走り・サイズ・実用性のバランスが取れた、まさに“SUVの原点”ともいえるような仕上がりとなっています。この記事では、ジープのコマンダーについて詳しく解説します。



JEEP コマンダーとは?|モデル概要とポジション
コマンダーの名前の由来と歴史

画像引用元:Commander(コマンダー)|Jeep®
ジープの「コマンダー」は、2006年から2009年にかけて日本で販売されていた初代モデルがあります。
初代コマンダーは、当時のグランドチェロキーと同様に、モノコック構造のボディにラダーフレームを組み合わせた堅牢なシャシー構造が特徴の3列シートSUVでした。ジープの中でも最高価格帯に位置し、フラッグシップモデルとして登場したのです。
しかし、その販売期間は意外なほど短く、日本市場ではわずか3年。北米やオーストラリアといった主要市場でも4年程度で姿を消し、短命なモデルとなってしまいました。
そんな“コマンダー”の名が、再び日本に戻ってきます。2021年に導入された新型は、ジープの新たな7人乗りミドルクラスSUVとして登場しています。外観はグランドチェロキーの流れを汲む堂々としたルックスを持ちつつも、サイズ感は日本でも扱いやすい範囲に抑えられており、より現実的な使いやすさを備えたモデルとなっています。
新型コマンダーの開発には、ジープ「コンパス」などに採用されているエンジン横置きのプラットフォームがベースとして用いられています。生産はインドとブラジルの2拠点で行われており、日本仕様はインド工場から供給されます。
他のJEEP車種との違い
コンパス

画像引用元:Compass (コンパス)|Jeep®
ジープの3列シートSUV「コマンダー」はミッドサイズのSUVで、かつて人気を集めた「チェロキー」の後継的なポジションともいえるモデルです。そして注目すべきは、ジープブランドとして初めてディーゼルエンジンを搭載したこと。力強く静かな走りが魅力です。
7名乗車に対応する3列シートの室内には、最新の安全装備も多数搭載。デザイン面では、ジープのフラッグシップモデル「グランドチェロキーL」からインスピレーションを受けており、上質さと重厚感を併せ持った外観に仕上がっています。
一方で、ジープの「コンパス」は2列シート・5名乗りのモデルです。グランドチェロキーのDNAを最も色濃く受け継いだ直系のクロスオーバーSUVであり、日常使いにちょうどいいコンパクトなサイズ感が魅力です。ボディサイズに関しては、コマンダーのほうがひと回り大きくなっています。
コンパスは、角の取れたデザインやコンパクトなフォルムによって、どこか親しみやすく愛嬌のあるルックスをしています。対するコマンダーは、グランドチェロキー譲りの重厚なフロントフェイスと、リアオーバーハングが延長されたことで生まれる迫力あるプロポーションが特徴的です。
新しさとジープの伝統をうまく融合させたデザインは、まさに“今の時代のジープ”と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっています。
ラングラー

画像引用元:Wrangler(ラングラー)|Jeep®
ジープ ラングラーは、アウトドアシーンを中心に活躍する、“本格派”オフロードSUVです。
深い雪道や急な斜面といった過酷な環境でも、しっかりとトルクを発揮しながら安定した走行を可能にする、圧倒的な走破性能が魅力です。
そんなラングラーという名前には、「タフな仕事をこなす者」という意味が込められています。語源をたどると、「ラングラー」とはもともと酪農などに従事する人々を指す言葉で、カウボーイもその一部に含まれています。
ラングラーの歴史は、1987年に登場した初代YJ型から始まりました。日本国内での販売が本格的にスタートしたのは、2018年のことです。
現在は、4代目となる現行モデルが販売中で、2025年2月時点ではマイナーチェンジを経て、デザイン・装備ともにさらに進化しています。伝統的な2ドアモデルは、かつてアメリカで軍用として使用されていたジープ「CJ」の流れをくむ存在です。その後、利便性を高めた4ドア仕様「アンリミテッド」も登場し、より多くのユーザーに支持されるようになりました。
力強く無骨なラングラーのボディは、まさにオフロード向けの“道具感”を体現しており、ジープブランドの中でも最も「ジープらしいジープ」と表現して差し支えないモデルです。ラングラーには走りと歴史に裏打ちされた存在感があります。
ラングラーはコマンダーと比較して、よりオフロード感が強くなります。オフロードを意識させるデザインのラングラーとキャラクターが少し異なっているのが特徴です。
エクステリア・インテリアの特徴
堂々としたフロントマスクとボディサイズ

