デントリペアって何?板金との違いや業者の選び方

デントリペア

事故の他にも、自損事故でちょっとだけ車を凹ませてしまうことがあります。板金修理では塗装が含まれているので、費用負担を抑えながら修理できないか気になる方もおられます。

手軽に修理をしたい方におすすめなのが、デントリペアです。本来の塗装を活かしながら修理する方法なので、費用負担を抑えたい方や塗装が気になる方におすすめです。

そもそもデントリペアとはどのようなものでしょうか?板金との違いや業者の選び方をご紹介します。

\愛車のメンテナンスについてはこちら /
カミタケモータース公式サイト

目次

デントリペアとは何?

デントリペア

デントリペアは、自動車の小さなへこみを専用の工具や技術を使って修復する方法です。

正式な名称は、「ペイントレスデントリペア」といいます。板金塗装をしないので、新車時の塗装を活かせることが大きな特徴です。

従来の板金塗装と異なり、元の塗装を保持しながら凹みを直すため、車の価値を維持しやすく、迅速な修理が可能です。

特に、小さなへこみやドアディングに最適で、車の見た目を改善し、修理後も車の元の状態を維持することができます。

へこみ修理との違い

従来のへこみ修理は、損傷した部分を取り替えたり、塗装をし直したりすることが多いですが、デントリペアでは、元の塗装をそのままに凹みを修正します。これにより、修理時間が短縮され、車の元の塗装色や質感を保つことが可能になります。

一般的なへこみ修理は、パテを使って段差を形成したり、吸盤式工具を使って修理したりする方法です。表面を形成したり、ひっぱる方法ですが、デントリペアは裏から修理していく点が異なります。

板金塗装との違い

板金塗装は、損傷した部分の金属板を形成し直し、新しい塗装を施すことで修理を行います。へこみ修理と同じ作業手順も含まれていますが、パテを使って元の形状に仕上げてから、塗装を行います。

板金塗装では、最終的に塗装仕上げを行うのが異なる点です。職人がボディの色に近くなるように調合して、違和感なく仕上げます。

これに対し、デントリペアでは塗装は行わず、特殊な工具を用いて凹んだ部分を元に戻すため、より迅速かつコスト効率の高い修理が可能です。

デントリペアの仕組みや技術

ハンマー

使用されるツール

デントリペアには、以下のようなツールを使用します。

  • プッシュツール
  • ドアツール
  • ハンドツール
  • プーリングツール
  • ライト
  • ハンマー
  • ポンチ
  • サクションバキュームカップ

これらのツールを使い、損傷した部分を慎重に押し上げたり引っ張ったりして、元の形状に戻します。

へこみ修理の手順

修理の手順は、まずへこみの深さや位置を特定し、適切なツールを選択します。次に、慎重にへこみを元の状態に戻す作業を行い、必要に応じて微調整を加えて完了となります。

デントリペア(へこみ修理)は、自動車のボディに生じた小さなへこみを修理するプロセスです。以下は、一般的なデントリペアの手順です。

へこみの確認

デントリペア 作業中

まず、デントの状態を評価します。デントの大きさ、深さ、場所を確認し、修理が可能かどうかを判断します。大きなへこみや塗装の損傷がある場合、またはプレスライン上のへこみや工具が入らないような部位の損傷がある場合は、デントリペアではなく部品交換もしくは板金塗装が必要かもしれません。

デント周辺をクリーニングし、塗装の汚れや塗膜のダメージを取り除きます。クリーニングは修理の正確性に影響します。

デントリペアの確認

デントリペア

アクセスポイントの作成: デントリペアのために、へこみにアクセスするためのポイントを作成します。これにより、特殊なツールを用いて該当部位にアクセスできます。

専用のツールを使用して、デントを修復します。一般的な方法には、吸引カップやスポットウェルダーを使用した引っ張り修理が含まれます。修理師はツールを慎重に操作し、デントを徐々に引き上げて元の形状に戻します。

デントツールをへこみの内側に挿入します。この際、車の内部にあるケーブルにキズをつけないように注意が必要です。デントツールをへこみの内側から押し出すことで、へこみを元の形に戻します。

表面調整

デントリペア

必要な場合はキットに含まれているスライドハンマーを使います。スライドハンマーを、へこみに取り付けたタブに取り付ける方法です。スライドハンマーを自分に引っ張ることで、制御された力を加えます。この動作により、へこみが外側に引き出され始めます。ツールにより手動でへこみを外側に押し出していく方法もあるので、選択していきましょう。

デントが修復されたら、表面を整えます。これには研磨や塗装の作業が含まれ、デントの修理跡を見えにくくし、元の塗装と調和させます。

最終仕上げ

デントリペア

最終的に、修理されたエリアを仕上げ、クリーニングして、車の外観を復元します。修理痕跡がほとんど見えないようにすることが目標です。

検査・チェック

before
before
after
after

修理が完了したら、デントが適切に修復されているかを検査します。デントが完全に修復され、外観が元通りであることを確認します。

デントリペアは小さなデントに対して非常に効果的であり、高価なボディパネルの交換を回避できます。ただし、非常に精密な技術のため、プロの技術が必要となります。こういった修理は、熟練したテクニシャンによって行われるべきです。

