車検に通らないヘッドライトの特徴は?ヘッドライト検査の計測方法の変化

車検 ヘッドライト

ヘッドライトに問題があるために車検に通らないことは少なくありません。車検におけるヘッドライト検査の方法が変わり、検査が厳しくなったため、きちんと対策しておく必要があります。

本記事では車検に通らないヘッドライトの特徴や検査の計測方法、車検対策などについて紹介しましょう。車検に通らないのではないかと不安を抱えている人は参考にしてください。

目次

従来よりも検査が厳しくなった

プリウス

2015年9月1日からの車検では、単にロービームが測定対象になるだけではなく、全体的に検査が厳しくなります。ヘッドライトで検査に通らなければ、車検は即不合格になるのです。

従来はロービームで不合格でもハイビームで合格すれば車検は通りました。現在ではロービームの検査に通ることが車検に合格する条件になります。

メンテナンスをした上、エルボー点やカットラインが取れないときはハイビームで測定します。

ヘッドライトの車検の基準は3つ

車検密着

ヘッドライトの検査基準は以下の3つです。

  • 光量や色
  • 照射範囲
  • ヘッドライトの状態

それぞれどのような基準で審査が実施されるのか紹介します。

光量や色

車検ではヘッドライトの光量や色をチェックします。ヘッドライトの光度の規定は、1つのライトにつき6,400カンデラ以上の光度を保つことです。ヘッドライト内でリフレクターに反射した光度を測定して6,400カンデラ以上を計測する必要があります。

6,400カンデラとは、15m先にある障害物を確認できる程度の明るさのことです。注意点として、光度の単位はカンデラであり、ケルビンではありません。ケルビンは色温度のことであり、光度・光量とは関係ないです。

また、ヘッドライトの色については、白色か淡黄色のいずれかにする必要があります。また、2006年1月1日以降に生産された車はヘッドライトが白色でなければいけません。

ヘッドライトの光量や色については、上記の条件を満たさないと車検に通らないだけではなく公道を走ることができないです。たとえば、白色や淡黄色以外のヘッドライトで公道を走れば警察に呼び止められて、整備不良で罰金になります。

照射範囲

車検ではヘッドライトの照射範囲を確認するために光軸検査に通らなければいけません。光軸とは光が照らす方向のことで、光軸の基準が細かく規定されています。

車検の光軸検査の基準は前方10mを照らしたときに規定の位置にエルボー点があることです。エルボー点とはヘッドライトをつけたときに光がカットされて角度がついている部分を指します。

ロービームはライトの上方向がカットされているのが特徴です。光がカットされる起点がエルボー点であり、車検ではエルボー点が規定の範囲にあるか確認します。

光軸は外部から衝撃が加わりずれることが多いです。車の振動やレベライザーの動きで0点が狂うこともあります。車検を受ける前に光軸が正常な位置にあるか確認することが大切です。

ヘッドライトの状態

車検ではヘッドライトの状態をチェックされます。たとえば、ヘッドライトにキズや貫通した割れがある場合は、光が漏れたり水が入ってしまったりするため車検に落ちる可能性が高いです。1〜2mm程度でも光が外に漏れている状態は、バルブが切れやすい状態なので厳しくチェックされます。

ヘッドライトの表面に小さな傷が少し見られる程度であれば問題ありません。たとえば、飛び石によりかすり傷が残るケースはよくあります。ヘッドライトの機能に影響を与えているかどうかが基準となるため、キズには注意しましょう。

ヘッドライトが原因で車検に落ちる車の特徴

ヘッドライト

ヘッドライトで車検に落ちてしまう車のよくある特徴を以下にまとめました。

  • 社外品のバルブを使用している
  • レンズに黄ばみや曇りがある
  • ヘッドライトカバーが破損している
  • 光軸がズレている
  • 輸入車
  • ヘッドライトにガタがある

車検に落ちる原因について詳しく紹介します。

社外品のバルブを使用している

社外品のバルブを使っている場合は車検に落ちる可能性が高いです。バルブとは電球のことであり、ヘッドライトの光に影響します。社外品のバルブの中には、車検基準を満たしていないものがあるため注意しましょう。

バルブは大きく分けると以下の3種類があります。

  • ハロゲン
  • HID
  • LED

かつて主流だったものがハロゲンバルブです。HIDバルブは非常に明るいのが特徴のバルブであり、視認性が向上します。しかし7年~10年でへたって光量が出ないことがあり、交換すると高額になりがちなので注意が必要です。