画像引用元:Commander(コマンダー)|Jeep®
エクステリアデザインには、ジープのフラッグシップモデルであるグランドチェロキーの血統がしっかりと受け継がれています。
フロントまわりでは、ヘッドランプと一体化した「セブンスロットグリル」や、ジープらしい台形のホイールアーチなど、ブランドを象徴する意匠が採用されています。
さらに、ブラックペイント仕上げのルーフや、ガーニッシュと一体になったリアコンビランプなどにより、SUVでありながら上質な雰囲気もしっかり演出されています。
ボディサイズは全長4,770mm×全幅1,860mm×全高1,730mmで、ホイールベースは2,780mm。街中での取り回しにも配慮されたサイズ感ながら、しっかりと存在感のあるプロポーションとなっています。
見た目の力強さに加えて、細部の仕上げにまでこだわりを感じさせる、外観に仕上がっています。
3列シートSUVとしての室内空間とシートアレンジ

画像引用元:Commander(コマンダー)|Jeep®
シートレイアウトは、2+3+2の3列7人乗り。各シートにはリクライニング機能が備えられており、長距離移動でも乗員それぞれが快適な姿勢で過ごせます。
3列目へのアクセスもスムーズで、リアドアは最大80度まで大きく開く設計。さらに2列目シートにはワンタッチで前に倒せる“タンブル機能”も組み込まれており、使い勝手は非常に良好です。
ラゲッジスペースは、7人乗車時で170L、2列目までを使った5人乗車時には最大481Lと、日常使いには十分な容量を確保しています。
状況に応じてシートアレンジが簡単にできる設計のため、家族旅行やアウトドアなど、多様なシーンで活躍してくれるでしょう。
内装の質感・安全装備

画像引用元:Commander(コマンダー)|Jeep®
日本国内では、まだまだ選択肢が限られている3列シートSUVですが、コマンダーはその中でも比較的コンパクトなボディサイズを活かし、扱いやすさと多人数対応を両立しているのが魅力です。
その結果、ジープブランド内では、ラングラーやレネゲードに続き、販売台数3位という堅調な人気を集めています。
室内は、上下2層構造のダッシュボードが印象的で、そのまわりを囲むように配置されたシルバーのインレイ加飾が上質さを演出しています。
センターコンソールには10.1インチのタッチパネル式モニター、メーター部には10.25インチのフルデジタルクラスターが採用されており、先進性も申し分ありません。
コマンダーは、ジープらしい骨太な走りに、実用性と先進性をしっかりと融合させたSUVです。「ジープに乗ってみたいけど、家族で使えるモデルがいい」とお考えの方におすすめしたいモデルです。
エンジンスペック・走行性能

