自動車税を滞納するとどうなる?期限を過ぎた場合の延滞金や放置するリスク

自動車税滞納

自動車を所有していると、毎年5月頃に自動車税の納税通知書が送付されます。自動車税は、滞納していると延滞金が発生するだけでなく、最終的には差し押さえになる可能性もあります。

納付期限を過ぎた場合でも所定の方法で支払う必要があるため、どのように支払いできるのか把握しておくべきでしょう。

この記事では、自動車税を滞納した場合のリスクや期限を過ぎたときにどのように支払うのか詳しくご紹介します。

自動車税について分かること

  • 自動車税は毎年5月頃に納付書が届く
  • 期限までに支払う必要がある
  • 滞納すると延滞金が発生する
  • 最終的には差し押さえになる
目次

自動車税は毎年5月頃支払う税金

自動車税とは、その年の4月1日に車検証に記載されている所有者が支払う都道府県税です。自動車を所有していることで課税されるため、使用状況や走行距離に影響されません。

自動車税は前払いとなり、4月1日時点での所有者が、4月1日から翌年3月分までの1年分を支払います。

普通自動車の場合の自動車税額は以下の通りです。

総排気量令和元年9月30日以前新規登録令和元年10月1日以後新規登録
1L以下29,500円25,000円
1L超~1.5L以下34,500円30,500円
1.5L超~2L以下39,500円36,000円
2L超~2.5L以下45,000円43,500円
2.5L超~3L以下51,000円50,000円
3L超~3.5L以下58,000円57,000円
3.5L超~4L以下66,500円65,500円
4L超~4.5L以下76,500円75,500円
4.5L超~6L以下88,000円87,000円
6L以上111,000円110,000円

自動車を所有しているなら、毎年自動車税を支払えるように、事前に予算計画しておく必要があります。

軽自動車の場合は軽自動車税

軽自動車を所有している場合は、軽自動車税を支払います。自動車税よりも安く、こちらは市町村税となります。

新車登録年月平成27年(2015年)3月31日以前平成27年(2015年)4月1日以降
新車登録から13年未満7,200円10,800円
新車登録から13年以上12,900円12,900円

軽自動車税は、普通自動車の自動車税と比較して安くなっていますが、やはり支払期日までに支払う必要があります。

軽自動車を所有しているなら、維持費の計算をしておきましょう。

自動車税を払い忘れるとどうなる?

注意

自動車税を期日までに支払わないと、延滞金が発生します。

延滞金が発生する時期

延滞金は、支払期日の翌日から発生します。

たとえば東京の場合では、納期限の翌日から1か月を経過するまで2.4%、納期限の翌日から1か月を経過した日以降は8.7%の延滞金の率が加算されます。

東京都主税局
大阪府

延滞金は、翌日から発生しますが一定期間が過ぎると督促状が届き、その後に財産の差し押さえになります。

自動車税を払い忘れると、まずは督促状が届きます。もしこの督促状に書かれている期日までに納付しないなら、法律に基づき差し押さえなどが行われる可能性があります。

自動車税の納期限から20日が超えてしまうと、督促状が届く可能性がるため注意しましょう。納付書の取扱期限内ならコンビニなどで納付できますが、取扱期限を超えているなら再発行してもらうか、税事務所の窓口で支払います。

自動車税を期日前に支払うべき理由

理由

自動車税を期日前に支払うべきなのは、延滞金が発生する他に、さまざまなリスクがあるからです。

  • 車検に通らない
  • 延滞金が発生する
  • 差し押さえになる

車検に通らない

自動車税を支払っていないと車検に通りません。車は新車から3年、その後は2年ごとの車検を受けますが、その際に納税証明書や電子記録が必要です。金融機関やコンビニで支払った際には、半券が渡されますし、クレジットカードで支払った場合も電子記録が残っています。

いずれにしても、納付した記録が必要となるため、滞納していると車検を受けられません。車検が切れると公道を走ることができないため、走行できない状態です。

一度車検が切れてしまうと、車検を受けるための移動も不可能なので、注意しましょう。

延滞金を支払う必要がある

納期限の翌日から、延滞金が発生します。既述した延滞金の率が加算されて、納付する際に追加して支払います。

実際には、1,000円未満や100円未満の端数は切り捨てられますが、納付するのは延滞金率を加算して計算した額です。

延滞金は自治体などによって異なる部分があるため、期日を過ぎたなら事前に確認しておきましょう。

差し押さえのリスクがある

自動車税を滞納していて、督促状も届いているのに、納付しないと最終的に差し押さえがあります。

差し押さえになると、給与や車など財産と判断されるものが自由に使えなくなります。法的拘束力がある差し押さえになると、勤務先にも連絡されますし、車もロックされて使用できません。