LEDバルブは現在主流になっているものであり、明るくて長寿命な点がメリットです。

特にLEDバルブは多くのメーカーから出ており、社外品のものを使う人はたくさんいます。社外品のLEDバルブの中には「車検対応」と表記されているものがあり、何の疑問も抱かずに使用する人が多いです。安価なタイプは車検非対応のものも多いです。

しかし、商品に「車検対応」と記載されていても、実際に車検に通ることを保証しているわけではありません。社外品のバルブを使う際には、光量や色を確認して、車検の基準を満たしたものだけ使いましょう。また交換後に光軸調整してもらえるところへの依頼がおすすめです。

レンズに黄ばみや曇りがある

ヘッドライトのレンズ部分に黄ばみや曇りがあるとライトが暗くなります。黄ばみや曇りそのものではなく、レンズの汚れによって光量が足りないために車検に落ちるケースがあるのです。

ヘッドライトのレンズは樹脂製のため、経年劣化により自然に黄ばみが目立ちます。長く使っていると徐々に曇りが酷くなっていき、ヘッドライトの機能に影響するでしょう。

特に屋外で車を保管している場合は直射日光によりヘッドライトのカバーやレンズは劣化しやすいです。また、走行中の飛び石や雨風などによっても、コーティングが剥がれて劣化が進みます。

ヘッドライトに黄ばみや曇りが見られる場合は車検に通らない可能性があるため、交換や修理を検討しましょう。

ヘッドライトカバーが破損している

ヘッドライトカバーが破損していると車検に通らない可能性が高いです。破損していると光が外に漏れてしまいます。ヘッドライトが適切に使えない状態になれば、危険であり車検で落とされるでしょう。

カバーだけでなく、ヘッドライトのステーが割れていたり、大きなガタがあると車検に通りません。

また、ヘッドライトカバーが破損したまま運転していると整備不良として警察から指導を受ける可能性があります。警察に整備不良と判断されると違反点数が1点加算され、反則金を支払わなければいけません。

ヘッドライトカバーに破損があると雨水が入り込む可能性がある点にも注意しましょう。ライト部分の雨水が落ちるとバルブの電極間に水が侵入して過剰に電流が流れてしまい、ヒューズが切れることがあります。最終的にライトを使えなくなり、ライトそのものを交換しなければいけない場合があるのです。

光軸がズレている

光軸がズレているとライトの照射範囲に影響を及ぼし、車検で落ちる可能性が高いです。強い振動を受けるとヘッドライトの光軸は簡単にズレます。特に重い荷物を積んでいるときに何かにぶつかると強い衝撃を受けて危険です。

また、タイヤの摩耗が進んでいる状態で車を運転している場合は振動が強くなります。継続的に強い振動を受けると光軸のズレが進み、車検に通らなくなるため気をつけましょう。

輸入車

輸入車で車検を受けてヘッドライトに問題があり検査に落ちるケースがあります。特に並行輸入車の場合は海外仕様のまま日本に輸入されるため問題が生じやすいです。

特に左ハンドルの場合は、光軸が日本の車とは逆になっています。左ハンドルの車を日本で運転すると対向車にライトが当たるため危険です。

かつては車検でハイビームが測定対象だったため、左ハンドルの輸入車の問題が見過ごされることがありました。現在はロービームで検査するため、輸入車が車検に落ちるケースがよくあります。

輸入車に乗りたいならば、きちんと日本の仕様を満たしていることを確認しましょう。

必要であれば車検前にヘッドライトを交換しておく

ヘッドライト

車検前にヘッドライトの点検をして、必要であれば交換しましょう。ヘッドライトの交換について詳しく紹介します。

ヘッドライトが暗いと感じたときは早めに交換しておく

ヘッドライトが暗いと感じたときは、すぐに交換を考えましょう。ヘッドライトが暗いと明らかにわかる場合は、早めに交換をしないと危険です。対向車や歩行者を視認できずに事故を起こすリスクがあります。

少しでも暗いと思ったときは、実際に点灯状態を確認することが大切です。路肩に車を寄せて、実際に正面から点灯状態を確認しましょう。自分で確認するのが難しい場合は、同乗者にチェックしてもらうことをおすすめします。

黄ばみや曇りがある場合は交換が必要

ヘッドライトに黄ばみや曇りがある場合も交換を検討しましょう。黄ばみや曇りの原因はさまざまです。洗車の際にスポンジで強く洗いすぎて細かなキズがつき、黄ばみの原因になる場合もあります。