画像引用元:Commander(コマンダー)|Jeep®
採用されているエンジンと燃費性能
ジープ・コマンダーに搭載されているパワートレインは、2.0L直列4気筒ディーゼルターボエンジンです。最高出力は170PS、最大トルクは350N・mを発揮し、街乗りから高速道路、そしてオフロードまで、あらゆるシーンで頼りがいのある走りを実現してくれます。
このエンジンは、ディーゼルらしい低回転からの力強いトルクに加えて、静粛性にも優れているのが特長です。アクセルを軽く踏むだけでスムーズに加速していく感覚は、普段使いでも心地よく感じられるはずです。
トランスミッションには9速オートマチックを採用しています。ギアの段数が多いため、エンジンの回転数を常に効率よく保ちやすく、変速ショックも少なく滑らかで、長距離移動時の疲労感も抑えられる構造になっています。
環境性能の面では、尿素SCR(選択還元触媒)システムが搭載されており、排出ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を化学的に浄化。クリーンディーゼルとしての基準をしっかりクリアしています。「ディーゼル=環境に良くない」といった従来のイメージを覆す、現代的なディーゼルエンジンです。
駆動方式(4WD)やトランスミッションの特徴
ジープ・コマンダーには、ブランド独自の電子制御4WDシステム「ジープ アクティブドライブ」が採用されています。このシステムは、走行中の路面状況を検知しながら、前後輪への駆動力を自動で最適に配分してくれるのが特長です。
たとえば、滑りやすい雨天時や雪道、ぬかるんだ路面などでも、ドライバーが特別な操作をしなくてもクルマが状況を判断し、常に安定感のある走りをサポートしてくれます。
「4WDって、オフロードを走る人向けですよね」と思われがちですが、実は日常の街乗りでも恩恵が大きい装備です。ふとした瞬間の“滑りそう”という不安を、クルマ側が先回りしてカバーしてくれる頼もしさが、このシステムにはあります。
また、路面に応じて走行モードを選べる「セレクテレインシステム」も標準で搭載されています。この機能は、ドライブ中にボタンひとつでクルマの特性を切り替えられる便利なもので、3つのモードから選択可能です。
- AUTO(オート):走行状況に応じて自動で制御を最適化する基本モード
- SNOW(雪道):雪や凍結路でも滑りにくく、安心して走行できるモード
- SAND/MUD(砂・ぬかるみ):砂地や泥道での脱出性を高める悪路向けモード
このように、季節や路面状況が変わっても、安心して走れるような工夫が施されているのが嬉しいポイントです。
そしてもうひとつ頼りになる装備が、「ヒルディセントコントロール(HDC)」です。この機能は、急な下り坂を走行する際に、ブレーキ操作をしなくてもクルマが自動で低速を保ってくれるというもの。
スキー場の帰り道や、雨でぬかるんだ下り坂でも、ドライバーはステアリング操作に集中するだけで安心して走行できます。
このように、ジープ・コマンダーは、日常の通勤や買い物といった街乗りはもちろんのこと、雪道や山道などの走りにくい環境でもしっかりと対応できる多才なSUVです。
「頼れる走破性」と「扱いやすい日常性」がバランスよく融合されており、初めてジープに乗る方にも自信を持っておすすめできる一台と言えるでしょう。

安全性能・先進装備

画像引用元:Commander(コマンダー)|Jeep®
ジープ・コマンダーに搭載されている先進運転支援システム(ADAS)は、ジープらしい走破性を支えるだけでなく、現代の運転シーンに必要な快適性と安全性も高いレベルでカバーしています。
まず、電動パーキングブレーキが装備されていることで、アダプティブクルーズコントロール(ACC)は全車速対応タイプとなっており、低速域での渋滞にも対応してくれます。
高速道路では、ACCと連動して車線の中央をキープする「ハイウェイアシスト」も機能し、長距離移動時の疲労を大幅に軽減してくれます。
さらに、車線からはみ出しそうになったときには、「アクティブレーンマネジメント」が作動。車両をグッと車線中央に戻す制御が入るのですが、思った以上に力強くて驚くほどです。いざというときの安心感は大きく、信頼を持たせてくれます。
「乗り味はどこかクラシックな味わいがある」と感じる場面もありますが、その一方で、搭載されている運転支援機能はまぎれもなく“最新世代”のものです。
クラシカルなSUVの骨太な雰囲気と、現代的な先進装備の組み合わせになっています。ジープ・コマンダーは、アナログとデジタルのバランス感覚に優れた1台だといえるでしょう。
コマンダーの価格
ジープのコマンダーの価格は以下の通りです。
LIMITED
5,990,000円
ライバル車との比較
三菱 アウトランダーPHEV

アウトランダーPHEVとジープ・コマンダーは、いずれも7人乗りに対応したミドルサイズSUVですが、それぞれ異なる個性を持っています。アウトランダーは2.4Lエンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド方式を採用しており、電動走行ならではの静かで滑らかな走りに加え、低燃費や環境性能の高さが魅力です。ツインモーター式の4WDシステムにより、雪道やぬかるみといった悪路でも安定した走行が可能です。
一方のジープ・コマンダーは、2.0Lディーゼルターボエンジンと9速ATの組み合わせで、力強いトルク感とゆとりのある高速巡航性能が光ります。走りのスムーズさやインテリアの高級感も特徴で、長距離ドライブやアウトドア用途にぴったりです。
環境性能や日常の使いやすさを重視される方にはアウトランダー、走行性能やブランドイメージを重視する方にはコマンダーがおすすめと言えるでしょう。