さらに費用がかかるだけでなく、信用もなくしかねないので、期日前までに支払うようにしましょう。

滞納した場合の差し押さえまでの流れ

自動車税は滞納すべきではないことを解説してきましたが、差し押さえになるまでの流れもご紹介しましょう。

1:督促状が郵送される

納期限を過ぎても納付していないなら、20日以内に督促状が郵送されます。支払いが確認できてない税金に対して、支払いを促す書類が届きます。

督促状が届いている時点で、延滞金は発生していますので、すぐに支払うようにしましょう。1回目の督促状が届いても納付していないなら、2回目の督促状が届きます。

2:催告書が届く

督促状が届いていても納付していないなら、催告書が送られます。延滞金や差し押さえについても記載されている書類です。

納付を促すよりも警告に近い書類になるため、すぐに支払うようにします。

3:差し押さえ予告通知が届く

催告書が届いても納付しないなら、差し押さえ予告通知が届きます。この書類が届いた時点で、差し押さえの実行日が記載されているので、差し押さえ前の最終段階です。

金融機関や勤務先への調査が行われ、最終的に財産が差し押さえられます。

差し押さえの対象

差し押さえの対象となるのは、以下のようなものです。

  • 銀行口座
  • 給料
  • 自動車
  • 不動産

銀行口座に入金されている自動車税の滞納分の現金が差し押さえられます。すべての現金が差し押さえられる訳ではありませんが、差し押さえられたという履歴が残ります。信用情報に傷がつくため、ローンなどの審査に影響が出る場合もあるでしょう。

また、勤務先に給与から自動車税滞納分を差し引くように通知されます。1回に全額差し押さえられるというよりも、複数回に渡って差し押さえられていきます。

口座や給料などを差し押さえられないときには、自動車が差し押さえられることもあるでしょう。この場合、タイヤロックなどされて使用できないようにされ、納付されないと競売にかけられます。

自動車税の支払い方法

支払い

以前は、金融機関や公共機関の窓口に出向いて納付する必要がありましたが、複数の支払い方法があります。

自宅にいながらでも納付できるので、便利になっています。いくつかの支払い方法を見ていきましょう。

金融機関やコンビニ

納付書を持って金融機関やコンビニで支払います。電子マネーでの支払いも対応している場合もあるため、買い物のついでにコンビニで支払い、さらにポイントを貯めたい方におすすめの支払い方法です。

半券に受領印を押してもらえるので、納付してからすぐに車検があるなら、金融機関やコンビニで支払うとよいでしょう。

クレジットカード

クレジットカードでの支払いは、専用サイトから行います。カードで支払うと、ポイントが貯まったり、実際の引き落とし日を延ばせるという特徴があります。

しかしクレジットカードは、手数料が必要な点は注意が必要です。また、納期限を過ぎると使用できないため、期日前に払うようにしましょう。

口座振替

口座振替は、事前に申し込みをしておき、金融機関の口座から自動で支払う方法です。納付通知書が届いてから申し込みをしても、間に合わない場合もあるため、時間に余裕を持って申し込みしておきましょう。

スマホ決済

各種スマホ決済にも対応しています。すべてのアプリというわけではありませんが、複数の選択肢があるので、使用しているものがあれば簡単に支払いできます。

納付書に印刷されているQRコードなどを読み取り、アプリで支払いができるので簡単です。

ペイジー

自治体によっては、ペイジーに対応しています。ネットバンキングやATMで支払える方法です。納付書にペイジーのマークがあれば、数字を入力すると納付できるので簡単です。

期限を過ぎた場合の支払い方法

納付期限を過ぎた場合には、金融機関や公共機関の窓口で現金で支払うことになります。コンビニなどでは支払いできないため、注意しましょう。

クレジットカードを持っているなら、クレジットカード払いにすれば実際に引き落とされるのは次の月となります。

期限を過ぎたなら延滞金が発生したり、支払い方法が限られるので、期日前に支払いましょう。

自動車税を支払うのが難しい場合の対処法

ポイント

万が一自動車税を支払うのが難しい場合の対処方法は、猶予制度の利用や分割払いがあります。

自動車税の猶予制度

自動車税を支払うのが難しいなら、納付書が届いた時点で都道府県納税事務所や役所に相談しましょう。条件を満たしているなら、分割納付が認められることがあります。

『どうしても厳しいときに税務署へ相談すると、支払期日の異なる複数枚の納付用紙に分けて再送してもらえました』という例があります。

分割納付が認められなかったとしても相談しているなら、納付の意思があると判断されます。期日までのお金の工面が難しいなら、すぐに相談するようにしましょう。

クレジットカードの分割にする

クレジットカードの分割払いも考慮できます。クレジットカードでの支払いで手数料がかかるだけでなく、分割手数料が発生する可能性があるのは注意点です。

しかし納期限までに支払わず、督促状などが届くことを考えると分割払いにしておくほうがよいでしょう。

自動車税の還付

支払い

自動車税は、1年分の前払いとなります。そのため、納付書が届いたタイミングで納付する必要はありますが、車両を売却したり、廃車したりすると還付される場合があります。

車を売却するときには、自動車税の還付自体はないですが、買取業者が自動車税分を上乗せして買取してくれることが多いです。

また、4月1日前後で取引する場合、以前の所有者と新所有者のどちらが支払うのかを決めておく必要もあるでしょう。

後からトラブルにならないためも、査定や手続きの際によく確認しておきましょう。

廃車した場合には、抹消登録手続きが完了すると、数か月後になりますが還付通知書が郵送されます。必要物を持参して金融機関に持参して還付金を受け取ります。

自動車税を滞納しないためにできること

自動車税を滞納しないために、事前に維持費の計算をしておくのは大切です。クレジットカードの分割払いを行ったり、納付の相談もできるでしょう。

自動車税を含めた維持費用の負担が難しいなら、自動車を手放すという選択肢もあります。ほとんど車に乗らないなら、必要なときだけレンタカーなどを借りることも可能だからです。

自動車税を滞納すると、延滞金が発生したり、最終的に財産を差し押さえられてしまいます。その後の信用情報のためにも、納期限までに支払うようにしましょう。

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