軽度な黄ばみや曇りについては自分で掃除をしてキレイにできるケースもあります。たとえば、耐水ペーパーやコンパウンドを用いて研磨して、最後にコーティングするという方法があります。

黄ばみや曇りを自分で取り除こうとして悪化するケースもあるため注意しましょう。プロに黄ばみ取りを頼むという選択肢もあります。

しかし、黄ばみや曇りの程度が酷い場合は、どうしようもないため交換しなければいけません。

ヘッドライトの交換にかかる費用

ヘッドライトの交換にかかる費用は、パーツのみの交換か一式で交換するかで異なります。たとえば、バルブのみの交換であれば、10,000円〜20,000円程度かかるでしょう。まるごと交換する場合は、10万円以上かかる場合があります。

交換にかかる費用はバルブの種類により大きく変わるものです。また、純正品の方が費用は高くなります。いろいろな製品があり、安いものから高いものまで費用の幅が広いです。

価格が安いものは耐久性に劣ります。すぐに壊れると再び交換しなければならず、トータルで費用負担が大きくなるでしょう。耐久性も考慮した上でヘッドライトを選ぶことをおすすめします。基本的には純正品を使うのが無難です。

ヘッドライトの交換はプロに任せよう

ヘッドライトの交換を自力で行うのは難しいため、プロに任せるのがおすすめです。

バルブ交換の場合でも、一部の部品を取り外さなければいけないケースがあり、工具を使うこともあります。丸ごと交換する場合は大掛かりな作業となり、素人が対応するのは難しいです。

ヘッドライトの交換は、バルブのみを依頼する場合は数千円で頼めます。ヘッドライトユニットの交換の場合は、数万円かかるケースが多いです。

メーカー保証が残っている場合は、無償で交換を受けられるケースがあります。ただし、メーカー保証を受けられる条件に注意しましょう。バルブは消耗品のため、メーカー保証の対象外となるケースが多いです。

ヘッドライトで車検落ちを避けるためのポイント

車検密着

車検落ちを避けたいならば以下のポイントに注意しましょう。

  • ヘッドライトを磨いて汚れを取り除いておく
  • 車種前にテスターでチェックしておく
  • 適切なバルブを装着する
  • アイラインに注意する

車検落ちを避けるためのポイントを詳しく紹介します。

ヘッドライトを磨いて汚れを取り除いておく

車検前にヘッドライトを磨いてキレイにしておくことをおすすめします。汚れを取り除くことできちんと光軸が取れるようになるからです。

普段のお手入れは、クリーナーを吹き付けてクロスで磨きます。しつこい黄ばみがある場合は、耐水ペーパーやコンパウンドを利用しましょう。

ヘッドライトの内側が汚れている場合は自分で対処するのが難しいためプロに依頼することをおすすめします。

車検前にテスターでチェックしておく

車検の前にテスターでヘッドライトのチェックをしておきましょう。車検場の周辺にはテスター(予備検査場)があります。車検と同様の検査を行ってくれる施設です。

テスターでは複数項目をチェックして2,000円程度で検査してくれます。再検査を受ける費用と手間を考えれば、事前にテスターを受けておく価値は十分にあるでしょう。

適切なバルブを装着する

ヘッドライトには適切なバルブを装着することが大切です。適切なサイズと光量のバルブを選びましょう。純正品として装着されているものを参考にして新しいバルブを探せば失敗しません。

市販されているバルブは、明るさをケルビンやルーメンで表記しているものが多いです。ケルビンは色温度であり、ルーメンは光の総量のため、どちらも光量ではありません。車検で必要なのは、6,400カンデラ以上の光量です。きちんと車検に通るように、6,400カンデラ以上の明るさが出るバルブを探しましょう。

アイラインに注意する

アイラインをつけたことで車検に通らないケースがあるため注意しましょう。アイラインとは車のドレスアップのためのアイテムです。ヘッドライトの上部や下部にアイラインをつけることで、見栄えを変えられます。

アイラインがヘッドライトの光を照らす邪魔になっている場合は、車検に通らないでしょう。アイラインが大きすぎるケースや、装着する位置が問題視されるケースがあります。

アイラインそのものを装着することに何の問題もありません。純正のオプションとしてアイラインを出すメーカーもたくさんあります。アイラインを使いたいならば、ヘッドライトの機能を妨げていないか確認しましょう。

ヘッドライトの測定方法に注意しよう

ヘッドライトは車検の測定方法が変わり、検査が厳しくなったため注意しましょう。車検に落ちると再検査を受ける必要があり、手間と費用がかかって面倒です。本記事の内容を参考にして、車検に備えましょう。

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