マツダ CX-80

マツダCX-80とジープ・コマンダーは、どちらも3列シートを備えたSUVですが、それぞれ異なる魅力を持っています。CX-80は、直列6気筒ディーゼルエンジンと後輪駆動ベースの設計により、上質で落ち着いた走りが楽しめます。室内にはキャプテンシートを備えた6人乗り仕様もあり、大人がゆったりくつろげる空間が広がっています。
一方、ジープ・コマンダーは2.0Lディーゼルターボエンジンに9速ATを組み合わせた力強い走行性能が特徴です。ジープらしい無骨なデザインに加え、3列目までしっかり使える実用性も備えており、アウトドアやロングドライブにもぴったりです。走りの上質さを重視される方にはCX-80、家族でのアクティブな使い方を考えている方にはコマンダーがおすすめです。


カミタケチャンネル!
【試乗レビュー】ジープ・コマンダー リミテッドをチェック!実用性と高級感を兼ね備えた本格SUV
今回は、ジープ正規ディーラーのご協力のもと、ついに「ジープ・コマンダー」の試乗が実現しました。
SUVというとラングラーやグランドチェロキーを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、このコマンダーはジープの中でも“実用性重視の3列シートSUV”という立ち位置です。国産車でいえば、ハリアーやRAV4、アウトランダーと比較されるサイズ感と装備です。
■ ジープ・コマンダーの販売グレードは“リミテッド”のみ

今回試乗したのは「リミテッド」グレード。というより、日本での展開はこのリミテッド1本です。選べるオプションは「サンルーフの有無」のみ。つまり、ほぼフル装備が“標準”で揃っている車というわけです。

あれこれ迷う必要がないのはありがたいですね
まさに、スマートな選択肢と言える仕様です。
■ 男心をくすぐるジープブランド

やっぱり、男は一度はジープに憧れますよね

通りましたね、自分も。しっかり通過しました
ジープというブランドに対する憧れは、世代やライフスタイルを超えて根強いものがあります。コマンダーは、その中でもファミリー層やアウトドア派を意識した実用的なモデル。ラフなイメージのジープとは少し異なり、「使えるジープ」としての魅力が詰まっています。
そしてこのコマンダーは、ラングラーなどに比べるとより実用性が高く、比較対象としてはハリアー、アウトランダー、RAV4など、国産の上級SUVクラスが視野に入ります。
■ サイズ感:堂々たるボディで余裕の3列設計
コマンダーのボディサイズは全長4,770mm、全幅1,860mm。ミニバンの代表格であるノア(全長4,690mm)よりも長く、幅も広い堂々たるサイズです。

え、ノアより長いんですか? じゃあ僕、横になっても収まらないですね

一度寝転がって確かめてみてください(笑)
ホイールは18インチで、タイヤサイズは235/55R18。しっかりした扁平率でSUVらしい存在感が足元からも漂います。
■ 外装チェック:ジープらしい無骨さと都会的な装飾のバランス

ボンネット上部には立体的な装飾が施され、SUVらしい力強さを演出。似た印象を最近の車で挙げるなら、マツダCX-60のようなボディ上面のアクセントが近いイメージです。

扉に装飾があるのは珍しいですね

たしかに。大体はフードの方に寄ってますもんね
また、ブランドスポットモニターは三角形のランプで、視認性が高く安全性にも配慮。サイドミラーには「Jeep」のロゴが刻まれており、細部にまでブランドイメージが行き届いているのが印象的です。
■ 重厚な「ドアの音」から始まるジープ体験

この音、めっちゃ高級感ある……

わかります?ドア閉めたときの“ドン”って音、しびれますよね
最初に感動したのが、ドアを開閉したときの音。軽すぎず重すぎず、「しっかりと守られている」安心感があります。
■ エンジン始動。2.0Lディーゼルの存在感
さっそくエンジンを始動すると、2.0Lディーゼルターボの低く引き締まったサウンドが響きます。振動やノイズは最小限で、耳に届くのは“クルマの芯”のような音。