デントリペアのメリット

ポイント

修理の速さと効率性

デントリペアの最大のメリットは、修理の速さと効率性です。塗装作業が不要なため、修理時間が短縮され、一般的には数時間で完了することが多いです。

デントリペアは、一般的な板金塗装よりもはるかに迅速に行うことができます。特殊な工具を使用して、ボディの裏側から凹みを押し出すことで、数時間以内に修理を完了することが可能です。

デントリペアは、塗装の使用を必要としないため、材料費や労力を節約できます。また、自動車のオリジナルの塗装を保持するため、車の価値を維持することができます。

ただし、大きなへこみや複雑な損傷に対しては、伝統的なボディ修理の方が適している場合もあります。修理方法の選択は、損傷の程度や自動車の状態によります。専門家の意見を求めることをおすすめします。

修理が必要な部位や大きさに左右されますが、修理が早く終わることはメリットです。

コストと価値

デントリペアは従来の修理方法に比べてコストが低く、車のオリジナルの塗装や質感を保持することができるため、車の価値を維持する上でも有利です。

板金塗装では、ボディとほとんど同色に仕上げられますが、しかし新車時の塗装とは異なります。

新車時は、焼き付け塗装を行うので、塗料がしっかりと密着します。板金塗装だからといって、すぐに剥がれる訳ではありませんが、それでもオリジナルの塗装の方が車に価値が残ります。

いつデントリペアが最適な選択なのか

ポイント

デントリペアに適した損傷の種類

小さなへこみやドアディングなど、塗装が損傷していない軽度の凹みには、デントリペアは最適です。塗装が剥がれている場合や金属が伸びている場合は不向きです。

またデントリペアは、ツールを使って裏側から押してくる修理方法なので、スペースが必要となります。車の部位によっては、背後にツールを挿入するスペースが空いていないこともあるでしょう。その場合は、デントリペアでの修理が難しくなります。

修理が難しいケース

深いへこみや、複数の部分にまたがる大きな損傷は修理が難しい場合があります。また、アクセスが困難な部分の凹みや、塗装が損傷している場合も適していません。

広範囲で塗装そのものが傷ついているなら、デントリペアのメリットが活かされないので、パテなどを使った板金塗装の方がコスパが優れていることもあります。

技術がある整備士ならデントリペアと板金塗装のどちらの方が効果的なのか判断してくれるので、事前の相談がおすすめです。

デントリペアのコストと期間

デントリペアで修理するなら、コストを抑えられるだけでなく、修理時間も短くできます。

修理費用

デントリペアの費用は、へこみの大きさや数、車種によって異なりますが、従来の板金塗装に比べて低コストで行うことができます。

デントリペアでの修理費用ですが、目安となる相場は以下の通りです。

  • 数cmの小さい凹み 約1万円~
  • 10cm以上の凹み 約2万円~

へこみの大きさによって異なりますが、板金塗装よりも安く修理できます。

修理にかかる時間の目安

修理にかかる時間は、損傷の程度によりますが、一般的には数時間で完了することが多いです。大きな損傷の場合はもう少し時間がかかることもあります。

へこみが小さな場合は、数十分で終わる可能性もあるでしょう。傷の大きさによっては、板金塗装より費用が安いだけでなく、作業時間も短縮できます。

安心できるデントリペアサービスの選び方

選択

信頼できる業者を見つける方法

信頼できる業者を見つけるには、実績や口コミ、サービスの詳細をチェックすることが重要です。また、修理前に見積もりを取り、明確な説明を求めることも大切です。

そもそもデントリペアでの修理に対応しているのか、事前に確認する必要があるでしょう。デントリペアを含めた外装の修理は、職人の技術によって仕上がりが大きく変わるケースもあります。

デントリペアで実績があるのか、他の人の評価を確認しておきましょう。

修理店選びで考慮すべき点

修理店を選ぶ際には、技術力、サービスの範囲、コスト、修理にかかる時間などを考慮する必要があります。また、保証の有無やアフターサービスについても確認することが望ましいです。

デントリペアは、設備の影響を受けにくい修理方法です。ツールがあれば対応してもらえるでしょう。しかし万が一デントリペアで対応できなかった場合に、板金塗装で対応できる設備があるなら安心です。

修理方法が変わってしまったときに、費用がどのように変化するかなど、丁寧に説明してくれる業者なら安心できるでしょう。

デントリペアに関するよくある質問と回答

デントリペアって何?

デントリペアは、車の小さなへこみを特殊な工具を使って修復する方法で、従来の板金塗装よりも迅速かつコスト効率の高い修理方法です。

デントリペアがおすすめのケース

小さなへこみやドアディングなど、塗装が損傷していない軽度の凹みにはデントリペアが最適です。傷が大きな場合は、板金塗装の方が適していることもあるため、経験のある職人に判断してもらうのがよいでしょう。

デントリペアの費用は?

デントリペアの費用は、へこみの大きさや数、車種によって異なりますが、従来の方法に比べて一般的に低コストです。数cm程度のへこみであれば、約1万円〜の費用で修理できることもあります。

目次