これ、ディーゼルですよね?すごい静か

低音が太くて気持ちいいです
ミニバンと比べると車内はややタイトですが、SUVらしい包まれ感が心地よく、むしろドライバーにはちょうどいいサイズ感でした。
■ クルーズコントロールは国産車と大差なし
まず、クルーズコントロールまわりの操作性については、国産車と大きな違いはありません。ただし、一部の操作系統では注意が必要です。
たとえばウインカーの位置。日本車とは左右逆で、ウィンカー操作のつもりがワイパーを動かしてしまうという“あるある”ミスには注意が必要です。
■ 10.1インチのディスプレイは視認性・操作性ともに◎
標準装備の10.1インチ・タッチパネルディスプレイは、操作もスムーズ。USBポートはType-CとType-Aの両方が揃っており、置くだけ充電にも対応しています。

タッチの反応めっちゃ良いですね

スワイプもストレスないし、これならナビ操作も快適
■ シートヒーターや音響システムなど、快適装備も充実
「コンフォート」という項目を選択すると、シートヒーターやエアコン連動機能などを操作可能。試しにヒーターを入れてみると、すぐに背中が温かくなってきました。

あっついあっつい、早い!(笑)

でも直し方がちょっとわからない……(笑)
そして音響にも抜かりなし。標準で9スピーカー+サブウーファー1基を備えたプレミアムサウンドシステムを搭載。

音質、かなりいいですよこれ。音楽好きも満足できそう
■ カメラ画質がとにかくキレイ!安全装備にも注目

モニター下に配置された「カメラ」ボタンを押すと、全周囲モニターが起動。画質が驚くほど鮮明で、駐車時の安心感がぐっと高まります。

うわ、めっちゃキレイ。これ、実車で見てほしいレベル
さらに、ナビ下部には衝突防止系のボタンが集約されており、パーキングセンサー、自動駐車支援のオンオフなどがすぐに操作できる仕様になっています。
■ 電子パーキング・ブレーキホールドも当然装備
チェックしたのは操作系。

電子パーキングブレーキ、ちゃんとありましたね

ホールド機能もついてるの、信号待ちとか助かるやつです
快適性・機能性・安全性、すべてが揃ったインテリア。しかも、それらが「ちゃんと使いやすい場所」に配置されているのが印象的でした。
■ リアシートは快適。全席オートウィンドウにも注目


後ろ、めっちゃ広いです

しかもこの状態で前席に人がいても、まだ余裕ありますよ
後席に座ってみると、しっかりとしたクッションと足元スペースのおかげで快適に過ごせる印象を受けました。
さらにうれしいのが、すべての窓がオートウィンドウ仕様という点。一般的には運転席だけオートで、他席は手動だったりしますが、コマンダーでは全席でスイッチひとつで開閉が可能です。
■ 電動リアゲート&細やかな操作系に配慮あり
まずはリアゲート。もちろん電動開閉式で、開閉ボタンの位置が低めに設計されているのが特徴です。

あ、ボタンここなんですね。上じゃないのありがたい

そうなんですよ、上の方だと背が低い方やお子さんが届きにくいんですよね
ユーザビリティへの配慮が感じられるポイントです。
さらに、リアゲート周辺には電源ソケットやACコンセントも設けられており、アウトドア用途にも適しています。
■ エアコン吹き出し口&多彩な電源まわり

後席にはエアコンの吹き出し口もあり、温度調整がしっかりと行える仕様です。さらに、USB端子(タイプA・C)に加え、AC115Vコンセントも搭載。

「あれ、115Vって高めじゃないですか?」

「そうですね。日本の家庭用が100Vなので、使用する電化製品によっては注意が必要ですね」
電力の大きい機器を使用する際は、仕様を確認することをおすすめします。
■ 3列目シートのアクセス性と快適性をチェック

2列目シートを“くるん”と前に倒すと、3列目へのアクセスが可能になります。レバー操作ひとつでスムーズに動かせるのは◎。

お、しっかり倒れた。アクセスしやすい

これは大人でも乗り込める高さですね。でもちょっとステップは高めです
実際に3列目に座ってみると、スペースはややタイトで、姿勢は“体育座り”に近い体勢になります。

シエンタの3列目みたいな感じですね

一応人は座れるけど、荷物メインで使うほうが現実的かも
■ 3列目は脱出ルートに要注意?
一点、気になったのは3列目からの降車方法。2列目が倒れていないと、内側から直接ドアを開けられない設計になっている点です。

これ、後ろから開けようとしても無理ですね…

一緒に乗ってる人に、2列目開けてもらわないと出られないです
小さなお子様や高齢者の乗車時には、事前に操作方法を共有しておくと安心です。
■ 発進はスムーズ。高いアイポイントで視界良好
ギアをドライブに入れると、自動でパーキングブレーキが解除。国産トヨタ車のような感覚で違和感がありません。

お、やっぱりこの操作はスムーズですね

はい。すっと走り出せるのはありがたいです
SUVならではのアイポイントの高さもあり、視界が広く安心感があります。
■ ディーゼルの“芯のある低音”と9速ATの滑らかさ

搭載されているのは、2.0Lのディーゼルターボエンジン。その走り出しはトルクフルで、低回転でもしっかりとしたパワーを感じます。

エンジン音、低くて落ち着いてますね

これはディーゼルならではの良さですよね
ハンドルはやや太めですが、これが逆に手のひらにしっくり馴染む印象です。

太めだけど、安心感ありますね。細すぎるよりいいかも
変速は9速ATを採用しており、加速時のショックもなく、非常に滑らか。国内ではすべての段を使い切るシーンは少ないものの、高速巡航時の静粛性や燃費性能には効果的です。
■ シートの硬さが絶妙。“挟まれているような安心感”

シートの座り心地も好印象。柔らかすぎず、かといって硬すぎない絶妙なバランスです。

これ、ふわふわじゃなくて“包まれてる”感じしますね

体をしっかりホールドしてくれてる感じ。好きですね、これ
■ ナビ画面の角度設計が絶妙。俯瞰的で見やすい
センターに設置されたディスプレイは、やや上向きの設計で視認性良好。
俯瞰気味の角度で情報を見下ろすように確認できるため、運転中も自然な視線移動で済みます。

このナビ、見やすいですね。ヌルヌル動くし

ほんと滑らか。角度も丁度いいです
■ 坂道でも余裕の加速性能

試乗中に中規模の坂を上ってみましたが、アクセルを軽く踏んだだけでグイグイ登る印象。

これ、めっちゃ登りますよ。アクセルあまり踏んでないのに

坂でストレスないって、日常使いでも助かりますよね
■ WLTCモード燃費14.4km/L。巨体でも高効率
気になる燃費はWLTCモードで14.4km/L。

このサイズで14超えはすごいですね

2.0Lディーゼルとは思えない滑らかさと効率
ジープ=燃費が悪い、という先入観は、少なくともこのコマンダーには当てはまりません。
■ 自動駐車アシストの精度も高い

せっかくなので、自動駐車アシスト機能も試してみました。
操作は簡単。ディスプレイに表示された指示に従ってシフト操作を行い、あとはブレーキを踏むだけ。ステアリング操作は車がすべて行ってくれます。

おお、勝手に回ってる!

これ、思ったよりぴったり決まりましたね。すごい…
複数回の切り返しが必要かと思いきや、1回の操作でスムーズに駐車完了。

この車格でこれだけ精度高いなら、初めてのSUVにも安心ですね
当店では、ジープ・コマンダーの試乗車を実際にご覧いただけます。現在、1台在庫ありの状態です。

このコマンダーだけでなく、アウトランダーやフォレスターもあります

国産SUVとの比較検討も一度にできるのが強みです
少し大きめのSUVを検討中の方には、“実用と個性のバランス”という視点からもぜひ見てほしい1台です。
まとめ
ジープのコマンダーは、ワングレードで選択しやすいモデルです。3列シートの使い勝手の良さや安定感ある走行性能が魅力です。大きめサイズのSUVを探しているなら、コマンダーを考慮するのはいかがでしょうか?
ミドルサイズからラージサイズのSUVを探しているなら、ぜひお気軽にスタッフまでご相談ください。


